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Dayz (月の光に照らされて、春風は薫る)

* * *

しばらく文章をこちらに書いていませんでした
春風が薫る連休前夜 せっかくなので今思うことなどを
つらつらと書いてみようと思います

さて
ようやく 長かった冬が去ろうとしています 
つまりは 僕やあなたの暮らしにも 
僕らの短い生涯において 二十数回目かの春が訪れるのです
まあ何というか 僕らもそれなりに年を取っているというわけですね

小さいころは 毎年当たり前のように過ぎていた季節ですが
大人になってからは なぜか以前よりも強く季節を意識するようになりました

何度経験しても 季節の移り変わりというのは良いものです
特に春の訪れは格別 
それを毎年感じられるのは 生きている歓びのひとつだと思います

日本には四季があって本当に素晴らしいですね
神様が1年を4つに分けたのは 最高のグッジョブだと感謝です

出逢いの春は 惜別と希望の光で輝く涙
虹を見た夏は甘い魔法
海に沈む夕陽とアスファルトを濡らす夕立
紅葉の秋は色とりどり
重ね着をしたり 本屋さんの匂いと長雨
幻の冬は湯気やおいしい食べ物とあたたかいお風呂 とか

毎年 同じ世界の繰り返しの中で いつもと変わらない変化があって
それぞれに素敵な瞬間や物語がある

今は春になろうとしているところだから 僕らの春の街は
膨らんでゆくあたたかい空気と花の香り パステルカラーの季節 
何かが変わってゆく感じ 心地よいスピード感 出会いと別れ
そして新しい風が運んでくる薫りと始まり 

特に理由はないけれど ここ数週間 
そんなことを想って 季節が巡っている喜びを感じたり 
どこか心地良い気分で毎日を過ごしている方も多いのではないでしょうか?

* * *

すこしだけ むかしのはなしをします。

ちょうど数年前の春くらいからでしょうか

わぁーすごいなぁとか きれいだなとか 超楽しいよとか
例えるならば うれし涙が瞳の中で踊ってしまうような
そんな風に 自然にテンションの上がる場面に出会ったと感じることが
年を取るにつれて 昔よりも少なくなっているような気がしていました

“その瞬間にしか出会えないもの”

毎日見る景色も 話す言葉も 落ちてくる雨の雫の一粒一粒も
よく見ると全てがone&onlyで ひとつ&だけ なものであるはずなのに

どうして僕らは なんでも全てを知っているつもりになるのでしょう?
普段見慣れているものでさえ 本当はいつでも“初めまして” なはずなのにね

ある程度の年になると それなりに結構な時間と経験が僕らにも積もってきて
人生や全てを悟ったような風に語る人なんかも 回りにはどんどん増えてくる
別にそれを否定はしないし 習慣や日常はそう簡単には変えられません

けれど 必ずしも365日いつも 自分で決めてしまったレールに従って 
予想通りに感じて過ごさなくてもいいよなぁ... とはやっぱり思っていて
“大体まあこんな感じだろうな” 的な そんな日々の繰り返しの安心と安定は
長い人生 毎年の全ての瞬間に必要ではないな とか考えたりもします 
毎日 わかってることの繰り返しでは ドキドキしなくなってくるからね

まあこれぐらいの年になると バカ正直にそんなこと考えてる余裕もないほど
仕事や年齢や周囲に追われることもあるのは 百も承知の上での話

でもさ

これはほんとに駅からの帰り道とかで ときどき考えられることだけど
あの角を曲がれば
あの いつも通る 見ているだけで 一度も通ったことのない
あの角を曲がれば 
その先には全く知らない ちょっと不思議な世界があるんじゃないか

きっと僕は10年後も同じことを言ってそうだけど 
いい年になってこんなことを言って(今もそうだけど)
それでバカにされるのならば 思い切り恥をかいてもいいと思っています

仕事帰り いつもと違う道を選んで
あの角を曲がったら
いつも見ているだけの
あの角を曲がったら
虹色バスの運転手が 大きな扉を開けて待っているんじゃないか

あの丘の向こうでは
もう雨は止んでいて 濡れた地面に 太陽の光が反射して
見たこともない色で世界はキラキラ輝いていたりして
ささやかな幸せに笑顔を浮かべられる場所があるんじゃないのかな

なんてことを時の流れがきれいな春の夜には ポケーっと考えたりもします

毎日の暮らしは天気予報のように 計画通りに進むことばかりではないけれど
変わるきっかけをくれる周囲のものや 変わらないきみの存在があって
去年と同じことを 去年とはどこか違う季節の変わり目に感じます

あの日と同じ気持ち 抱えて 一歩一歩進んで 動いて 
戻って 揺れて 悩んで 変わって 進んで
繰り返す季節のように 僕らは毎日 年月を重ねてゆくのです

来年の春も気持ちよく笑っていられたら それでいいや
26回目の春を迎えて 今は そんな風に感じています

* * *

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おしまい

* * *