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1020 インド帰りのヒゲを生やした青年の話

10/20(WED)
休日の前の日に焼肉を食べて何も考えずに寝て、朝ねぼうをする。
幸せな寝起きだった。

クリーニング屋に行って部屋の掃除をして少し仕事をして、午後からIくんと会う。
Eメールでやり取りをしたり、共通の知人から様子は聞いていたけど、
4ヶ月ほどひとりでインドを旅していたという。
文字通りの縦断らしく、バックパック一つで色んなところを回っていたらしい。
こうやって実際に会うのは半年ぶりくらいかな?
インドに行って大きくなって帰ってきた。

夕方前に彼を車でピックアップして、一緒に日帰り温泉に行った。
目的地まではなんだかんだ2時間ぐらいあったので、運転をしながらたくさん話をする。

* * *

旅帰りの人の話は面白い。
土曜日に帰国したばかりだから、まだ彼の熱が冷める前なのもよかった。
しばらく日本を離れていたせいか、僕にとってはごく当たり前のいつもの風景も、
彼の目には違うように映るようで、そういう感覚の違いはとても面白い。
普段の自分では絶対に気がつかないような観点から彼は目の前の風景を見る。
それは僕の目線がごく限られた一部の側面しか捉えられていないことを教えてくれる。
改めて、自分の思考回路のキャパシティの小ささを実感した
いつも同じようなことしか考えられなくなっている気がした。

人はいつも同じところにいるとどうしても想像力とか物事の見方が鈍って偏ってしまう。
だから彼のように、無理矢理にでも、全く価値観も環境も違う所に身を置いてみて、
自分の新しい世界を切り開いていくというのは、やはり大切なことだと思う。

それはインドだろうがニューヨークだろうがアフリカだろうが、どこでも良いのだと思う。
もちろん旅をするだけが、新しい世界を切り開く唯一の方法ではないし、
日本にいながらでもやろうと思えばそれなりに様々な方法があるのでしょうが、
まあ一番手っ取り早いのは、今回のIくんのように一人旅だろうな。

日本に帰って一番テンションが上がったのは何?との問いに、
「ただの白いご飯が美味すぎる」というのが面白い。やっぱり日本人は米が命だな。
自分は当たり前に毎日食べてたくせに、お米がおいしいって感覚忘れてた。
彼の言葉を借りると、「百姓の方々に感謝します」というのが彼らしくて何ともいえない。
なかなか難しいだろうけど、そんな風に身を持ってせっかく気づいた色んなことを、
いつまでもその感覚を大事にしていって欲しいです。

経験して初めて感じられたこと。それは僕が持っていない、彼だけの素敵な財産ですよね。
僕もそういう財産を増やしていきたいなと思う。

* * *

今日はIくんとは半日くらい一緒にいて、海老フライ食べたり、温泉でリラックスしたりして、
しばらく会っていなかったけど充分過ぎるくらいゆっくり話せてよかった。

彼とは仕事も生活環境も違うのに、よくよく考えたらずいぶん長い付き合いになる。
でも目には見えない何かが合うからずっと関係が続いているんだろうな。
だからこういう風に何かのためになるようなことを、もらったり与え合ったりして、
お互いに良い影響を与え合って、これからもお付き合いを続けていきたいと思う。

帰り道、休みの日に限ってお誘いの電話がきたりする。
そうだよね、今日は水曜だからみんな仕事してたんだよな。
こっちは東京の喧噪とは違って、静かで安らかな別世界だったよ。

タイミング合わなくて残念だけど、また行けるからと思うと気が楽になる。
あまり多くはいないんだけど、断る方も気を使わない関係ってのが理想的だなぁ。
Iくんともまた会いたいし、MやKさんともちょいちょい会いたいです。

体も心もポカポカ気持ちいいので、今夜はこのまま夢の世界へ飛ぶことにする。

                  *Köln, January 24, 1975, Part I/Keith Jarrett