【死者情報の扱い】

まず、死者に関する情報(以下「死者情報」)については、個人情報保護法(以
下「法」)2条1項が規定する「個人情報」に該当せず、したがって「個人情報」
(同項)及び「保有個人情報」(法60条1項)を対象とする法の規律は及ばない。
法2条1項は「生存する個人に関する情報」を「個人情報」の定義の要素としてい
るからである。
しかしながら、死者に関する情報が、同時に生存する者の「個人に関する情報」
にも該当する場合には、当該生存者の「個人に関する情報」として法の保護の対
象となる(ガイドライン13頁参照)。この場合、自己情報開示請求の対象にもな
りうる(ガイドライン43頁参照)。

次に、自己情報開示請求においては、死者に関する情報については「開示請求者
以外の個人に関する情報」すなわち第三者情報として、原則的に非開示事由とさ
れる(個人情報保護法78条1項2号本文)。
しかしながら、死者に関する情報が同時に開示請求者本人の保有個人情報にも該
当する場合には、上記のとおり、自己情報開示請求の対象とされる。

以上要するに、死者情報は法2条1項が規定する「個人情報」には該当しないが、
同項柱書が規定する「個人に関する情報」には該当する、と考えるべきである
(概念整理につき、宇賀逐条41頁参照)。

紛らわしい。非常に紛らわしい。