オリンピックの時期にいつも思い出すことがある。
あれは、前回のリオデジャネイロのオリンピックの時。
私はたまたまその時実家に帰っていて、衝撃的な光景を目にしたのです。
それは両親がテレビでオリンピックを見ながら、金メダルを取った選手を心から称賛していたこと。
え?
ちょっと待って。
私は親から一度も褒められたことがないのに、何でこの人たちは他人を称賛しているの?
それが私が最初に親からの洗脳に気付いた瞬間だった。
もしかして・・・とは思ったけれど、いま目の前で見た光景は幻ではない。
確かに両親は金メダリストを称賛している。
その時、静かに怒りが湧いてきたのを覚えています。
「信じられない!私の事は一度も褒めたがことないのに、何で他人を褒めているんだ!!」
そこから両親の教育は異常だったのではないかと思い始め、親に対する不信感が少しずつ湧いてきたのです。
それまでの私は一切親を恨むことも憎むこともなく、ただただ従順なひつじとして生きてきて、そこには何の疑いもありませんでした。
完全なる「faithful sheep」です。
昔、「かわいそうなぞう」という土家由岐雄さんの童話があって、それを読んだ時まるで自分のことが書かれている気がして、涙が止まりませんでした。
この物語は、日本が戦時中に上野動物園で3匹のゾウが殺処分されてしまった実話です。
とても優しい3匹のゾウさん達は、
「食べ物をください」
「水をください」
と必死に訴え、餌をもらうために鼻を高く上げてバンザイをしたり、やせ細った体で飼育員に必死に芸をして見せていました。
でも、どれだけ訴えても餌も水ももらえず、結局最後は餓死してしまいました。
この物語を読んで何度泣いたかわかりません。
だって、このゾウさん達は昔の私なのですから。
お母さんに気に入られるために捨てられないために健気に頑張るけれど、結局最後は力尽きて諦めてしまう。
そんな私は完全に「faithful elephants」ならぬ「faithful sheep」だったのです。
あのオリンピックがなければ、私は今でも飼いならされたひつじのまま、両親にとってのfaithful sheepだったかもしれません。
最初のきっかけなんてそんなものです。
どこで気付くかわかりません。
こんな歳になるまで親にずっと洗脳されていたなんて、本当ならとても恥ずかしくて言えない話ですが、調子に乗ってこうしてブログに書いてしまっています(笑)
そして今年も両親はオリンピックを見ながら、金メダルを取った選手やチームを称賛していますが、
まずは先に娘を褒めてよ。
一度でいいから。
ってずっと思っていますが、一向に叶いません(笑)