★何のために討論をするのか

 

1討論とは

「三人寄れば文殊の知恵」という言葉がある。

一人で考えても分からなかったのに、

何人かで考えてみるとよく分かるようになるということである。

今まで、そういう経験をした人も少なくはないだろう。

ふだん、私たちは、自分の目の高さから物事を見ている。

そして、自分以外の人も自分と同じように物事を見て、

考えていると思いがちである。

しかし、実際はそうではない。同一の物事についても、

全く正反対の見方がなされることさえある。

このような違いに気付き、お互いに考えを出し合い、

深めていくことで「文殊の知恵」がまとまっていくのである。

 

 集団で考える際に、意見が対立することは珍しくない。

例えば、文化祭のクラス参加企画をどうするかを決める場合などである。

A君は、学校の近くの古墳についての調査発表をしたいと言う。

一方、Bさんは、演劇をやりたいと言う。

この場合、クラスとして両方をすることはできないので、

どちらか一つに決めなければならない。

ここですべきことは、安易な人気投票ではなく、討論である。

 

 討論とは、対立点について意見を闘わせる議論である。

一見したところ話し合いと似ているが、

対立点を中心に議論が進行するところに討論の特徴がある。

問題についての賛否や結論をどうするかについて、集団で考える活動でもある。

討論が成り立つためには、次の条件が必要である。

 

①発言は公平に

 討論の出席者は、全員が対等な立場に立ち、発言の自由を持っている。

特定の人物が優位な立場を占めていたり、他者の発言を制限したりしてはならない。

②進行は公正な規則で

 討論の進行は、司会が公正な規則に従って行う。

特定の参加者に有利になるような進行の仕方をしてはならない。

③目的・時間を理解する

 参加者全員が、その討論の目的を共有している必要がある。

様々な考えを出し合って終わるのか、最終的な結論を出さねばならないのか、など、

どこまで議論すればいいのかを理解していないと、討論の焦点は定まらない。

討論の時間も無制限とはいかない。使える時間を確認しておきたい。

④取り上げる問題についての情報提供を

 提案者は、自分の案について出席者全員に十分な説明をする責任がある。

提案理由、具体的な内容など、

出席者が討論を行う上で必要な情報を提供するのである。

 

 こうした条件を整えた上で、

討論においてそれぞれの考えの長所・短所の比較にかかわった検討がなされる。

限られた予算や準備時間で実行できるのか。

‘’文化祭の企画として、参観者にどう楽しんでもらえるのか‘’

様々な問題点を取り上げ、明らかにしていく。

十分に検討した上で、どちらがいいかを全体で決めるのである。

 討論で検討すべきは意見である。

ところが、時に感情的になるあまり、個人攻撃が行われることがある。

これでは、せっかくの討論が実りのないものになってしまう。

司会が注意し、適切な軌道修正を行うようにしたい。

 

【活動】

1.今まで自分が参加した話し合い・討論の特徴を指摘してみよう

2.なぜ、①~④の条件が討論にとって必要なのか考え、説明してみよう