広福女王♥仙台334の広福菜根譚その51
掛布雅之の新著「若虎よ!」を読む
今年もいよいよプロ野球が開幕しましたが、本屋さんのプロ野球コーナーに来年にも
阪神監督就任か?と噂される掛布雅之DCが書いた角川oneテーマ21から出版、販売
されていました。私はグラティ批判や現在監督である和田豊との関係、借金問題などに
とても興味があったので早速手に取り、拝読してみました。目次をみるとグラティの事や
和田監督との事は触れていましたが借金については一切触れていませんでした。
グラティについて
グラティについては、「全面的にそれを否定していない。」とか「自分に『やれ』とか『やめろ』とか言う資格はない。」とかという事を書かれていたけれども、その一方
「そんなポーズよりやるべき事があるのではないか?」と問いかけ、さらに
「グラティは阪神タイガースの伝統に相応しくない。」
という事も書かれていました。ですが私からすると阪神の伝統って何?
という疑問が残っただけでした。巨人には数ある名選手、名監督がいてV9という輝かしい伝統が
あるけれども阪神は日本一になったのは一回だけ、それに対しお家騒動などのゴシップネタ
ばかりで輝かしい歴史や伝統など全く浮かび上がって来ない。阪神の守るべき伝統などなく
むしろ逆に不名誉な伝統が横たわっているのではないかと思うくらいです。掛布自身そもそも
何でそんなに阪神に拘るの?という疑問が湧くばかりでとても納得できるものではなかったです。
また相手チームの選手に尊敬の念がグラティにはない、という事も言ってましたが、それならば
江夏豊氏が指摘した「蛍の光」や「アウトコール」など罵詈雑言を慎む方が先だと思うし最近、
掛布はミスタータイガースの活躍をしながらも、その実チームメイトとはしょっちゅう衝突し、
チームメイトへの気遣いや敬意は一切なかった事を知恵袋とのやり取りで知りました。そんな
掛布にはグラティに文句を言う資格はさらさらなく西岡が実戦の活躍は勿論、ファンとの一体化
を図りそれを成功させた事についての嫉妬にしか感じませんでした。
和田豊監督との事について
掛布はまたDCという特別職については「自分は現監督である和田豊を脅かす存在だと
マスコミに書かれてるが自分にはそのつもりは全くなく、逆に和田監督をサポートするために
臨時コーチとして就職した、という事を述べていましたが、先のグラティ批判で勢いのあった
和田阪神の勢いを削いだ事は、どうみても掛布が和田阪神を蹴落として一日でも早く念願の
阪神監督になりたい野心行為にしかみられませんでした。秀吉に「秀頼公をお守りする。」
と言いながら結局、豊臣家を滅ぼした徳川家康と何ら変わらない感じがしましたね。
阪神ファンに恩返しするために阪神に復帰したい、という記事もみたけど
掛布は過去に楽天や千葉ロッテから監督要請を受けながらも断っていますが、
その理由として「自分を応援してくれた阪神ファンに恩返ししたい、そのためには
他球団のユニフォームを着るわけにはいかない。」のような発言をし、阪神球団から
声がかかるのをずっと待っていた、という事ですが、もし本当に阪神ファンを思うのなら、
何故、阪神ファンとチームが一丸となって楽しんだグラティを批判したのか?非常に
疑問に思います。そもそもTBSの特番で現役時代のスランプ時に阪神ファンから数々の
嫌がらせを受け、大嫌いだった、とも告白している。そして現役引退後は日本テレビの
解説でアンチ阪神のような解説、広島のお好み焼きが美味かったからと関西のお好み焼き
の牙城に広島のお好み焼きの店を開店させる、そしてグラティ批判。恩返しどころか
掛布は阪神ファンに逆撫でする事ばかりしていたとしか思えません。
はっきり言って現役不調時の嫌がらせの復讐をしてるとしか思えない。
本に書かれてある事と現実の行動が噛みあわない感じがしました。
チームリーダー不在とも書かれていたけど
また今の阪神にはチームリーダーが不在だ、という事も書かれ、新聞ではスタメンで
唯一の生え抜きである鳥谷に「鳥谷の阪神として優勝」ということが書かれていたけど
掛布があくまで生え抜きに拘り鳥谷に無理を強いてるとしか思えない。では今の阪神は
本当にリーダー不在か?という事ですが、それが本当かどうかは開幕まもない
2014年の3月30日の巨人阪神戦で分かりました。2回ウラ、巨人の攻撃で大竹投手が阪神の榎田投手から打ち、そのボールを取ろうと西岡と福留が激突、西岡は後頭部から
地面に叩きつけられしばし意識不明の状態となり両軍から西岡コールを受け意識を取り
戻すおも起き上がれず、救急車に入れられる時に西岡は手を上げファンの声援に応えて
いました。鼻骨骨折と利き腕でない肩の脱臼だけで済みましたが、ここで言いたいのは
西岡は阪神ファンやチームメイトの気持ちをしっかり掴んでおり
実質上阪神タイガースのリーダーになっている!
という事です。それは掛布が決定的に欠けていた点であり掛布が一番認めたくない事でしょうが
まぎれもない事実だと思います。とにかく掛布の新著で述べられている事は殆ど説得性に
欠けているな、と思いました。そもそも掛布はその現役時代の大活躍からミスタータイガース
と言われた人だけどチームメイトから世話になったという話も聞かないし、巨人に次いで創設
された古い球団というのを「伝統ある球団」と勘違いしている。だけどその古い球団で真の
リーダーと言える人物は殆どいない。私が知る限りリーダーに当てはまるのは西岡剛のほか、
川藤幸三だけ、掛布雅之でも岡田彰布でも吉田義男でもない!
川藤は成績は最低ランクであったかもしれないけれども実力者はいても結束力に
欠けるチームを一つにまとめ、1985年の優勝日本一の陰の功労者だと思います。
同年齢のロッテから移籍した澄田弘男氏によると岡田彰布以下の後輩の殆どが
川藤に悩みを打ち明けていた、との事。こんな人はクールでドライな現代では稀有な
存在だし、ある意味とてつもない偉業であり、また野次将軍と言われたわりに
この人から他人の悪口を聞いた事は一度もない!!それは現在までも
続き、正直な話、様々な面で阪神の統合と象徴を意味する人物、として
本来のミスタータイガースの称号にこれほど相応しい人物はいない
と思います。歴史上で思いつく人物では三国志の劉備は実は川藤に近かったのかな?
と想像してしまいます。言葉遣いは乱暴でも言動や態度は実に謙虚、極端な話、
川藤がいなかったら阪神の魅力は半減してしまう、と言って良いと思います。
阪神の伝統に自慢に出来るものは殆どない、と書きましたが例外なのが川藤幸三
という存在だということも述べておきたいと思います。