どこかの家に
一つの壊れかけた家庭と
そこに住む猫がいました
壊れかけた中でも猫は唯一
家族の誰からも愛されました
その家の子供もまた
その猫を愛していました
毎日毎日、その猫だけを愛しました。
子供は親に、愛されずに育ちました
子供は、親より猫を愛すようになりました
ある日
突然猫が姿を消しました。
子供には、愛してくれる人も、ものも
また、愛する人も、ものもなくなってしまいました。
子供は
なにもわからなくなりました。
あいしたものはすがたをけし
あいしかたがまちがっていたのか、じぶんのせいなのかとといつめ
せめてあいされるようになりたがりましたが
なにをしたらあいをもらえるのかもわからない
なにをしてもあいはもらえない
なにをしたらどうなるのかがわからなくなってしまいました。
なにもわからないまま
子供は独りでなみだをながしつづけました。