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To the New Moon

明日は明日の雨が降る。

旅四日目 8月28日(水)


この日の目的は、この旅のメインテーマでもある。

「夜のピクニック」の舞台地を訪れることだ。


「夜のピクニック」については、大部分の人が知っているだろう。

本屋大賞も受賞した、恩田陸さんの作品だ。

僕は中三の時に(もう7,8年ほど前)初めて文庫本で読んだ。

その時の作品に対する感想がどうだったかは覚えていないが、後に映画化されて

DVDで見たときから意識するようになった。


その後、改めて小説を読み返したりしながら、段々と心惹かれるようになっていった。

高校生のある時、たまたま夜中に「夜ピク」の映画が放送されていて、当時は自分の部屋にテレビがなかったため、携帯電話のワンセグで録画をして、小さな画面で何度も見返したことを覚えている。

小説の方も1回読んではその余韻に浸り、またふと思い立った時に読み返すということを繰り返していた。


そうやって小説とDVDを何度も行き来することで、この作品の雰囲気であったり舞台となった場所へのイメージを膨らませていった。

文字で読んで自分が捉えたものと、映像で観た実際の舞台とを重ね合わせ、この作品に対する自分なりの世界観を築いた。


その世界観は揺るぎないものへと形を変化させ、いつだって脳内で再生することができた。

それは、行ったことのない水戸の街の様子であったり、人物たちの心模様であったり。


しかし今回水戸に行き、実際にロケ地を回ったことで、その世界観、とりわけ水戸の街に対する自分のイメージは薄くなってしまった。

それはあたりまえのことで、実物を見ると想像していたものがかき消されて上書きされてしまうということである。

しかし、高校生の時からずっと水戸に行きたいと強く思っていたし、ロケ地もこの目で見てみたいと思っていた。だからこうやって赴いたのだ。


実物を見たことによる幻滅なんてない。

ずっと脳内で思い描いていた想像が、実際の光景を見たことによって一種のリアリティをもって、

再構築されただけだ。

最も好きな作品であるだけに、想像は想像のまま置いておきたかったという思いは当初少なからずあったが、今は行って本当によかったと思っている。

そして、この作品がもっと好きになった。



旅に話を戻す。


まずは、泊まっていた「御老公の湯」から昨日のバス停まで歩き、バスに乗って水戸駅へと戻る。

昨日水戸に着いたのが夜だったので、どんな街なのかわからなかったが、

本当に綺麗な街だ。

水戸駅を境にして南北に街が広がっている様子があり、南側は少し行くと桜川という川が流れている。



これが水戸駅から南側




そして桜川


南側は比較的オフィス街なのかなという印象。東西に桜川が流れているが、市役所などもあって、この大通り沿いにビルが並んでいる。


そして北側はどちらかというと、学校や史跡が数多くある感じ。

北から西方面に行くと、南側と同様にオフィス街となっているようだ。

この北から西にかけて通っている道沿いは、雰囲気的に昔栄えていたところなのかなと感じる。

百貨店などいろいろな商業施設があるなかで、昔ながらのお店があったりしている。

「大工町」という地名が残っていることからも予測できるんじゃないかな。



水戸駅に着いてからは、まず駅前のエクセルシオール(初めて入った)で朝食。

なんかのセットを食べた。


その後、千波湖のところにあるレンタサイクル所に行くために、水戸駅からバスに乗る。

水戸の中心部を突っ切り、千波湖まで行く。

千波湖周辺は大きな敷地に自然が溢れていた。


そこでレンタサイクルを借りた・・・しかし、その借りたチャリの前カゴ部分に番号が大きく印刷されたプレートが張り付けられており、めちゃくちゃださかった。

これで水戸市内を巡るのはさすがに無理だと思ったが、お金も払ったことだし諦める。

出来る限りカバンで隠した。でも隠れず。


バスで来た道を、ひたすらチャリで戻る。

大通りにさしかかる手前で、少し北上。

気象台前という交差点に着く。



ここが「ピクニックの準備」で、多部ちゃん(貴子)が自転車を押して歩いていた坂。


僕も実際に真似て、押しながら歩いてみた。

その姿を後ろから撮って欲しかったんだけれど、一人だし無理だからやめた。


この写真から見て右側は、とても景色がよかった。

遠くまで住宅が立ち並んでいる様子が見えた。


そして大通りの方へ戻る。

途中、水戸芸術館があった。




大通り沿いには、映画で使われた場所がいくつか存在する。




「ピクニックの準備」 貴子が郵便物を投函するポスト




「ピクニックの準備」 融がスポーツ用品店から出てきたところ(反対側に貴子の投函したポストが見える)




「ピクニックの準備」 美和子の実家の和菓子屋さん


この和菓子屋さんのすぐそばに、「ピクニックの準備」であった、融がマネキンを貴子と錯覚する着物屋さんがあった模様ですが、残念ながら今はもう廃業されていたようでした。


いずれにせよ、ここで実際に映画が撮られていたんだと思うと、わくわく感が収まらなかった。

多部ちゃんも石田君も西原さんも居たところに、実際に自分が居る。そう思えることが本当に幸せだった。


水戸駅方面へと大通りを引き返す。

弘道館の南側を通ると、水戸城祉通りの手前に橋がある。



「夜のピクニック」 歩行祭出発後のシーンで使われた大手橋


この通りのすぐ横には小学校と高校、反対側には中学校がある。

また、弘道館の手前には三の丸小学校がある。そしてこの通りを行けば、映画の舞台となった水戸第一高校がある。

この近辺はかつて水戸城があったらしいが、今ではこんなにも学校が集まっている。

そしてこの辺りにある学校、道などはとても整備されていてキレイである。

城下町の雰囲気が感じ取れて好きだ。


ここまでチャリで来たんだけれど、徒歩でも全然まわれると気付いたので、またまた千波湖方面に向けてチャリを漕ぐ。一刻も早くプレート付のチャリとおさらばしたかったから。

チャリを返却後、千波湖からはさすがに歩けないので、大通りのところまでバスで戻る。

そして弘道館の中に入った。

三の丸小学校と一体化していてなんかすごかった。


弘道館の裏手には細い坂道があり、ここも映画で使われていた。



「夜のピクニック」 登校シーンとクライマックスの坂(上から)



(下から) 


映画では、この坂を登りきったところすぐに学校があったけれど、実際は違うみたいだ。

学校の入り口とつながっているものだと勘違いしていたため、こんなところにこの坂があるとは思ってもみなかった。

人通りもあまりなく、どこかひっそりとした印象をうけた。(昼時だったからか)


融 「最後の青春するか」

貴子「最後の青春するぞ」  っていうシーンですね。

この坂を実際に下って登りましたが、結構急できつかったです。


そして大手橋を再度超えると



この先水戸一高。




「夜のピクニック」 県立北高 出発とゴールのシーン


映画では北高でしたが、実際は水戸一高。

裏門のグラウンドの外から撮りました。

映画ではさっきの坂を登るとすぐここに着く感じでしたが、そうではなく離れています。

水戸一高が今ある場所は、元々水戸城の本丸だったらしい。

その名残か、薬医門が校内に移されている模様です。


弘道館だったり城祉であったり、こういったものが近くにあるって本当に羨ましい。

自分も生まれ変わったならば、水戸に生まれて水戸一高に頑張って入って、歩行祭したいと本気で思う。

本当にこのあたりの佇まいが素晴らしい。


水戸一高を過ぎると、次は備前堀を目指して南に下る。

JRの上に架かる高架を通り過ぎ、桜川が見える。



「ピクニックの準備」 融が女性を貴子と錯覚する場所




「夜のピクニック」 桜川土手 団体歩行最初の休憩場所(実際にはもう少し向こう側かも)


この左手に見える高架は、どうやら大洗鹿島線が通っているらしい。

次来たときは乗ってみようかな。


そして柳堤橋というところにまで行くと、いよいよ備前堀が目前に見える。

その手前には、公園があった。



「ピクニックの準備」 忍が梨香に呼び出される公園 七軒町公園




梨香の様子を遠目から探る忍が隠れていた所


この備前堀は桜川の疎水らしく、きれいに整備されている。

かつてこの堀を整備した人が伊奈備前守忠次だったことから、備前堀と名づけられたらしい。





備前堀沿いは柳の木が生い茂り、そして石畳が施されているため、風情が醸し出されている。

このあたりは、映画「夜のピクニック」の融と貴子が接近する部分で使われている。




この橋はおそらく、貴子と母が一緒歩くところのシーン。




この通りを、貴子と融は共に歩く。


貴子のささやかな賭けが、親友の美和子やニューヨークにいる杏奈、そして杏奈が差し向けた順弥、

忍、ゾンビ高見(笑)、その他大勢によって実を結ぶことになるのだ。


僕もこんな素晴らしい場所を、友達と夜を徹して語り合いながら歩きたい。

もはや叶わぬ夢だけれども、実際に訪れてみてその気持ちがより確かになった。


僕が行ったときは昼過ぎだったからあんまりだったけれど、夕方くらいになって薄暗くなると、柳の下にある灯篭が一層風情を醸すであろう。

あまり人通りもなく、ひっそりとしていたけれど平日の昼間だから当然か。

写真を撮ったり色々と感じ取りながら、この通りを歩いた。


映画を見ている限りでは、備前堀も学校のすぐ近くにあるような感じもするが、実際はかなり離れている。

映画と小説の世界で空想していた自分だったが、普通はそんなことないよなと思う。

己の勝手な想像では、高校の正門から坂を下り、少し行くと備前堀があって、そこを学生が登下校で通っているのかなという様子。

実際は全く違ったものだけれども、映画での自分の世界観はそれでいいのかなと。

実在の場所を使用するわけだが、その一部を切り取って組み合わせて構築するのが映画というものである以上(私見です)、それはそれで置いておくことが望ましいのかなと。

無理に現実と想像を比較すること自体がナンセンスだ、ということに気付かされた。

現実と空想、両世界を行き来させてくれるのが、映画なのかなと感じています。


思いつくままに書いているのでまとまっていないですが・・・笑


この旅で最も訪れたかった備前堀。本当に来てよかった。

十分歩きまわり、夕方にさしかかる手前におさらばした。

今年行けるかはわからないが、また来たい。

今はまだ、実際のロケ地を見てその印象が色濃く残っているので、小説や映画は観ていないんだけれども、また読み返して、観かえしてから来たい。

貴子と融が一緒に歩み進めたように、自分も出来れば誰かとゆっくり歩きたい。


駅方面に向けて歩き出す。再び桜川。



大きな駅のすぐ近くに川が流れていて、散歩する人、ひなたぼっこする人などが川沿いにいる。

駅のすぐ近くは少しゴミゴミとした感じがあるが、ここに来るとゆったりとした時間が流れている。


「夜のピクニック」の小説の中で、梨香が貴子と千秋と会話しているときに言う、とあるセリフがある。

それは、古い町で、あまり大きくなくて散歩できる自然がある場所が、独創的な学問がうまれる町の条件だということ。

京都や金沢がその最たる例で、学者のアイデアが浮かぶのも散歩中が多いとのこと。


まさしく水戸も、その条件に合致しているのではないだろうか。

忙しなく常に流動的に動く都市の中を流れる桜川、そのまわりに広がる緑道。

西に行けば千波湖と千波公園もあり、自然も多く残っている。

北には歴史を感じさせる建造物や街並みが広がり、城下町ならではの雰囲気が漂う。

ゆっくり散歩できる都市というのは、有りそうで無い。


こんなに素晴らしい町で暮らせるというのは、本当に羨ましい限りだ。

水戸に来て、心からよかったと思う。

多様な表情を持ち、どこまでも奥深い水戸を、僕は愛してやまない。



朝からチャリを漕ぎ、歩き通しでご飯を食べることをすっかり忘れていた。

遅くなったが、駅南通りの近くにあったマクド(水戸ではマックか?笑)で軽く腹ごしらえ。

大袈裟だけど、水戸を離れなければならないのが辛かった。

出来る限りゆっくり食べ、スマホの充電をしていた。


マクドを出て、駅へ向かう。

駅ビルの中を少し見て回り、おみやげなどを購入。


そしてこの後どうするかひたすら迷う。

明日自宅に帰る予定で、水戸で今日を過ごすと帰りがキツくなるということもあって、途中のどこかまで行こうか行かまいかと。

買い替えたばかりのスマホで必死に検索し、水戸から今日中に行けて泊まれる24時間営業の健康ランドがある場所を探す。

候補的には横浜か小田原だった。

小田原なら駅からすぐ近くに小田原城があり、明日帰る前に寄れると判断したため小田原に決定。


帰らないといけないという絶望感を胸に抱きながらも、水戸にお別れ。愛してるぜ、水戸!と心の中で叫ぶ。

泣く泣く電車に乗り込み、上野、新橋を経由して小田原へ。長い移動中、何を考えていたのかは忘れた。

小田原に着いた頃には22時とかそんなだった気がする。


こんばんは、小田原。

駅が結構でかくて迷いそうだった。


駅前のコンビニでおにぎりを購入し、駅近くの健康ランドへ。

やはり都心に近いだけあって、料金は比較的高かった。


御老公の湯や南大門に比べると、お風呂はイマイチだった。

しかし、5,6階建てくらいで、中は色々な設備が整っていた。

レストルームの簡易ベッドにも1人1台テレビが付いていたりしていた。

割と早めに寝たと思う。


この3日間の旅では、どうしても移動時間が長くなっていて、それで疲れるのかなと思っていたんだけれども、意外と移動による疲れは感じていなかった。

毎日の阪和線に乗っている約1時間よりも、今回の旅でのはるかに長い時間の方が短く感じるほど。

初めて訪れる場所というのは、やはり新鮮さがあって飽きないのだろうか。

毎日の通学の片道2時間ちょっとの時間に飽き飽きしていたのだが、今回は退屈だとかしんどいだとか、そんなことを思うことは全くなかった。


そして、とうとう旅も明日で終わり。

明日には大阪に帰っているのだろう。

終わらせたくないけれども、終わらせなくてはならない。


明日に続く。



旅三日目 8月27日(火)

この日の目的は、「檸檬のころ」と「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」のロケ地をめぐること。


まずは駅前のモスバーガーで腹ごしらえ。

その後、「ぼくちゅう」の駐在所がある芳賀町へと向かう。

しかし芳賀町へ行く手段はチャリしかなく、そのため駅前のレンタサイクルでチャリを借りる。

距離はおよそ20キロ。無謀か。

そしてママチャリだった。まあ「ぼくちゅう」的にはママチャリの方がいいのかも。笑


宇都宮駅を出発し、ひたすら山に向かって走らせる。

駅から少し離れると、結構すぐに田舎な感じになった。

途中、きつい坂を超えた所で休憩。コンビニでジュースを買い水分補給。


ひたすら漕ぐと、大きな橋が。

どうやら鬼怒川の上に来ていたようだった。





透き通るような青空にこの景色。すばらしくて見とれるほどだった。

それにしてもとても長い橋で、高さも結構あった。

真夏の真昼間に、こんなところをチャリで疾走できるのももうあまりないのかなと思うと悲しくなった。


橋を越え、東の方向に進み続ける。

目的地まで5キロほどまで来たとき、どこか雰囲気の異なる集落(?)的なところにたどり着いた。

スマホの地図で確認しても、自分のいる場所がよくわからなくなり、不安になる。

これはもしや迷子かと思い、時間も結構経っていて後の行程に響きそうだったので、ここまでで断念。


地味に一番行きたかった場所だったが、あきらめて引き返す。次の課題として置いておくことにする。

帰りは下り坂が多かったので比較的楽だった。チャリをぶっとばす。


宇都宮駅に戻り、チャリを返却。

お昼なのでご飯を食べることに。

宇都宮といえば・・・ギョウザでしょ!ということで、駅前のビルの一階にあった「青源」(?)というお店でギョウザを頂く。

味噌ダレと醤油酢タレで食べた。おいしい。

お腹も満たされ、小休憩してから次の目的地の那須烏山へ。






烏山は僕が愛してやまない「檸檬のころ」「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」のメイン舞台となっている。

そのロケ地へ足を運ぼうというわけだ。

烏山へは宇都宮から烏山線で行く。

映画で見たこの車両を実際に見ることができて感動した。


宇都宮を出発し、少し行くと左右に田園風景が広がっていた。少しいくだけでこんなにも違うのかと。

途中、大金という駅を通る。



「檸檬のころ」の映画のワンシーンで、加代子と西が学校帰りに出会い、加代子が逃げ出す場面があったのだけれど、そこがこの大金駅だった。




加代子と西が偶然出くわしたとき、やりとりしていたのが車内のこの部分。


僕が乗ったときは座席部分に人が埋まるくらいの人が乗っていた。

そういえば、烏山線のこの車両内にはゴミ箱が置いてあっておもしろかった。


窓から見える景色を見ながら、映画のシーンを思い浮かべていた。

そうこうするうちに最終駅の烏山へ到着。







烏山駅のホーム。

「檸檬のころ」では加代子が上京するのを富蔵が見送るシーンで使われており、「ぼくちゅう」では美奈子さんを見送る部分で使用されている。






烏山駅の駅舎。

この駅舎は今年にリニューアルされ、もう今は無いみたい。去年に行っていて本当に良かった。

そして新たな駅舎を見てみたい。


駅前とそこに通じる通りは、それぞれの映画で使われたところが多くある。










これは「アルバトロス」という喫茶店なんだけれども、ここは「ぼくちゅう」のママチャリたちが作戦会議に使った場所であり、加奈子さんとの出会いの場所でもある喫茶店である。


この通りは映画ではとても賑わっていたが、実際にはあまり人を見かけることはなかった。

他にも映画で使われていた部分がある。




「檸檬のころ」で、この通りを恵が夜にチャリで通るシーンがあるが、そこでこの建物が写っていた。




ここは「ぼくちゅう」でママチャリの母親がパートをしていたコンビニエンス。

今は空き家になっていた。


この通りをまっすぐ行き、東に向いて歩くと他にもロケ地がある。



ママチャリがイタズラをする散髪屋さん




ママチャリたちが駐在さんに仕返しをされる「みどりや」さん




ママチャリ、西条、ミカちゃんが初めて出会うところ




「檸檬のころ」で、谷村さん演じる恵が雑誌を購入する本屋さん


谷村さんが実際にいた場所に自分もいるのかと思うとわくわくした。

徒歩で行ける場所はこれくらいだったので、少しだけ歩いて駅へと引き返す。


最近知ったのだが、駅から少し行ったところに観光協会の建物があって、そこでレンタサイクルをやっているとのこと。

もっと調べておけばよかったと後悔。次は今回行けなかったロケ地もめぐりたい。


今回映画のロケ地をめぐって思ったこと。それは、映像の中の場所も紛れもなく日常の一部であるということ。

映像の中ではステキな様に映し出されていたけれども、実際に足を運ぶとそうでもなかっと幻滅することもあるだろう。

しかし、そういった場所も自分たちが暮らす日常と同じで、どこにでもあるような場所である。

僕が映画を好きな理由はそこにあるのかもしれない。

非日常的な匂いを発しながらも、日常との関わりを切り離せずにあるものが映画であり、そこに自分は楽しみを見出しているのだろう。

だからこそ、たとえ断片的に切り離されたワンシーンであっても心囚われ、その場所に実際に立ちたいと思うであろう。

そんなことを思った。


もっと時間があればゆっくりしたかったが、後々のことを考慮すると今日中に水戸に着いていたいので、

電車に乗って宇都宮に戻る。

必ず近いうちに来る。もっと見て回りたい。さらば烏山、しばしの別れ。


帰りの車内には高校生たちがいた。

彼らは「檸檬のころ」に登場する高校生たちのような青春を送っているのだろうか。


僕がこの2つの作品を愛するのは、やはり青春に対する思いが強いからだろう。

何が普通で何が普通じゃないか、何がまともで何がまともじゃないかというのは人それぞれだが、

少なくとも自分自身はまともな青春を送っていなかった。

多くの人がそう感じているのか、またまともな青春を過ごしていた人も後になってそう思うのかは、今の自分にはまだわからない。

ただ、自分自身いつだって10代に戻りたいという気持ちは変わらずにある。

まともな青春でなかったからこそ、映画のような青春に憧れ、嫉妬しているのである。


電車通学や文化祭、もちろん恋愛などもだが、一般的な高校生が経験してきたことに対しての憧れが、永遠に自分を突き動かしているのであろう。

もう戻れないからこそ、映画を見て、実際にその場所へ足を運ぶしか方法が無いのだ。

ただただ10代が愛おしい。


夕日でオレンジ色に染まる風景に微睡みながら、電車に乗っていた。

そして宇都宮に着く。





この車両はキハ40形(あってるかな?)というらしいのだが、今年度から新しい車両が導入され、この車両が無くなると勘違いしていたのだが、そうではなかったらしい。この車両も普通に使われているとのこと。

彼・彼女たちの想いが積もった車両が無くなることを不安視していたが、杞憂だった。よかった。






宇都宮ともお別れ。

必ずまた来る。


この後は宇都宮線で小山に向かい、水戸線に乗り換え水戸へ向かう。

水戸に着いたらもう夜だった。






水戸駅、とてもキレイ。そしてオシャレな感じ。

改札をでて左右に広がっていて、いろいろなお店が立ち並んでいる様子。

想像していた雰囲気とは全く異なるが、ステキだ。


お腹がへっていたので何かたべようかと思ったが、あまりお金を使いたくなかったので、後で食べるためにコンビニでおにぎりを購入。

そして泊まるのを予定している「御老公の湯」が駅からかなり遠いことが判明。

バスしか手段がなかったため、茨城県庁方面へのバスに乗る。

20分くらいバスに揺られていたと思う。

最寄のバス停に着き、降りる。あたりに何もなく、不安になる。

地図で道のりを検索すると、バス停からも少し歩かないといけなかった。

暗闇の中、とぼとぼと歩く。


看板が見えたときはホッとした。

到着するとさっそく風呂に。

いろいろな風呂があって楽しめた。普段、家ではあまり長く風呂に浸からないから、こんなときはゆっくりと浸かる。極楽。

風呂上りは早めにレストルームに行き、寝た。


三日目はこんな感じだった。

暑い中をひいひい言いながらチャリを漕いだことも、ロケ地をめぐって感激したことも、今でもはっきりと覚えている。忘れたくない。


ずっと憧れていた場所に来れて本当によかった。

四日目に続く。

合宿や車の教習などで忙しくて更新する暇がなく、またまた間が空いてしまった。

それでは旅の続きを。


8月26日(月) 旅二日目

この日の目的は、江ノ電に乗ることと江の島に行くこと。


まずは藤沢から江ノ電に乗って江ノ島駅へ。


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朝からあまり天気がよろしくなく、とてもじめっとした暑さだった。

江ノ島に行くのはもっと天気が良くなってからにしようということで、ビーチまで行ってまた江ノ島駅に戻り、江ノ電の終点、鎌倉をめざした。

「のりおりくん」という一日乗り降り放題の切符を買っていたため、途中下車することに何の支障もなかった。

自分が電車好きでも鉄道オタクでも全くないが、江ノ電は絶対に乗りたいと思っていた。

小説や映画の舞台になることが多いからだと思う。


藤沢から乗っていると、腰越駅くらいまでは住宅地の中を横すれすれで走っており、その後は右手に海が見え、それ以降はまた住宅の中を通り抜けていくといった感じだった。

沿線沿いに高校が二つほどあって、制服を着た高校生が通学していた。

すぐそばに海があって、江ノ電で毎日通学できるなんて本当に羨ましい。。

毎日乗っているとそれほど良いとは感じないのかもしれないが。 でも羨ましい。


鎌倉は特に何もなく、駅周辺を散策しただけで終わった。

その後はまた江ノ電に乗って長谷へと向かう。 時間があまりにもありすぎたので、どうせなら大仏でも見にいこうと。


長谷駅からしばらく歩くと高徳院という寺院があり、そこに鎌倉大仏があった。

大きさ的には奈良の大仏と変わらないのかなーよくわからんけど。

とりあえず見るだけ見て、駅に戻ってまた電車に乗り、再び江ノ島駅へ。


朝昼兼用で片瀬江ノ島駅前のマクドでちょっとだけ食べた。 メロンソーダのフロートみたいなの、あんまりおいしくなかった。

マクドで少し時間をつぶしてから、ようやく江の島へ。



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江の島に来た最大の理由は、映画「紙風船」の『あの星はいつ現はれるか』が江の島を舞台にしており、それが超好きだからである。

ストーリーはよくある感じのものなのだが、ロケーションがとてつもなく素晴らしく、そして大後寿々花がとてもいい役を演じているのがたまらなく好き。

大後さん演じる絵ノ葉と、その幼なじみである大隈の二人が織りなす物語を実際に肌で感じようと、そういう心意気。

この写真の橋が映画中で何度も登場していたはず・・・


江の島へ渡るための橋なんだけど、意外と距離があった。

映画で予備校からの帰り道に寄るトイレを見つけたかったんだけど、どこを探してもなかったのが残念。


橋を渡って江の島に到着すると、食べ物屋がずらーっと軒を連ねていた。

江の島名物の生しらす丼を食べようと思ってどの店にしようかと考えていたが、思えばマクドで食べたばっかりだったのでまた後に持ち越した。


この日の最終目的は、江の島の頂上にある展望灯台にのぼることで、どうせなら夜景を見ようじゃないかということで、日没するまで待たなくてはならなかった。

しかし日没がおよそ19時頃で、まだまだ時間に余裕があったため、橋を渡りきったところのベンチでぼけーっと時間をつぶしていた。


その後、結局先に生シラス丼を食べることに。

はっきり言ってそこまでおいしいものではなかったかな・・・というか生よりも釜揚げの方にすればよかったなと思った。個人的にはあまり好きな味ではなかった。不味くはないけど。


そしてゆっくり頂上へと向かって歩き出す。

エスカーを使うと一瞬で到着しそうだったので、徒歩でゆっくりゆっくり歩いた。

頂上へは徒歩でも全く問題なく歩ける距離で、あっさりと到着してしまった。


展望灯台が立つサムエル・コッキング苑に入り、その中でまたまた時間をつぶす。

灯台の二階部分からでも十分に遠くの景色が見えた。

ベンチに座って暗くなるまでまっている間、カールおじさんの影絵で遊べるものが置いてあり、他の人たちがそれで遊んでいるのをずっと見てた。こういう時に一人って退屈だなーとも思うけど、基本一人でいるのが好きだし、それに一人でいれる時間って意外にこういう時しか無いんじゃないかと思う。

風がとても心地よかったので、いつまででも居られる感じだった。

途中、男子学生6、7人がカールおじさんの影絵でふざけていて、おもしろくて笑ってしまった。


そして辺りが暗くなってきた頃、ようやく展望灯台へのぼった。

頂上へはエレベーターで一瞬で行くことができる。
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頂上から見下ろす夜の都市は、色彩都市。

salyuさんの「月の裏側」という曲の歌詞を借りれば、この表現がぴったりだと思う。

曲中では銀河鉄道に乗っていたが、自分自身のこの旅も、その先にある光を目指して今暗闇を潜り抜けている最中。「一寸先は光」と誰かが言っていたっけ。


まあしかし、カップルの多いこと。

頂上で写真を取り合っているリア充たちの中を、小難しい顔をして歩く僕(笑)

ちょっと精神的にきつかったかな(笑)


高いところがそんなに得意じゃなけど大好きな自分は、あえて階段で降りることに。

結構な高さだったけどおもしろかった。 やっぱ高いところはいいね。


そして来た道をひたすら戻り、江の島を後にする。

さすがに次来るときは誰かと来たいなと。 


1日中乗り回した江ノ電ともとうとうお別れの時が。

藤沢まで戻る間、本当に名残惜しかった。 

そして藤沢に着いて、心の中で最後の挨拶を。 絶対にまた来たいと思った。てか絶対来る。


その後、今日中に次の目的地である宇都宮まで行くために、藤沢から東京方面へと向かう。

上野まで行き、そこから宇都宮線で埼玉の大宮や浦和を通り、1時間半ほど電車に乗って宇都宮に到着。

1日中行動していたが、不思議にも疲れはほとんど感じなかった。


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宇都宮に着いてからは、この日の宿泊予定である「ザグランドスパ南大門」へと徒歩で向かう。

駅から歩いていける距離なので、スマホの地図を見ながら歩いていると途中で雨が。

傘を片手に地図を見ながら歩くも、道を間違えて少し心細かった。

確かもう日付が変わるくらいの時間だったので尚更。

それでもなんとかたどり着き、1日の疲労を癒すため温泉につかる。

健康ランド的な感じで、ほぼ24時間営業で朝までいることができ、レストルームで眠ることもできて、そしてホテルなどに泊まることを考えると格段に安いという感じで、貧乏学生にはもってこい。

風呂もたくさんの種類があって楽しめた。

風呂上りはすぐにレストルームに行って休んだ。 途中で起きたりしてしまったが、ほぼ熟睡できた。


長くなったけど二日目はこんな感じ。 江の島にも行けたし、江ノ電にも乗れた。ロケ地の具体的な場所が分からなくて見つけられなかったのは残念だけど、ここに大後さんが立っていたのかーと雰囲気を感じることができたのでよかった(笑)  三日目に続く。