先日、職場にて。
カズさんという88歳のおばあちゃんが来ることになっていた。
なかなか来ないなぁ、と思っていたその時、

『ここに行きたいというおばあさんが、そこで転び、座り込んでいた』と
女性がカズさんの手を引き、連れてきてくれた。

『転んで顔から道に倒れた』と顔面から血を流すカズさん。
呆然として家族の連絡先はわからない、と言い、保険証も何も持ってなく、所持金も1000円ほど。

お金を貸して、タクシーを呼んで帰宅してもらう?
でも、家にひとりで帰して、容態が急変したら…。

まず、#7119に相談。カズさんの症状を話す。
『救急車希望なら、電話を切って救急車を呼んでください』と言われた。

119へ電話するも、繋がらず。

焦った私は近所の診療所へ電話をした。
『午後は医師が不在で救急処置はできない』と断られた。
だいたい、来てください、と言われても、職場を離れられないので、私がカズさんを連れて行くことはできないしね。

119へ電話をかけ続け、や〜っと繋がった。
119の人は言う
『承りましたが、何時にそちらに行けるかわかりません』

それからずいぶん経って、救急車から電話が来た。
カズさんの症状をまた説明する。
『遠いところにいますから、40分はかかります』

カズさんはぼうっとしている。
鼻の下が2センチほどパックリと切れていた。

1時間半ほどで救急車がやって来た。
また、細かく経緯を話す。

だけど、救急隊員は言った。
『こりゃ、鼻血だな』(軽傷で呼んだと思ったのかな?)

え? 切れてますよ〜、と言いたかったけど、救急隊員はコロナ禍、危険の中で一日中てんてこ舞い。
黙ってカズさんを預けた。






-------
翌日、カズさんのご家族が来た(らしい)。
私は出勤日ではなかった。

ご家族の話だと、顔の2か所をそれぞれ数針縫ったとの事。
『ありがとうございました』とちょっとしたお菓子を持ってきてくださった(らしい)。

受け取った人が
『では、これは〇〇(私の事)さんに』と言ったら、居合わせた『嫗』が、
『えー、皆さんにって事でしょう? 今度の会議でみんなで食べるから!』と言った(らしい)。

お菓子なんて、別に欲しいわけじゃない。
でも、その嫗のひとことが、何だかなぁ。




-------
救急車を呼んだ数日後、仕事帰りにママのところへ寄り、事の顛末を話した。
ママは、
『たったひとりでよく色々考えて対処したね』と私を子供のように褒めて慰めてくれた。
そして、お菓子はみんなのもの、と言った嫗のひとことがなぜかツボにハマったらしく、
涙を流して大笑いした。

『そこ、笑うところかなぁ??』

でも、ママがあんまり笑うので、私も何だかおかしくなって一緒に笑い、ママの冷蔵庫のビールを飲んだ。








+ + + + +
とにかく今の救急車事情を目の当たりにした私。
でも、私、間違ってなかったよね? と思いたい