作　松尾スズキ　演出　函波窓

大人計画が98年に本多劇場で上演した作品。これを函波風に演出するとこうなるのか。

現代風アングラという表現も、まあ遠からず当たっているのかもしれない。学術的な定義ではなく、アングラ演劇に対する一般の印象という意味で。確かに猥雑だし、ストーリーはあってないような。でも集中して観ていると最後には繋がる。冒頭の様々な仕掛けは結局拾われていく。

ギャグが20世紀だなあと。多くの若い観客にはピンとこないかもしれない。

ヒノカサの虜は二回目だが、まだ作風がよくわからない。前回の「瞑目のパノラマ」はかなり好みだった。今回も、事前情報では賛否両論あると聞いていたが、個人的には楽しめた。唐十郎のアングラ作品よりは、はるかに判りやすい。

いずれにしても函波窓という底知れぬ天才が何を出してくるのか、これからも追ってみたいと思う。今回はヒノカサの虜にmizhen佐藤蕗子が出演するということで、そこも楽しみの一つだった。なるほどね、そうきたか。そんな印象。

今回、いくつかのアクシデントがあって、関係者は大変な思いをされたのではないかと思う。それでも昨日に続いて今日も公演が打てたことは良かった。日程の都合で短編の方が観れないのが残念。日曜まで。

#ヘブンズサイン ＃ヒノカサの虜