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23Zのブログ

自分で読んだ本や使ったモノのレビューです。

タリーズコーヒーを日本に持ってきた松田公太の仕事術。ほぼランチの最中に読み切れるものでしたが、いくつかヒントになるもの、アクションにつながるものがありました。
「人生未来図」
まず、人生未来図を書いてみる。自分の場合は、まずエクセルに一年一行でこれまでの人生を振り返ってみました。それなりに長い人生を生きてきたと思っていましたが、ほんの一画面に収まってしまう。そして人生の残り時間はおそらくこれまでとほぼ同じだけ、と思うと「人生の持ち時間は案外短い。」というのが実感できます。
「5年ごと」
タイトルにある、「仕事は5年でやめなさい」というのは、5年ごとに区切りをつけて考えるという意味で、5年で今の仕事に区切りをつけると思うと、今やらなくてはならないことも明確になり、今後の目標も立てやすくなります。
私はそんなにきっちり人生に目標を立ててそれに向かって突き進むというスタイルは好きではないのですが、ほぼ5~6年で人生の転機があったと感じていました。実際は、「人生未来図」でこれまでを振り返るとだいたい7年ごとの区切りとなっており、ちょっと間延びした人生だったのかもしれません。これを5年に縮めることができれば後6回くらいステージを変えることができるはずで、「人生の持ち時間は案外短い。」けれど、できることは結構まだありそうです。
「人生未来図」といいながら、未来の部分はまだほとんど何も書けていませんが、定期的に「人生未来図」を使ってこれまでを振り返り、残り時間を意識して進む方向を考えるというのは続けていく価値があると思いました。(50分)
仕事は5年でやめなさい。/松田 公太
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社長夫人となるも旦那の急死で、急遽社長となった著者。自称「生まれつきダメ人間の私」ががむしゃらにがんばる中で手に入れてきたノウハウといえるかもしれません。
経験に裏打ちされたノウハウで、読んでいるうちはそれなりに納得するのですが、さてtake-home messageは?と読み返してみてあまり残るものがなかったのが残念です。「~しなさい」と命令口調のタイトルで数ページでまとまっているので読みやすいのですが、項目数を増やすより、もう少し実体験や実例に根ざした話にしたほうが残るモノがあるのではと思いました。

いくつか良さそうと思ったGood practice:
「情報を集めることが目的になっいて、集めた膨大な情報の前でため息をつく。整理に追われているうちに鮮度が落ちて使えない。」というのは耳の痛い指摘でした。よく論文など山ほど集めて結局読み切れず、というのはしばしばあります。よって、「MOST(最大限必要)とMUST(なくては困る)情報以外は捨てる。迷ったら捨てるつもりで。」は意識していきたいと思いました。

「寝る前に今日一日のいいことを一つ、見つける自問タイムを持つ。いやなことはいつまでも覚えている。いやな情報を消し去るにはいいことを考える。」
「時には論理を無視し、予定を棚上げにして、感情のままに動く。こうした感情が生まれるのは、あなたの心が警告を発しているとき。」

「華僑流お金と人生の管理術」に続いて宋さんの本。こちらは前半は宋さんの自叙伝的内容です。
文化大革命で家族で逃げ回った極貧の子供時代、国費留学生、肥満への自己嫌悪、留学、天安門事件、就職した会社の倒産、起業、株式公開。まさに激動の人生という感じですが、その中で、肥満への自己嫌悪というところだけが妙に身近な悩み、他人から見ればちっぽけな悩み、ですが、それこそが宋さんにしてみれば「人生最大のつらさ」だったというのが、まさに「つらさは他人にはわからない」ということでしょう。

 つらくてもひたすら我慢して正面突破、でも突破できなくて仕舞いには自殺してしまう。そんなことしなくても、「うまく逃げる」方法はいくらでもあるんだと、後半は宋さんの幅広い交流からいろいろなエピソードが紹介されています。「レッツプレイ!といって課題に向かう」「がんばることと結果を出すことは、意外にも無関係」「人生にも損切りの発想を持つ必要がある」。行き詰まったときにはもう少し気を楽に持って別の道を探せばいい、そんな気にさせられます。(30分)
うまい逃げ方―人生、できることだけやればいい!/宋 文洲
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ソフトブレーンの創業者。中国から日本に留学して、まさにゼロから会社を立ち上げて8年で上場、さらに5年後には東証1部上場と、紛れもない成功者ですが、宋さんの文章には嫌みがない。読後感がさわやかで素直に納得ができます。大前研一の文章が、すごいと思う一方で偉そうな感じが鼻につくのと対照的な感じがします。(いや、大前研一の本も好きでよく読みます。)
 これまでも宋さんのメルマガなどを読んできましたがが、今回まとまった文章を読んだことで、このさわやかさの原因が分かったような気がしました。宋さんは自分の間違っていたこと、消し去りたいような過去とも謙虚に向き合っている。自分の失敗談、弱いところを見せることで共感を得ようというような姑息な感じではなく、本当にまじめに自分の失敗と向き合って分析している。自分の実際の体験と、それに対する深い内省を元にした文章だからこそ、さわやかで納得感があるのだと思いました。
 例えば「家族経営の失敗」。当初、日本流の「家族経営」を見よう見まねで実践したところ、逆に社員に敬遠され、社内で孤立してしまった。その原因はいろいろ分析されていますが、表層的な分析にとどまらず、根底に「私の過度な依存心」にあったという分析にはっとさせられました。自分自身振り返れば、会社に対する不満、社長や上司に対する不満、家族や友達に対する不満、あるいは国や制度に対する不満なども裏を返せば自分の他人に対する依存心からきていることに気がつきます。

「依存心をなくしたい」
 他人に頼らず自立して生きていきたい、とは誰もが考えることと思いますが、一方でどうしたらいいかわからない、会社勤め、すなわち誰かに使われることによってしかお金を稼ぐ方法がわからない、すべての責任を背負うのが怖い、だから、誰かに頼りたい。言われたとおりに働くから、定年まで会社に面倒を見てもらいたい。定年後は国に面倒を見てもらいたい。
 みんな国や会社をそれほど信用していないけれど、強い依存心を持っている。依存心があるからこそ不満も高まる。
 中国のように戦乱や文化大革命で、財産を奪われたり国を追われ、誰も頼る人がいない異国の地で、自らの判断で選択し、リスクをとって、人生の荒波を乗り越えようとする華僑的な生き方からすれば、国や会社に依存した生き方は親離れできていない子供のようです。高校から大学にあがる頃、自由にあこがれる一方で、親から離れて一人で生きていくことへのおそれとともに、親への不満が渦巻いていたことを思い出しました。

「三把刀(サンバダオ)」
 そうは言っても、どうやって生きていったらよいのかわからない。どうやって「生き残る力」を手に入れるのでしょうか。華僑では、世界のどんなところに行っても、大きな資金がなくても、体一つで始められる仕事のことを「三把刀(サンバダオ)」というのだそうです。その意味するところは、1、最初から斬新なビジネスは始めない。まずは現実的なところから初めて、資金をためながら、チャンスを探す。2、何かよいビジネスがないかとぐずぐず考えていても意味がない。とりあえず身近なビジネスから始めてみる。

ヤキモチに対する対処法
 もう一つ示唆に富んだ話として、ヤキモチに対する対処法がありました。自分のヤキモチと他人のヤキモチ、どちらもやっかいなものです。自分のヤキモチは、理性でヤキモチをやめようとするのではなく、「自分はヤキモチを妬いている、とただ認める」「他人のヤキモチは「正義」や「モラル」の顔をしてやってくる。」「ヤキモチに対する耐性をつける。他人の言葉をひとまず受け止め、自分にとってよいアドバイスなら受け入れるし、的外れな指摘なら耳を貸さない。全く的外れなことを言われると、感情的にもなりますが、「まあ、どうでもいいか」とうけながす」
宋さんほどヤキモチを妬かれるような立場になったことはありませんが、無駄なエネルギーを使わないためにも、心得ておきたいところです。

華僑流おカネと人生の管理術/宋 文洲
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視聴率、経済効果、内定率、犯罪検挙率、食料自給率などなどニュースなどでよく出てくる数字も、ふとよく考えるとどうやって計算されているのか知らない、けれどそういった数字を元にいろいろな議論が進められていく危うさは感じます。そういう意味では、本書はだいたい常識的なことしか書かれていなくて8割方は「知ってるよ!」と言う感じですが、常識的なところをおさらいしておく価値はあるかもしれません。昨年の地震の後によく出てくるベクレル、シーベルト、津波の高さの意味などはおさらいになりました。

「数字の嘘を見破る」というのならばもう少し踏み込んで
 「雑学チーム」に期待するのは筋違いだったかもしれませんが、「数字の嘘を見破る」というタイトルからは、もう少し踏み込んだ内容のものを期待してしまいました。「よく出てくる数字の読み方」というタイトルだったら納得できるかもしれません。
 「食料自給率としてよく聞くのはカロリーベースの40%だが、生産額ベースなら70%、生産額にして8兆円で世界5位という数字もある。また主食用穀物は重量ベースで58%という数字もある。」ここまではいいのですが、「数字の嘘」というタイトルをつけるならからもう2段ほど踏み込んだ内容を期待します。これらの数字を使って誰がどのような目的で、どのような主張がされているのか、そこに隠された嘘とは?
 例えば農水省は40%という数字を持って危機感を煽ります。この数字を使って、いざというときのために食べ物くらいは自分でまかなえるようにしておかなくてはならないと言う主張があります。一方で生産額ベースでは結構高い数字があることを元に、より付加価値の高いものの生産にシフトすれば、日本の農業も強くなると言う主張もあります。
 しかし前者、たとえカロリーベースで100%の自給率を達成したとしても、肥料や餌、生産に必要なエネルギーの自給率を考えれば、有事にも安心などとはいえませんし、生産額ベースの自給率が高いというのも、単に日本人が高い食料を買わされているということかもしれません。
 単純な数字を使った誤った論理、あるいは単純すぎる主張を鵜呑みにしないためにも、一つの数字の裏に隠れたものをもう少し見せてほしい、とタイトルを見て期待してしまいました。
 ちなみに最後のページの表に「新聞紙を35回折ったときの厚さ:3436km」とあるのは理解できず??
(50分) 

数字のウソを見破る法 (だいわ文庫)/雑学チーム101
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