本屋さんで思わぬシリーズの続編≪私シリーズ≫を発見し小躍りしながら帰宅したのですがね。本を開くまでもドキドキしちゃってました。だって<私>に会えるんですよ!円紫さんも登場するっていうじゃありませんか!!楽しみで楽しみで!!!
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北村 薫著 (新潮社) 『太宰治の辞書』
時を重ねて変わらぬ本への想い……《私》は作家の創作の謎を探り行く――。芥川の「舞踏会」の花火、太宰の「女生徒」の〝ロココ料理?、朔太郎の詩のおだまきの花……その世界に胸震わす喜び。自分を賭けて読み解いていく醍醐味。作家は何を伝えているのか――。編集者として時を重ねた《私》は、太宰の創作の謎に出会う。《円紫さん》の言葉に導かれ、本を巡る旅は、作家の秘密の探索に――。《私》シリーズ、最新作! |
繊細で深く本を愛しているのは変わらないですが、この本が前回のシリーズと期間が空いたのと同じように≪私≫も年を重ね結婚し母になっていました。編集者としてもなんだか学生時代と変わらず静かに日々生活しているようです。この<私シリーズ>は本当に本の中から音が聞こえないっていうか、生活臭が全くしません。もちろん主人公や周りの様子から優雅とか豪華ではないけど平凡に(褒めてます!)穏やかに生活してる様子は書かれているのですが。私にはなんだか夢の中を覗いているような感覚になってしまいます。
太宰の『女生徒』で”ロココ料理”というフレーズに心が惹かれたことで色んな資料や文献を紐解き、さらにはその地へも行ってしまう。≪私≫の本への熱意が伝わってきます。
もっと沢山懐かしいメンバーに会えるかな?と思っていたけどそこはちょっと残念でした。でも高岡正子の「自分の本が友達のところにあるっていうのも良いよね」(←超曖昧な記憶ですがこんな)というのも、深いなぁ~と。
これでシリーズ終わっちゃうのかな。できれば覆面作家シリーズのその後も読みたいと思っているのですが出ないかしらね。
バタバタしているうちに北村さんの本色々出ていたみたいなのでちょっとずつまた買いそろえようと思います。
私がちょっと引っかかってしまったのはですね。≪私≫が最初のほうで”夫から「家庭に入ってくれ」と言われたらこの仕事続けていなかった”というような一文。
なんだかちょっとだけガッカリしちゃったな。











