さてと。久しぶりに本を買い、再読じゃない読書を久しぶりにしましたよ。
伊坂 幸太郎著 (講談社文庫) 『チルドレン』
あらすじ:「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。彼を中心にして起こる不思議な事件の数々-。何気ない日常に起こった五つの物語が、一つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。 |
伊坂幸太郎作品の中でも最初の方から気になってはいたのに今の今まで手に取らずにいた作品でした。やっぱり伊坂さんの小説はいいですねぇ。久しぶりに新しい物語を頭に入れるので、小説の世界にのめり込むことがちゃんとできるかな?とちょっと心配だったのですが杞憂でした。やはり上手い作家さんは文字の力だけで私を色々な世界に連れて行ってくれます。
独自の正義感で周囲には理解不能な理屈をかざし、周りを巻き込む陣内。でもすっごく一生懸命だし、絶対自分の信念を曲げたりしないから何故かちっとも読んでいてもイライラしないです。むしろ、「頑張れー!」と応援してしまいたくなってしまいました。
実際にこんな知人がいたら非常に迷惑でしょうけど笑
でもある意味では羨望のまなざしで見ちゃうかもしれませんね。あそこまで自分に自信をもっていられる陣内はすごい。
小説の中でも陣内の友達である盲目の永瀬はむしろ巻き込まれることを楽しんでいますし、大学の友人(?)の鴨居もなんだかんだで付き合ってるしね。伊坂さんの友達の書き方がすごく好きだな。ベタベタせずちょうどいい距離感をみんな保っている感じが絶妙なんですもの。
そうそう。陣内って『砂漠 』の西嶋に似てる!
西嶋も世界の調和の為に執拗なまでにこだわるし、独自の正義感を持っていますしね。私の大好きな登場人物ですよ。
そういえば、小説の中で陣内が就職した先で担当した少年の暴力事件の話題が出ますが、一人だけ暴力事件を起こした少年の理由が「平和の調和(だったかな)」でした。これはもう、その少年の名前は明らかですよね~。
伊坂作品は本当に色んな作品との繋がりがあるので発見できたときは楽しいですよね!!これからドンドン!というわけにはいかないですが再読だけじゃなくて新しく買った本も読んでいきたいです♪