シスタースマイル ドミニクの歌 | バステトの本ブログ

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Tポイントカードを作ってから毎週金曜日にTUTAYAでDVDをレンタルする日々です。だから無駄に金曜日の夜(土曜日の朝方?)は夜更かししてしまいます。


先週借りてきたのがこのDVDです。


シスタースマイル ドミニクの歌 ステイン・コニンクス監督 シスタースマイル ドミニクの歌
 あらすじ:1950年代末、ベルギーのブリュッセル郊外。自由な生き方を模索する少女ジャニーヌは、支配的な母から逃れ、家出同然で修道院に入る。修道院の厳しい規律に反発して何かと問題を起こすジャニーヌだったが、聖ドミニコを讃える歌『ドミニク』を自ら作詞作曲し、澄んだ声で歌う姿が評判となり、人々の共感を呼ぶようになる。それに目を付けたレコード会社が、“シスタースマイル”の芸名で契約をかわし、『ドミニク』は世界的な大ヒットとなる。ジャニーヌは謎のシスターとして脚光を浴びるが、収益はすべて教会のものとなった。
ある日、TV番組で「自由なコンサート活動をしたい」と発言し、女性解放を賛美した歌『黄金のピル』を作ったことから教会の猛反発をくらい、ジャニーヌは修道院を去る決意をする。だが、彼女を受け入れてくれたのは、学生時代の親友アニーだけだった。そして、修道衣を脱いだジャニーヌにレコード会社は冷たかった…。


 主人公のジャニーヌ役がセシル・ど・フランス。親友(恋人)のアニー役がフランスの演技派女優であるサンドリーヌ・ブランク。

 私、このDVDのパッケージからして『天使にラブソング』みたいな全体的に賑やかで楽しいストーリーを期待していたのですよ。でもね、観るまでフランス映画ってことに気づかなかったのもダメだけど、『ドミニクの歌』を知らなかったっていうのが失敗の原因だったような気がするわ。

 日本でも東京オリンピックの頃に日本語訳のものを歌手が歌って大ヒットしたし、みんなの歌 でも広く知られている って書いてあったのね。でも私知らなかった(><)一緒に観ていた姉も「初めて聞いた」って言ってたしなぁ。

 で、その ドミニクの歌 を大ヒットさせたシスター・スマイルことジャニーヌですが、すっごく起伏の激しい人として描かれています。良い言い方をすれば自由。悪い言い方をすれば忍耐力がない人ってとこでしょうか。

 お国柄もあるのかもしれないんですが、気にくわないことがあるとすぐ激高して叫き立てるし責任感っていうのがまるで感じられず意に添わないとすぐその場から飛び出してしまいます。
ドミニクの歌 がヒットするとす~ぐ天狗になっちゃうし、こんな傲慢(いいすぎ?)な人がシスターなんて務まるわけないよなぁ、と思いながら観ていたら案の定修道院飛び出しました!

 後半は観るものちょっと厳しい。それだけジャニーヌの修道院を飛び出してからの人生が報われなかったってことなんでしょうが、それでも過去の栄光にしがみついているジャニーヌに感情移入することは出来ず、正直「早く終わらないかな・・・」って思いながら観ていました。

 アニー役のサンドリーヌがすっごくお洒落で素敵でしたよ。妖精タイプの儚げな女優さんなんだけど感情を爆発させるところとか、胸に秘めたジャニーヌへの恋心とかが切なかったな。

事実と若干異なるところはある映画のようですが、一発屋って辛いですね。デビュー作が爆発的に売れてしまうとその後の鳴かず飛ばず状態が地獄の日々だ。

 ジャニーヌの場合は『黄金のピル』という歌を歌ってしまったおかげで完全に教会側から見捨てられてしまったし、その影響でコンサートホールもガラガラ。主催者側だってみんなキリスト教徒ですもんね。

 家族にも見放され、(従妹は会いに来てくれたけどね)唯一受け入れてくれたのはアニーだけ。最後はアニーとジャニーヌへの督促状が山のようにくる家で幸せな一時を過ごすんですけどその最後が哀しいです。

 元気がない時に観るのはオススメできませんが、ドミニクの歌 を知っている方が観るのならもう少し違う見方が出来ると思われます。