木曜組曲 | バステトの本ブログ

バステトの本ブログ

本はネタバレしまくりなのでご注意を☆好きな作家は恩田陸、五條瑛、柴田よしき、今野敏、三浦しをん、よしながふみ、伊坂幸太郎、北村薫

木曜組曲 恩田 陸著 (徳間書店) 『木曜組曲』
 内容:耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げてから、四年。時子に縁の深い女たちが今年もうぐいす館に集まり、彼女を偲ぶ宴が催された。ライター絵里子、流行作家尚美、純文学作家つかさ、編集者えい子、出版プロダクション経営の静子。なごやかな会話は、謎のメッセージをきっかけに、いつしか告発と告白の嵐に飲み込まれてしまう。はたして時子は、自殺か、他殺か―?気鋭が贈る、長篇心理ミステリー。
恩田氏の作品は、舞台とか芸術関係に関わっている人を題材にした本が多い気がする。
 そもそも恩田氏の本自体がそのまま台本として舞台で演じられても不思議じゃない不思議でみっちりと練られた作品だと思う。 今回の木曜組曲は2002年10月に映画化 されているみたいですね。どんどんと時子にまつわるそれぞれの想い出や思案がでてきて、めまぐるしく、事実だと思っていたものが覆され、まさかと思うものが真相だったり! もう夢中で読んでしまいました。 やっぱり恩田氏の作品は笑えるのじゃなくてこういう背筋が寒くなるようなモノでなくちゃ!!
登場人物はたった5人の女。映画では刑事とか出てくるみたいだけど、小説では完全に5人しか出てきません。
登場人物の名前と、()は映画での配役の名前、人物像 の順です
・塩谷絵里子(鈴木京香)・・・ノンフィクションライター  静子の母の妹の娘(従姉妹)親類ではあるが時子との血のつながりはない。
・川渕静子(原田美枝子)・・・出版プロダクション経営  時子の異母姉妹、既婚。美術関係の出版プロダクションを経営する傍ら骨董品や書画の随筆を書き、名文家として知られている。
・林田尚美(富田靖子)・・・ミステリー作家。時子の弟の娘(姪) 少女小説家デビュー後、たちまち売れっ子になるが、いきなり休筆宣言。結婚し、二児の母親になるも、子供が手を離れると再度ミステリー作家の新鋭として人気を博す。
・杉本つかさ(西田尚美)・・・純文学作家。時子のもう一人の姪。尚美の異母姉妹。文章は冷たくモダンな事が特徴。緻密でシビアな観察眼が持ち味。
・綾部えい子(加藤登喜子)・・・ベテラン編集長。大手出版社のベテラン編集者。登喜子のデビュー当時からの担当で、長年コンビを組んできた。また共同生活者として時子の面倒をみてきた。料理の腕はプロ級で、5人が集まる時に出てくる料理はすべてえい子の手作り。
・重松時子(浅丘ルリ子)・・・耽美派女流作家の巨匠。優雅で華麗、その誇り高きたたずまいは、生前もその死後も5人の女たちに多大な影響を及ぼしている。晩年は小説が書けなくなったことに悩んでいた。 謎の毒物死を遂げる。

年間行事として、時子に縁の深い女達が集まるうぐいす館。今年は何かが違う。カサブランカの花束とともに届けられた。 「皆様の罪を忘れないために、今日この場所に死者のための花を捧げます。フジシロチヒロ」というカードと共に四年前の時子が謎の毒物死を遂げた真相へと迫っていきます。
とにかく順番にお鉢が回ってくるので、それぞれがどんなことを考えていたのかがリアルに分かってとても面白いです。 静子のズバリと冷静に指摘するところ、つかさの毒舌だけど確信をつくような発言。大人しいばかりだった尚美の意外なライバル意識、えい子の、時子の側に常にいたからこその腹の中。血のつながりがないだけに冷静に客観視する絵里子。
厚い本ではないし、出てくる料理もすごく美味しそうで(笑)あっと言う間に読めてしまいます!!

恩田氏がそうだからなのか、お酒の強い人たちばかりで、気持ちいいのみっぷりです(笑) どうでしょう?便乗してお酒を楽しんでみては??
第27回全国区日本酒コンテストグランプリ受賞、美山錦100%使用【喜久水酒造】清酒 喜久水 吟醸 1800ml
長野県産酒造好適米美山錦を50%まで丹念に磨き味わい豊かに仕上げました。

特有の吟醸香と、淡麗な飲み口の美酒です。

お酒頼むなら ドリンクチョイス