おはようございます。

３日前からの寒さに、腰がヤバそうな気配を帯びてきていささか不安な者です。

雪掻きなんておっそろしいから、じぇったいに雪降んじゃねえぞっ！

ここんとこあまり気力がなく更新も間が空いてしまいましたが、よっこらせと。

先週は上野の国立科学博物館へ。特別展「ぶす」、ではなくて「毒」をカミさんと見てきました。

８ヶ月振りの上野公園。前回悪目立ちしていたアジビラのようなヴィーガン料理店のポスター、今回は貼られてませんでした。何よりです。正直、景観を汚すものでしかなかったですからね。

↑これはオンラインチケット。

３０分刻みの枠で予約の上入場できるからゴチャつかず、これはこれで便利だな、と。今後は主流になっていきそうな気がします（オイラが遅れてるだけで既にデフォルトか）。

さて入館。この特別展、地球上に存在する様々な「毒」がテーマ。皆さまお察しのとおり、自然界にある毒を持つ動物、植物、鉱物を紹介するとともに、それらはもとより人が生み出したり撒き散らしたりしたものも含め、毒と人間との関わりを解説してくれます。

お出迎えはオオスズメバチとハブ。拡大模型。４年前に見にきた特別展は「昆虫」だったなー、と今更ながらこのテが好きなオイラ。

やはり拡大模型、イラガの幼虫。実家の柿の木によく着いて、たまにオフクロが刺されて大騒ぎしてた。かなりの痛痒さらしいっス。

キングコブラの骨格。骨見てもおっそろしい。

でもね、インパクトのある展示はそんなに多くなく、毒のある生き物とはいえ標本は結構地味。地味なんだけど興味深いものが沢山あって、入館者のみなさん真剣に解説を読んでましたよ。

ガキの頃は虫捕りしてたし、釣りは今もやるから、虫や海の危ない生き物についてある程度その種類を知ってるけど、これは手を出しちゃいけないな、と改めて思ったのがキノコ。

そのキノコ、今回、よく似た見た目で食えるのとヤバいのとを並べて展示してあるわけ。これがまたほんっとに似ていて、個体差なんかもあるはずだし、シロウトに区別なんぞできるはずがない、とつくづく思った。だもん毎年のようにキノコ鍋食っての中毒で騒ぎが起こるはずだな、と。

人と毒との関わりでは、鉛やヒ素やカドミウムや水銀による健康被害（公害）ももちろん触れられていた。今後は人間の産み出した放射性物質も加わってくるのだろうか、いや、もう加えておくべきでしょうね。

アイヌのトリカブト毒を使った矢を射る仕掛け罠は面白かった。あれって仕留めた獲物は食えるんだろうか？昔から不思議に思ってる。

ナチの毒ガス兵器もやはり触れてましたね。細菌も毒素を出したりするはずだけど、７３１部隊はいなかった。

昔の白粉には鉛が含まれていて、使用者に深刻な中毒症状を引き起こすことがままあったそうである。それでもなお、当時の薄暗い夜の灯りの中でより美しく映えるよう、女性たちは塗っていたとのこと。

↑江戸時代の灯りの下での白粉を塗った女性の再現。これを現在の灯りで照らすと…↓

怖っ！まっしろしろすけなのであった。

ここで思い出したのが、あの昭和の消毒薬。若い人たちはきっと知らない。

ガキの頃、擦り傷作ると塗ったくった赤チン（マーキュロクロム液）ってヤツです。切り傷用に、成分含んだ絆創膏なんてのもあった。含んでる水銀が問題になって見なくなったと聞かされてはいたんだけど、ググってみたら話は結構入り組んでた（問題とされたのが水銀というところは動かない）。

赤チンの原料物質メルブロミンとやらの製造過程で水銀化合物を含む廃液が生じるため、１９７３年に国内製造が禁じられたことが日本での赤チン衰退の原因。それでもなお、ほんの２年ほど前まで輸入したメルブロミンを希釈した日本製赤チンは細々と流通していたらしい。

塗布による人体への安全性が疑問視され出し、欧米で販売が禁じられたのも、結構最近のことだったりする（これには驚きました）。結局そこで毒性が問題になったのもやはり水銀だった。

ヨーチン（ヨードチンキ）と違って傷口にしみない赤チンは塗るのが怖くなかった。赤チンあるいはヨーチンを塗る前、最初に傷口を洗浄するのに使うオキシドールもテキメンにしみるので、飛び上がるのが一回か二回かの差ではあったけど（笑）。

「消毒薬の毒性」が問題となり姿を消した赤チン。ミョーに感慨深いオイラです。

脱線してしまってすみません。

特別展「毒」、なんやかや面白く、図録をしっかり購入して帰ったオイラなのでありました。