“食べなきゃダメ!”なんて言ったりもしますが、食欲減退には大切な意味が含まれているのです。
食欲がないのに、
食べものを入れてしまえば、
その処理に多くのエネルギーが
使われてしまいます。
私たちの脳は体全体で使われる
エネルギーの約20%を消費していますが、
消化吸収に使われるエネルギーはその半分の
「10%」
といわれているのです。
空腹とは胃や腸の消化器官が、
準備OKだから、
新たに食べものを送ってイイよ。
これを知らせるサインになります。
具体的には、胃から『グレリン』
といわれるホルモンを分泌して、
脳に受け入れ準備完了!”を知らせている。
こうしたことが分かっているのです。
病気で苦しい状態で、
胃や腸はグレリンを分泌せずに
"ノー"
と言っている。にも関わらず、
精をつけなきゃ!と
ムリヤリ食べものを送ってしまえば、
消化吸収にかかるエネルギーは
10%では済まなくなる。
「20%、30%・・・」
といった具合に体の資源を
使い果たしてしまい、
カゼのウイルスと戦う力を奪ってしまう。
こうした結果を招きやすくするのです。
夏場の食欲減退もこれと同じで、
私たちは食欲の秋から始まり年中、
たくさんの食べものを体に
送り続けているのです。
消化・吸収に追われるあまり、
体の掃除、メンテナンスの時間が取りにくい。
山のような仕事を抱えて、
部屋の掃除や整理整頓に
「手が回らない」
そんな状態に似ていることが指摘されるのです。
だからこそ夏場には、
食欲をわざわざ減退させ、
体の調整・メンテナンスを行っている。
体温が上がり、大いに汗をかくことで
不純物や老廃物を体外に出す。
そのための大切な季節が
『夏』
こう解説する研究者もいるのです。
にも関わらず、
無理やり食事をとってしまえば、
清掃作業が疎かになってしまいます。
老廃物や不純物を処理する時間が
与えられないまま、
再び食欲の秋を迎えることになってしまう。
問題の先送りに終始すれば、
その後に待つのは大きな病気。
夏にバテによる食欲減退は
健康を保つための
大切な清掃週間、
こう指摘する声だってあるのです。
私たちは自分の体の声や反応を
あまりに無視し過ぎているように感じます。
もっと自分に備わっている
天然自然の感性を信じてみること。
そこにすべてを委ねてみること。
生命は何でも知っている、
そう考えて夏バテを敵視することなく、
礼賛し、暑い季節を過ごしていきましょう!