第1章

中央集権的な計画経済の場合、消費者の需要の動向、天然資源、生産設備、労働力の現状などに関する膨大な情報が必要であり、また、全経済の生産、高官、消費に関する詳細な計画の編成とその実施のための莫大な労力とコストが必要とされる。さらに、価格シグナルによるフィードバック機構が欠落しているために、計画は硬直化し、誤りは用意に修正されず、非効率的な運営や混乱を招きやすい。このように、中央集権的な計画経済にはほとんど長所はないといえるが、ただ、戦時体制、公害規制、所得分配の平等化など、政府の直接介入を必要とするような局面では、市場経済よりも有効な施策の実行が可能であるかもしれない。



他の売り手よりも安く売ることによって赤字が出る場合は、一時的な現象に過ぎず問題にならない。それでは、赤字が出ない場合はどうであろうか？この場合は旧の価格では超過利潤が」存在したことになるが、これは完全競争市場の完全情報と自由参入の条件に反することになるから整合的ではない。また大規模生産の利益が作用している場合には、市場の大きさが有限である限り、市場に一人ないし少数の売り手しか存在しえなくなり、売り手が無数に多いという完全競争の条件と矛盾する。結局、完全競争市場の四つの条件が満足されているならば、他の売り手よりも安い価格で売ることはできない。