ある時、北陸の仕事で金沢に行った時、肩こりや腰痛や全身のむくみがピークに達してしまい耐えられなくなりました。
しかし、プロとして仕事をしているので穴を開けるわけにはいきません。講師として呼んでくださったその会社の営業所の方に悟られぬように頑張るのですが、さすがにその時は私の顔がひきつっていたため、「どうしたのですか?」と心配してくださいました。「出張が多く、身体中が痛いのです」とお話していたところ、「せっかく温泉地に仕事に来られたのだから、入られよ(入ってください)」と言われました。
何しろ、お風呂は大嫌いでしたが、苦しさのあまり、もうだまされたと思って、宿泊施設併設のテルメ金沢という温泉に入ったのです。
当時はまだ、お湯の良し悪しなどわかりませんでしたが、少し薄茶色の透明なお湯にいつもより長めにお風呂につかり、自動冷却装置のついた水風呂に入ってみました。温泉に説明されていた“温冷浴”を試してみたのです。すると、どうでしょう!ガチガチに固まっていた首のまわりのこわばりや肩こりが、一気に楽になってきました。それまで血流が滞っていたところが、スーッと流れて、本当に気持ちよくって、しばらく温浴と冷水浴を繰り替えしているうちに、うそのように身体が楽になりました。本当に驚き、癒されたこの原体験が、私の今までの温泉ヒストリーに繋がっていくのです。
そう。そこから、私の“温泉大好き生活”が始まりました。
何しろ、土日も休みなく働き、月に20日以上出張しているのですから、そのうち10日ほどはホテルに宿泊します。ホテルと言っても、高級ホテルでなくビジネスホテルがほとんどでしたが、それからは、「ビジネスホテルでも温泉のついているところ」または、「市民が入れる日帰り温泉や銭湯の近くのホテル」、「温泉旅館で〝一人でも泊めてくれるところ〟」に宿泊することにしました。〝一人でも泊めてもらえるところ〟というのは、今は普通になりましたが、当時はほとんどなく、女性の一人旅と間違われて自殺?願望があると思われたり、二人以上でないと泊めてもらえない旅館も多かったためです。