カッコイイのだけれど、それを売りにせずどこか抜けている。岡田准一はこういう役をやらせたらピカイチだと思う。
例えばこれがキムタクだとこうはいかない。良くも悪くも二枚目さが前面に出すぎて、抜けた役がいまいちハマってこないのだ。その点、岡田准一は完璧である。
本作はストーリーは納得がいくのだが、主人公の設定が曖昧だったのは、史実に基づいているから仕方がないのだろうか。
星がそこそこ好きな碁打ちが、命ぜられたからまあ行くかという感じで暦を解き明かすための天体観測の旅に出る。
明らかに星よりも碁の方が好きなのだ。いや、いいんだけどさ、そっちはそっちで後半から碁の設定とかあんまり関係なくなるあたりはどうなのか。
しかしながら、こういう歴史ものを観ると、先人たちの功績という道の上に暮らしていることをひしひしと思い知る。
日食も月食も、すべて完璧にわかって当然の世の中。天気ですらだいたい当たる。
100年経ったら、地震なんて正確に予知できて当たり前の時代が来るかもしれない。
そんなことを想うと胸が熱くなる。
