2023年10月の状況
ポスティングシステムを利用したメジャーリーグ挑戦を日本ハムが容認(10月28日)
日本ハムは28日、上沢直之投手(29)が11月1日から申請期間が始まるポスティングシステムを利用してメジャー挑戦することを容認したと発表した。
会見を行った上沢は「球団に感謝してますし、僕個人の夢を応援してくれることに感謝してますし、挑戦していく上で楽しみな点もありますが、これからメジャーリーグを目指し、しっかり練習していきたいと思います」と意気込んだ。
上沢は昨オフの契約更改でメジャー挑戦の意思を球団に伝え、今季はパリーグ最多の170イニングを投げ、チーム最多9勝。球団側も、これまでの貢献度に今季の結果を加味し、シーズン前に設定した成績面での条件をクリアしたと判断し、米挑戦を後押しする方針を固めていた。
【評】今シーズン、チーム最多の9勝をマークするなどチームを牽引した上沢直之がメジャー挑戦を表明し、球団側もポスティングシステム申請を容認しました。
米メディアでは「球速がずば抜けておらず、奪三振率の低さや抜群の制球力がある印象はない。ただシーズン中から複数球団が視察をしていて、評価は悪くない」と関心を示している球団がいることを示唆し、「知名度や絶対的評価があるわけではないが、投手補強を必要としていてなおかつ大型契約を提示しづらい球団にとっては興味深いだろう」としています。
上沢もマイナー契約やスプリット契約を結ぶことも辞さない姿勢を示しており、オファー内容を問わずに移籍先を模索すると見られます。
2023年11月の状況
正式なポスティングシステム申請手続きを行ったと球団側が発表(11月28日)
日本ハムは28日、MLB移籍を目指す上沢直之投手(29)のポスティング制度を利用した移籍を承認し、正式な申請手続きをしたことを、発表した。
交渉は米東部時間28日午前8時(日本時間午後10時)に解禁となり、来年1月11日午後5時(同12日午前7時)までの45日間にわたって交渉可能となる。
この日、自主練習のためエスコンフィールドを訪れた上沢は「いい方向に向かってくれれば。なかなか理想通りにはいかないと思うので、しっかり準備して。あとは代理人といろいろ相談しながら決められたらいいなと思います」と話した。
【評】正式なポスティングシステム申請手続きが行われ、米東部時間28日から交渉が解禁される事が決まりました。
米メディアでは評価は分かれていると言う報道が多く、「平均球速や奪三振率などを見れば、MLB球団は不安を覚えるだろう。ただ球速が早ければ成功するわけではない。前田健太やカイル・ヘンドリクスなどがそうだ」と紹介されています。
また「山本由伸や今永昇太などの日本人投手よりも契約金額がより低くなれば、興味を持つ球団は複数出てくるだろう」としています。
交渉は長期化する可能性があると見られます。
2024年1月の状況
ピッツバーグ・パイレーツが上沢側と接触したと報道(1月7日)
日本ハムからポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指す上沢直之投手について、パイレーツが獲得へ興味を示している。米球界関係者によると、これまでに上沢サイドに接触。先発投手の獲得を目指しているという。
パイレーツは昨季ナ・リーグ中地区4位。開幕20勝8敗と好スタートも徐々に失速。チーム防御率4.60はリーグ11位(全体22位)。先発防御率4.88はリーグ11位(全体24位)だった。
先発投手では昨季13勝を挙げたミッチ・ケラーがいるが、9勝のヨハン・オビエドはトミー・ジョン手術を受けて今季全休の見込みとなっている。
今オフ、マーティン・ペレス、マルコ・ゴンザレスと先発投手の補強に動いたが、まだまだ手薄な状況に変わりない。
地元紙ピッツバーグ・ポストガゼットによると、ベン・チェリントンGMは6日(日本時間7日)に行われたファンフェスタで今後、積極的な補強に動くと明言。
「ローテーションの補強や打線の層を厚くする必要があったことは理解していた。我々はあらゆる面に取り組んでいるところだ。そして間違いなく、現在からスプリングトレーニングまでにさらなる動きをしていくというのが私の望みだ」と話したという。
上沢の交渉期限は米東部時間11日午後5時(同12日午前7時)となっている。ここまで大きな動きがないまま年を越したが、メジャー移籍へ進展するのだろうか。
【評】交渉期限が迫っている上沢直之にピッツバーグ・パイレーツが接触したと見られることが分かりました。
パイレーツは昨年ナ・リーグ中地区4位と低迷し、昨年主にローテを担った投手がトミージョン手術を受けるなどして、今季は間に合わないと見られています。既に実績ある左腕を獲得しているものの、まだまだ手薄であると言えます。
残された交渉期限は短い中で、どのような決断を下すのか注目です。
タンパベイ・レイズとマイナー契約を結んだことを発表(1月12日)
日本ハムからポスティング制度を利用してメジャー挑戦を目指していた上沢直之投手(29)がタンパベイ・レイズとマイナー契約で合意したと11日(日本時間12日)、球団が発表した。
正式発表は、日本時間同日の午前7時の交渉期限の約4時間後だった。マイナー契約でメジャーのキャンプに招待選手として参加することが決まった。
レイズの公式Xは、上沢のコメントを英語で発表。
「レイズの球団組織に入ることに興奮しています。MLBでのキャリアをスタートする機会をもらい、感謝しています。レイズでプレーすることを決めたのは、球団が投手育成に関してこれまでの素晴らしい成功をおさめてきたたことに魅力を感じたからです」と喜びを語った。
【評】日本での交渉期限午前7時から4時間後に、上沢直之がタンパベイ・レイズとマイナー契約を結んだ事が発表されました。
複数メディアによるとメジャー契約のオファーを提示した球団もあった中であえてマイナー契約を提示したレイズとの契約を決断。コメントにもある様にレイズの投手育成システムに魅力を感じている事が最大の理由と言えそうです。
ただマイナー契約でありながらもレイズ側が上沢のコメントを発表するなど、評価は決して低い訳ではない様子。今オフの補強ポイントは先発投手であり、エース格の投手を年俸高騰により放出。また複数のローテ候補が故障で開幕には間に合わない見通しであり、アピール次第ではメジャー契約を掴む可能性もありそうです。