池波さんの食に関するエッセイ・対談と、「酒家垂涎の料理」「昭和の味のする献立」をイラストつきで紹介。
レシピに期待したけど、お酒あまり飲まないし、ちょっと難しそうな料理が多い…(^▽^;)
でも、「食」に関する考えは、池波さんに共感。
たとえば、
◆外食では「明日への活力」は生まれて来ない。
「しっかりと自炊をすれば、たとえ一片の豚肉でも、味に、ちからがこもるものである」
わかるな~。簡単なものでも、夕食を作って食べると、「これで1日の仕事を終えた」という充実感がある。
しかし「明日への活力」と聞くと、どうしても小林一三(宝塚歌劇団創設者)を思い出します(⌒¬⌒*)
◆ひとりで外食するとき「家庭ではどうしてもうまくゆかぬものを食べる」
「強い火力を必要とするもの。専門店でなくては食べられぬもの。専門的な道具がそろっていなくては食べられぬもの」
◆「生き造りは料理の下の下」
◆「よく他国の食い物の悪口言う人がいるでしょう、東京の食い物は塩辛いとか、ああいうのは一番愚劣だと思う」
「向こうがまずい、こっちがまずいっていうんじゃなくてね、向こうは向こうでそういう嗜好があるんでね」
(対談相手・おおば比呂司)「気候、湿度、全部関係しますからね」
(池波)「そういう人に限って味覚音痴だな」
そうそう、旅行に行ったら、その土地の食事を楽しみたいわよね。
「違い」は楽しむもの。
これ、「文化」全般について言えることかも。
他国をバカにする人に限って、日本の文化をきちんと知らない、という(笑)
寿司屋の下ごしらえの繊細さなど、料理は「文化」なのだと実感する話がいろいろ出てくる。
すぐに実用できなくても、食べることや生きることへの考えが豊かになる本。