「カチ…カチ…カチ…ピピピッ」

昼12時

静かなグランドに音楽が爆音で鳴り響いた。

スピーカーの近くの砂は、大きく震え、波紋の模様になっている。

その音は、直径6キロの感染者の耳にまで響き渡り、多くの感染者がグランドに向けて走りはじめた。

5分後には、グランドが感染者で埋め尽くされた。

そして……

「カチッ!」

「ドッカッーーーン」

スピーカーが、周りの感染者と共に吹き飛んだ。

黒い煙が立ち上るのを校舎4階から、
1人の男が見ていた。

「こりゃまた派手に決まったな~
そりゃっ、もう一丁!」

そう言って、さっきとは別のスイッチを押した。

「カチッ!」

「ドカッーン…ドカッーン…ドカッーン…」

グランド中にちりばめられた黒い物体が一斉に爆発した。

「ヒャッホーイ、こりゃ今までで最高の出来だな!」

その大きな声で感染者たちはいっきに校舎側に走り始めた。

「ヤベッ!声出し過ぎた~逃げろ~
いや、待て、これあったんだったわ~
そりゃ!」

そう言ってロケットランチャーをかつぎ、迫り来る大勢の感染者にぶっ放した。

「ヒュ~~、ドカッーン」

見事命中し、直径8メートル内にいる感染者はうめき声をあげながら吹っ飛んだ。

男は、ワニが描かれているタバコをとりだし、一本を口にくわえ、ワニが描かれているzippoでふかした。

「フー、後はまかせたよ~」

と言いヘッドホンを耳にかぶせ、横になった。

校舎1階では、

「たくっ!、殺りすぎなんだよ…」

「まぁまぁ、まだいっぱい居ることだし、2人で楽しも!」


そのゾンビが現れてから、1ヶ月後。
やっと国からゾンビの情報が発表された。


「えー、我々の調査の結果、あれはなんらかのウイルスや、微生物が原因かと推定されました。

そのウイルスに感染すると、症状としては、まず皮膚が変色し、次に目から血が流れ、目は失明し、聴覚が異様に発達します。

その聴覚は通常の5倍から9倍で、中には、近くにいる人間の、心臓の鼓動に反応する感染者も報告されています。」


その報道に、国民はただ静かに、奴らに気付かれないように、家でひっそりと怯えていた。


それから2年後…

感染者は日本の人口の8割をしめた。

が……

とある学校の、グランドの真ん中には、4つのスピーカーが置かれていた。

その周りには無数の黒い物体がちりばめられている。


30過ぎのショートヘアの女性が渋谷を一人で歩いていた。

その女性は、人通りの少ない路地裏に出ると、タバコをふかしている黒人に話しかけ何かを手渡された。

「これで本当に治るんですか?…」

その問いかけに黒人は

「効果はあると思いまス…」

そう言って黒人は立ち去った。

女性は、不安な顔を浮かべながらも、その薬を飲み干した。

数分後、女性の皮膚の色は、だんだん紫色にかわりはじめた。

そして目からは血が流れ、うめき声が響き渡った。

女性はその場に倒れ、動かなくなった。

その女性に気がついた数人の男性が女性に声をかけた。

しかし、その女性の目から血が流れていることに気づくと、男性はおびえ逃げ去ろうとした。

すると女性は、一人の男性の足をつかみ引きずり倒した。

女性はその男性の足首に噛み付いた。それはまるでゾンビだった。

それは、ゾンビだった。