宝塚アーカイブスの第19,20回目は
『レビュー「モン・パリ」誕生日 〜タカラヅカ・レビューの始まり〜』
でした。

小林一三翁は大正13年7月19日におよそ4000人収容の大劇場に合うような新しい舞台表現を海外に視察してきてもらおうと考え、
宝塚大劇場のこけら落とし公演の最後の演目を担当した岸田辰彌氏に依頼しました。

岸田氏はイタリア人演出家ローシーから声楽、バレエを習っており、
テノール歌手としても活躍していました。

その実績を買われて大正8年に宝塚の指導者として招かれました。

演出家としてヨーロッパのオペレッタを発表し、好評を博します。

そして、大正15年に1月7日に海外視察に旅立ちます。

演出家初の海外視察者として託された新しい舞台表現の中にはその当時、パリで大流行していた「レビュー」という言葉がありました。


レビューとは、歌、音楽、踊りを主体としたショーのことです。


岸田氏がヨーロッパに向かう航路でも、これからの作品に役立つような出来事があったそうです。

上海から香港に向かう途中では、スパイに間違われだそうですグラサン

インドのコロンボでは偶然祭典が開催されており、
珍しい仮面の踊りや蛇使い🐍によるショーに驚かされました。

紅海を通過中、船上⛴では船長から人魚の言い伝えを聞き、
エジプトではラクダ🐪に乗ってスフィンクスやピラミッドを見学しました。

海外旅行が大変珍しい時代だったので、大変な刺激だったのではないかと思います。


岸田氏はイタリアで声楽の勉強を行ったのち、ヨーロッパの様々な劇場を視察しました。

その中には階段を使ったレビューを上演していたパリのフォリー・ベルジェール🏰もありました。


フォリー・ベルジェールはマネの絵画のモデルにもなったミュージックホールです。

(マネ「フォリー・ベルジェールのバー」 
Wikipediaより拝借しました)


ヨーロッパでの視察を終えた岸田氏はアメリカ🗽に入ります。
アメリカでは劇場視察と同時に海外公演の交渉も行いました。

一年半近くの視察を終えた岸田辰彌はこのように語っています。

「観客はダレルことを嫌い、幕間がない」
「電気、大道具、衣装には大金をかける」
「人の心を浮き立たせずにはおかない音楽」


こういったことから、岸田氏は日本初のレビューを制作することを決意します。

しかし、岸田氏が考えるレビュー一本にかかる費用💴は一年分の制作費にも上りました。

政策に反対する声も上がりましたが、
小林一三翁の一声でレビューを行うことが決定しました。


こうして上演された「モン・パリ」は
幕間なしの16場、
登場人数のべ210名、
場時間は1時間30分という、当時では考えられない、今でも考えられない大作となりました。

このレビューには、岸田氏が海外で体験した様々な出来事が盛り込まれました。

船🚢汽車🛤自動車🚗などスピード時代の機械文明が登場し、
世界各地が次々と展開しました。
また、大きく足や腕を出した衣装👯‍♀️👯‍♀️👯‍♀️は観客を圧倒しました。

心が浮き立つような主題歌
「うるわしの思い出 モン・パリ」
はラジオなどを通じて日本中に響き渡り、
レコード10万枚を売り上げるという大ヒットになりました。


う〜るわしの〜思い〜で〜🎶
モンパリ〜🎶
わがパリ〜♪

という歌は宝塚ファンでなくても聞いたことがある方が多いと思います。


そして、今では宝塚のショーに欠かせない大階段も16段ではありましたが、初めてこの舞台で登場しました。

初の歌舞伎座の貸し切りによる東京公演でも大人気になりました。

こうして、岸田辰彌氏が海外で視察してきた、
「幕なしの展開」
「大掛かりな装置」
「心を躍らせる音楽」
に表されるレビューが日本国中に旋風を巻き起こし、
宝塚歌劇の代名詞となっていきました。

岸田辰彌氏は宝塚の季刊誌「歌劇」昭和9年8月号にこのような言葉を残しています。

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宝塚の一番いい事は皆が一同となって仕事をしているという事で、
そこに一つのリズムがある、
そしてそのリズムに従って動いて行くから、
イキがよく合う(中略)
私はこの芝居のイキともいうべき事を、
生徒に教えて行くのが、
私達の務めであると思っている。(中略)
殊にレヴユウなどの気の利いた所では、
イキがぴったり合っていないと
全々その効果がなくなってしまう。
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昭和2年9月1日に初演を迎えた「モン・パリ」を記念して、
昭和63年から、毎年9月1日はレビュー記念日として、式典を行うようになりました。


宝塚といえば、一部が1時間半のお芝居、二部が1時間のレビュー(ショー)という構成が一般的です。


第二部のレビューは岸田氏が視察で受けたレビューの印象、
「観客はダレルことを嫌い、幕間がない」
「電気、大道具、衣装には大金をかける」
「人の心を浮き立たせずにはおかない音楽」
が全て盛り込まれており、
宝塚のレビューは唯一無二の存在だと思います。
期間限定で宝塚公式Youtubeで、心躍るレビューのワンシーンを観ることが出来るので、
この機会に是非ご覧になってみて下さい‼️‼️



本日も最後までお読みいただき、
誠にありがとうございました✨✨✨