2018年

35年もこの稼業してますと
毎年いろんな方々のご報告を受けます

1991年当時の当店に凛々しい若武者なバーテンダーが居ました、
彼は貴公子のような美しい顔をした
よくきびきび動く有能なバーテンダーでした

明日は彼の命日・・・

当時自分も若かったので
だいぶ厳しくハードに叩きこみました
同じ釜の飯を食わせて
家族同然でした
海にもよく連れていきました
夏の思い出深き場所

当店で彼と当時お話を交わした方々も多いでしょう
そう あのこです
蝶ネクタイとバーべストのよく似合う
オールバックにした美しいお顔をしたあのこ
もし少しでも当時の片鱗を思い出した方がいらっしゃいましたら
是非彼を思い出してやってくださいませ 彼のために

その後
彼はある大企業でバリバリ働いてました
ほんとに立派になっていて嬉しかった
でも彼は言ってました
ここに居たときが 自分が一番輝いていたと
なにも変わらぬこの空間
ずっとしていてくださいね なんて

BGMに今マルワルドロンのピアノ ジャッキーマクレーンのサックスのレフトアローン
久々 胸の奥に染み入ります たまらなく
セルマーのアルトサックスでよく吹いてました。

久々このレフトアローンを吹きたくなりました
この曲はビリーホリデーの死を偲んだもの
気持ちが伝わります
当時もよく営業中にもかけていました
リクエストも多くて

ヒトは生きていてあたりまえじゃないんですね
ヒトは元気でいてあたりまえでもないんですね
つくづくそう感じます

もう一度彼と酒を交わしたかったです
彼の好きな酒はオールドセントニックと
ビンテージのカルバドス
海外に出張の際も飲んでたらしいです
ひととなりの垣間見える話です
オシャレなダンディズムを生まれつき兼ね備えた謙虚な男でした
あの、お互い若かりし頃
週末の満員の店内で彼とシェイカーの音を呼応させながら
ダブルシェーキングをしていた華やかな光景を
自分は一生忘れません

心に刻みます
その銀のシェイカーは今も目の前に・・・
涙が溢れでます

これをもしお読みになられた関係者縁者の方々は
是非なんなりとコメントでもメールでも
気兼ねなくしてくださいませ

It is not length of life, but depth of life.




1988年以来何も変わらぬ稀有な空間。
雑踏から離れた閑静な立地に在る 仄暗くシックな大人のバーです。
なんとなく感性がお合いしそうな直感のされた方
上質な酒や雰囲気や音楽に関して鼻の効く方は是非
少しばかりの勇気をだして
細いエントランスへ続く階段を
期待を込めて上がってきてくださいませ。
ドアを開ければ そこは新しい人生と人生の出会いの幕開けでございます。

此処は2階に或る赤いネオンサインに囲まれた大きな窓フルオープンの
開放的なカクテルバーです。
フードメニューはございません。
世界の銘酒の数々で埋め尽くされている特殊な空間です。
シングルモルトやカルバドスのビンテージ物も粋です。

眼下には大通りに面していますので
車のヘッドライトや人々が一晩じゅう大河のように流れています。
母校鶴丸高校のOBの方々も是非お集いくださいませ。

この空間は様々な大勢の永年の大切なお客様方の想い出バンク。
皆さまの深き思い出のワンシーンの詰まったこの空間。
大切に維しお守りしております。

此処は この店を愛してくださっているお客様総ての方々のために
存在しています。
それ以上でも以下でもございません。
良い店とは素敵な方々がお集まりになる場所です。
BARとはヒトそれぞれ魂の置き場とでも申しましょうか、
そう感じる夜は多々ございます。

そこに居るバーテンダーとはホスピタリティの精神と行動に尽きます。
あらゆることにです。
どうぞ何なりとご要望ご希望をおっしゃってくださいませ。

素敵なお客様に接していられるのが毎日の心の張り合いです。

理想とするカクテルとゆうものは
まず 香り高く 美しく 心地よい刺激も交え トロリとさらリと艶のあるとこ。
身体の粘膜全体が ときとして美味しさに酔いしれ 結果幸せに満たされること。
そんな酔いを与えられる魔法のような美しいARTDRINK
そのような感覚は時にエロテイックでさえもあります。
飲み込んだあとには残り香の余韻
そして 身体と精神をを駆け巡る快楽の悦びとエネルギーに満たされます。

バーとは粋な心得の大人の 或いは それを目指す若者に集って頂く場所であって
無粋に騒いだりするための場所ではございません。
総ての男性は常にレディファーストの精神と行動を持って
マナーを大切に紳士的に周りや店にも接してください。
それが心地よいお時間を得る約束です。
品格のある艶やかな美しさやダンディズムを放つお客様は
素適度はかなり高いです。
それが人間的魅力に繋がります。

群れから離れ 1人訪ねる此処はエルミタージュ。

悦びとは流動 耀きとは交感 それはもっとも深い感動です。
万物は流動し交感し合っているのです。

バーとは日常と非日常の境目。
その特殊な空間では 男と女の生き様が垣間見えます。

扉の外では互いの名も知らぬまま
ただ擦れ違うだけだった人生が
扉を開けた瞬間から
人生と人生が交差し始めます。

時を超えて結ばれる者たちは いにしえよりこだまする
神々のお召しに導かれて・・・

心と身に貫かれ感のある特別な夜のCocktailとは
凝縮の塊りの液体であり 美と色と香りと愛の融合する
人生のワンシーンにおいてのARTな特別なドリンクだと捉えてます。

ご自分を振り返りたい時
人生にワンクッション置きたい時
何らかの静かな決意をした時などには
是非 ふらりとお立寄りくださいませ。
心から深く優しくお迎えして さりげなく手助けお手伝い致します。

ディ-プな夜に、ウエットな夜に、まどろみの夜に、
アナタを癒やす媚薬のようなバーでありたいと願ってます。

此処は 一期一会の 小宇宙的空間。
夜毎 全国から様々な業界や分野の方々がお見えになります。
今宵も様々な会話と笑顔の華が咲くことでしょう。
素敵な夜が演出できる人生を。

皆様を幸せに導き 生きる勇気やエネルギーの光をキラキラと発する
希有な空間でありたいと決意してます。

It is not length of life, but depth of life.














  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 30年何も変わらぬ稀有な空間。飲み屋街を外れた閑静な立地。なんとなく感性のお合いしそうな直観のされた方、上質な酒や音楽や雰囲気に関して鼻の利く方は是非、少しばかりの勇気を出してわかりにくいエントランスの細い階段を上ってきてくださいね。ここは2階にある大きな窓のフルオープンのバーです。小さなビルのワンフロアーで雑居ビルではございません。眼下には大通りに面していますので車のヘッドライトが一晩中河のように流れています。責任持って心から温かくお迎え致します。
バーの日々の営業や、永い年月の間には、ただお洒落な会話や美味しい酒を出してればいいなどの綺麗言では済まされないシュールな瞬間や、シリアスな夜も多々記憶にございます。それがバーとゆう空間の醍醐味。人生と人生の交差点です。皆様の深き思い出や様々なシーンの詰まったこの空間。ただただその想い出を大切にお預かりしてるだけです。

 
  
  
  
  
  
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
何故に現世と来世を分け隔てる
人は前世より生まれ来たる
欲深い者たちにとっては時はあまりに短いが
愛し合う者たちにとっては時とは永遠なり
 
 
Why think separately of this life than the next,
when one is born from the last?
Time is always too short for those who need it, but for those who love, it lasts forever.

第1話 酒

 

酒は ARTである。


ボトルの様々な形態、ラベルの美しい色彩、独特の味・・・
全てにおいて芸術的「美」に値する。

酒により喜びは倍になり、
悲しみは半減する。


酒には 人の心を操るバッカスが
宿っているのだろう。

バックカウンターに並ぶ700本のボトル・・・
それらは数百,数千、数え切れないほどの人生を
眺めてきたのだろう~。


人の個性と同じく、
酒も 個性の塊である。酒は人類の英知・・・
人生の伴侶として
一生いい関係で 付き合いたいものだ。

彼らが舞台に上がる時間・・・・・


午後 7時 。


今夜もまた 赤いネオンサインに照らされ、
いっせいに スポットライトの光に浮かびあがる。

 

 

 

 

 

 

 

第2話  バーテンダー


 

 

バーテンダーとは 感性の職業・・・
酒と飲む人との橋渡し役である。
酒をより美味しく、より美しくと願い、
クリスタルのグラスに注ぐ毎日・・・。

背には700本のボトル、
それぞれの個性をうまく引き出すのが 仕事。
この仕事で大切なのは
『優しさ』 である。
酒に対して、 人に対して、 
すべてに対しての 優しさ。

美味しいカクテルを創り出すには、
ある種の 「気」が必要である。
自分の精神状態が 不思議な気となって、
手から シェーカーのなかへと伝わる・・・・・

背には 無数の ボトル・・・
様々な 人生・・・
その 生き様が 酒の味。

毎日 、多くの人生に 直接触れている職業
バーテンダー・・・。
これまで幾千,幾万の人生を眺めてきたのだろう~。


カウンター越しの・・人生・・・
甘い夜
苦い夜
喜びの酒・・・・
つらい酒・・・・

私は酒を愛し、人間が好きだ。
そして、この職業に恋してる。

カウンターの内側~
そこが 私の人生~。

アイ・アム・バーテンダー


 

 

 

 

 

 

 

 

 

第3話  ビトウイーン・ザ・シーツの女


 

かつて 来る度に同じカクテルを頼む女がいた。
彼女は いつも ひとり・・・
そのカクテルの名は、
「ビトウイーン・ザ・シーツ」
ブランデーとラムがベースの ほんのりと甘い
ナイトキャップ・・・。

端正な顔立ち、ロングヘアー、細い指先には赤いマニキュア・・・
その狭間に揺れる カクテルグラス~。

「ビトウイーン・ザ・シーツを ひとりで ヤルなんて~変わったヒトだ」
と、思っていた。

その彼女が 3年ぶりに訪れた。
随分落ち着いた感じになっていた。
初めて見る アップのヘアースタイル・・・。
彼女は 微笑みながら言った、、、
「あのカクテルは、・・・寝たい~・・・のサインだったの~・・・」
と、
私は 多少の動揺を 隠しきれなかった。

彼女のために 久しぶりにシェイクしたカクテルは
『ホワイトレデイー』

「いつからジンが好きになったんですか~?」

「結婚してから・・・・・」

今の 彼女は、・・・『ホワイトレデイー』


その名の通り・・・「貴婦人」と呼ぶに
ふさわしい女性だと思った。


BARには、様々な人生が 交差する~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第4話  雨の日のBAR

 

 

午前 2時 ・ ・ ・
外は 雨 ・ ・ ・
赤いネオンサインが ショートしてパチリ、パチリと
点滅している~。

カウンターの上にはストレートグラスが一個。
グラスの中には 琥珀色の液体、マッカランの1964年物、
至高のスコッチウイスキー。
今日の仕事を終えてからの一杯・・・
バーテンダーの至福の時である。

この静寂、かすかな雨音、
その囁きとBGMのJAZZが
微妙に交差する。

私は雨の日が好きだ。
空気に潤いがある。
酒の味もまろやかだ。

雨に濡れた窓・・・
眼下には 車のヘッドライトの煌メキ・・・
濡れた~路面に反射して、
今夜は いちだんと ロマンティック・・・・・。

雨の日の BAR 

 


その空間は 外界とは 切り離されたもの・・・
一人のとき、
愛する人と二人だけのトキを
より 濃密に 感じさせてくれる。

その静寂の空間は  サンクチュアリ・・・

人々にとっての、聖域である。

雨の夜は、潤いのある人生を、
可能性のある未知の人生を
感じさせてくれる~

心が濡れる夜・・・

BARは、サンクチュアリ~


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第5話  ドライマティーニの掟


 

初夏の夕暮れ時~
ドライマティー二の 最も美味しい季節・・・。
毎年 、この時期になると 決まって毎日のように、
マティー二を飲みに来る男がいる。
午後7時、


赤いネオンサインに酒がライトアップされる時間・・・、
と、同時にドアを開ける男。
「ミスターマティー二」。

ドライマティー二は カクテルの王者。


旨いマティー二を創るには、
様々な技術、感性が必要である。


それは、バーテンダーの掟。


でも、彼は飲み手の掟を主張する。


彼の言う掟とは・・・


1.夏の夕暮れ時、昼と夜がクロスオーバーする時間に
  夕陽を眺めながら飲むこと。


2.食前であること。


3.三口以内で飲むこと。
  ひとくちめは、香りを・・・
  ふたくちめは、キリッとした喉ごしを・・・
  みくちめは、胃に染みわたるその余韻を・・・楽しむべし。


4.五分以内に飲み干すこと。
  五分以上放置したマティー二は、
  例え世界最高のマティー二といえども、
  ただのまずい液体へと化する。


5.例え2杯目が欲しくとも、1杯で我慢すべし・・・。
  最高のマティー二は
  その1杯に真価がある。。。
以上。。。

P.S
  この掟はジンの銘柄、ベルモットの使用法、
  グラスの温度等、その他 最高の条件のもとに
  創りだされた、最もドライなマティー二を
  前提としている。
  それ以外のマティー二には、この掟は必要としない。


  口にしないのが 掟である~。

以上が ミスターマティー二の掟。

本当に旨い1杯のマティー二は、
その日のビジネスの疲れを サッ、と流し、食欲を駆りたて、
明日への活力を蘇らせる~。

生きている喜びを 1杯の酒に感じとることができる瞬間・・・・・・

今宵も 1杯のドライマティー二を皮切りに
夜の幕開け~である~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第6話 真夜中のドンペリ


 

ドン・ぺリ二ヨン・・・・・
世界的に有名なシャンパン。
シャンパンは 祝い酒。
クリスマスばかりに飲むものでもない。
夏のシャンパンは また格別~。

昔、ある女とよくシャンパンを空けたものだ・・・・・


何か ことあるごとにシャンパン、、、
彼女の好きな銘柄は、
「ドン・ぺリ二ヨン」

その当時は、高価なシャンパンの為に
働いているようなものであった。・・・・・
細長いフルートシャンパングラス・・・・・・
立ち昇る細かい泡の数々~~~~~
その美しさに彼女はよく見とれていた~。

細い喉元に流し込まれるシャンパン~

そして、細く可憐で華麗な美しい指・・・

その様子を見ているだけで満足だった。

杯を重ねるごとに、彼女はうっとりと、
そして、恍惚感に 浸っていた~。



この季節になると想い出す、あの日の頃。



午前2時。


今日の仕事も終わり・・・
私は カウンターに冷えたドンペリと
アンティークなバカラのシャンパングラスを2本取り出した。

「シュポッ!」と空く、あの懐かしい音


今日は、真夜中にひとりでドンペリを空けよう~。
しかし、グラスは 2本。
私は 2本のグラスに立ち昇る美しい泡の煌めきを
見つめていた~。


一年のうちで、彼女とシャンパンを交わすのは
今日だけ・・・

なぜならば、今日が彼女の命日なのだから・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第7話  恋のX・Y・Z

 

 

 

秋は 別れの季節。。。
外の銀杏並木が色付く頃、
BARにも 秋の気配が漂う~。

午前2時~。
店のネオンサインを消そうとしていた。
と、突然ひとりの女がドアを開けた・・・。

「1杯だけよろしいですか~」

『ええ,』   『何に致しましょう~』



「X・Y・Z・・・」



シェイカーの金属音、
BGMには・・・・レフト・アローン・・・
そして、
ひとりの女~。
それ以外には 何もなかった。
静寂の夜 ・ ・ ・


ひとくちで飲み乾されたカクテルグラス・・・。

1分間の 沈黙。

彼女は 長い髪を掻きあげた~。
そして、ポツリと、
「今日、別れたんです。彼と~・・・」


彼女は軽く微笑み、
サッ、とカウンターを立った。

今日の ラストシェ-キングは 「X・Y・Z」
一日の・・終わりに・・・ふさわしいカクテル~

彼女にとって あの1杯は、


『恋のX・Y・Z』。

BARで始まる恋もあれば、

BARで終わる恋もある~。


 
          1993年 秋。

 

 

 

 

 

 

 

第8話  黒いラベルのシャンパン

 

 

 

LANSON BLACK LABEL BRUT ・ ・ ・

スタンダードだが 正統派の 辛口フランスシャンパン~

1760年からの歴史をもつ~ 黒いラベルの シャンパン。

このシャンパンにまつわる 思い出。

このシャンパンを 手にとる度に 彼女のことを 思い出す~。


それは ある 寒い夜の 深夜だった、

独りのオンナが BARの扉を開けた、・・・

端整な 美しい顔立ち~ 細くて長身のスタイル~

髪は アップに束ねていた・・・

物憂げな表情、 虚ろなオーラを カラダ中から~ 発していた。

手首には 包帯。

血が じっとりと 滲んでいた。

『ランソンを フルボトルでください・・・』

『かしこまりました』

『苺をいただけますかぁ~』

『はい』

彼女は、フルートシャンパングラスのなかに、

生の 赤い苺をつぶして落とした・・・

シャンパンを注ぐごとに

彼女は ごくごくと 細い喉元に

流し込んでいた~

どうやら のどが渇いてた様子。

あっとゆうまに、一本のシャンパンは 空けられた。

聞くところによると、

彼女は 恋に悩んだ末、

何時間か前に ザックリと、

手首を 剃刀で 切ったらしい~

その悲しみを 血止めの包帯が 物語っていた。

彼女にとって、そのシャンパンは、

想い出の銘柄だった。

彼との 刹那な幸せのひとときの・・・

彼女は シャンパンと苺の赤い色で~

新しい血を 補給したのであろうか~


それから 月日は流れた、、、

そのアイダ 彼女は 様々なアタラシイ愛を 遍歴した~、

手首の疵も 目立たなくなった頃から~

彼女は パッタリと 姿を見せなくなった。

どうしているのだろう~? と、想っていたとき、

風の便りに 聞いた~

やはり 縁が切れなかった、、と、、

肉体は 切り刻む、勇気があっても、

男と女のシガラミを 断ち切るには、

及ばなかったらしい。

その代わり、そのオトコの家庭は、

破滅したらしい~。

恐ろしい、風の便りであった。


そう言えば 、彼女は あの時のシャンパンの 空瓶を、

記念に~とか言って、 持って帰った~

空のシャンパンの空き瓶を 見つめて、

あれから 彼女は 何を考えていたのだろうか~

中身の入ってない、・・・愛・・・


今度、もし、 いつか見えることがあったら~

今度は シャンパンの銘柄が 変わってないことを願いたい。

「ウ”-ウ”クリコ」とかに~、

クリコ未亡人とゆう名のついた、有名なシャンパン~。

こちらは、黄色いラベルである。


男と女は 儚く かつ 難しい~・・・


今宵は 家に帰って、

KRUG でも 飲むこととしよう~!

私の最も好きな お酒のひとつ・・・

なんと奥深い この響き~・・・

~シャンパン~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第9話 壁のワイン画

 

 

今夜は 花冷えの 寒い夜~

まだ 店は ノーゲスト・・・

ふと,入り口の横にかけてる 手描きの ワインの墨絵・・を見た・・・


これを M から戴いたのは ちょど4年前の今頃~


彼女とは その前の年に 出逢った~


世界中を 飛び回るデザイナーの 彼女・・・

世界中の ワインも識る 彼女・・・

ある 大きな仕事で この地を 訪れ~

そんな 夜に 初めて 訪れた。。。


独りで 来て~ 

『何か ワインを 一本~ いただけますか~』

日曜の 夜~ であった・・・

僕が セラーから 取り出したのは、

1969の LEROYの ボーヌ・ロマネ~

ルロアのワインは その品質でも つとに有名・・・

ボーヌ・ロマネ~とは、あの ロマネコンティ~を有する地区のワイン~


ちょうど 成熟の域に達していた この ブルゴーニュ・・・

彼女の 雰囲気に マッチしていた。

彼女は その ワインを 口にして、

『 こんな ワインは 初めて~~~』

と 歓喜していた。。。

その夜は~

彼女との ワイン談義で 華が咲いた~


それ以来の 付き合いである~


彼女は あの ワイン以来、

ワインの 何かに 目覚めたらしい~

今だに~  そこいらのソムリエを 凌ぐほどの

ワイン通~である。




M とは その後 その年の クリスマスに 会ったきり・・・

もう 5年も 前のことである。


でも ワインを通じての 四季折々、季節ごとのやりとりは

いまだに 続いている。

彼女らしい~素敵な お手紙を たくさん戴いた~

イタリアに得意な彼女の お薦めのワインも

たくさん戴いた~

ぼくからは 様々な 1969の生まれ年のシャトー物を・・・



壁に掛けている 『 ワイン画 』の 『 エシェゾー 』は

その中の 一本 である。

やはり その銘柄も ブルゴーニュ・・・

ロマネの畑の 隣村の ふくよかな ワイン・・・


その ワインの画は ある記念の日に

彼女が 描いて 送ってくれた・・・

墨絵のなかの 淡い 赤・・・

その エシェゾーの残りの

実物のワインで 色染めしてくれたらしい~


奥深き ワインの 絵・・・

SAMSARA ARTの 一部~である。


彼女は 今 イタリアに住んでるらしい・・・

デザインとワインを 人生で 極めるために・・・

まだ 独身~ である。

私の 尊敬する女性の ひとりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 


BAR SAMSARA

BAR SAMSARA

BAR SAMSARA

 

 

 

 

鹿児島の中心地の文京地区。天文館の街外れ。桜島、錦江湾を前面に島津斉彬公を祀る城山下の照国神社。その表参道大交差点近くに懐かしき昭和より佇む大人の隠れ家バーです。洋酒オンリーのCocktail BAR。狭い階段を上がった2階に在る秘密の小空間。真夜中に煌めく小さな老舗のバー空間です。全国津々浦々より、また海外より訪れる旅やビジネスのお客様も多数。大通り沿い全面ガラス張りのワイドな窓、それをとり囲む赤いネオンサインが目印です。シックな仄暗い落ち着いた間接照明のみの大人の雰囲気を醸し出します。カップル様御用達。非日常空間の美学や音楽そして酒。一献のグラスのなかの酒は想いと情熱の凝縮の塊~。美しきカクテルと世界の銘酒のワンショット、光を浴びて~バカラクリスタルや薩摩切子の輝きに酔いしれて~。シェーカーの金属音、注がれる雫の気配~最後の一滴までもが Elixir ~ 身体に響く大JBLから流れる低音大音量のブラックミュージックやJAZZのBGM、レコード針音源の繊細さ、シックでエキサィティングな大人の空間と動く光のハーモニーに身を委ねて極上の酔いを。たまにはExciting Crazy Night~。酸いも甘いも噛み分けるバーテンダーと共に~一夜を~。シングルモルトウィスキー、オードヴィー、カルバドス、オールドラム、シャンパン、葉巻、・・・此処にはダンディズムに溢れる男の空間と、そんな男達にエスコートされる、そしてされるべき女の空間が展開されます。刺激、癒し、慰み、快楽、心ときめく瞬間、思いやり、優しさ、気遣い、知的会話、笑顔、眼差し、エレガンス、香り、嗜み、感性、知性、感受性、美学、人生観。心と喉の渇きを潤し、心の隙間を埋める、そんな希有な空間。Solitude、孤高をEnjoyする時間も大切。Lonelinessな心の隙間をもお埋めしたい願い。人生の誤謬と業の穴埋め作業が、飲むとゆうこと。SAMSARAとはサンスクリット語で輪廻転生とゆう深遠な意味をも含みます。皆さまの人生に諸天善神のご加護が常に降り注ぎますようにとの願いを込めてお待ちしております。そして、ご自分へのご褒美としての最高の夜の演出にもご利用ください。シュールでセンチメンタルな夜にも似合う稀有な空間です。人生と人生が交差するバーと言う名のサンクチュアリが好き。身体じゅうを突き抜けて悦びに震えるようなひとときと心が噎び泣く夜にもアナタノ味方として存在したいのです。