アフリカ中部においてのアルカイダ系組織について。
もはや多くの人やメディアが書いているので
いまさら感がありますが、個人的に調べて感じた事を書きたいと思います。
まず、犯行グループなんですが背後に居たと見られている男がモクタール・ベルモフタール。このオッサン
ガスプラントを襲撃したグループは「血の署名者たち」 (La brigade Al-Muthalimin)と名乗り、その後の犯行声明でコイツが指揮していたと判明。
このモクターという男は、CIAによって訓練された元「アラブ・アフガン」
【ソ連のアフガニスタン侵攻に対し、米国CIAがソ連を疲弊させる目的で雇った傭兵達。アラブ・アフガンズとも呼ばれ、パキスタンのISI(インター・サービス・インテリジェンス)と共にイスラム聖戦士(ムジャヒディン)と呼ばれた。ISIは後にアル・カイダとタリバンに分裂する】
1993年にアルジェリアに戻りGSPC(”説教と戦闘の集団”)に参加。最近になって「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(AQIM)」から離れ、自ら新しいグループを立ち上げていた。
(GSPCというのはアルジェリア軍によってイスラム勢力を潰す目的で作られた組織。しかも元CIA職員の手によって作られたという)
ただ引っかかる部分があって「血の署名者」と名乗っていたこと。
イスラム教徒にとって血は禁句(きんき)TABOOなんだよね。
【イスラム教の聖典コーランの、許可と禁忌。第二章173。「彼があなたがたに、食べることを禁じられるものは、死肉、血、豚肉、及びアッラー以外の名でそなえられたものである。】 口にするのもたばかれるものだという。
思うのだが、彼らは本当はイスラムのために動いているのか?
モクタール・ベルモフタールという男はタバコや密輸で稼いでいるために「マルボロマン」とか「拘束不可能な男」と呼ばれている。
だが、アルカイダにしろタリバンにしろ、またこのモクタール・ベルモフタールも所詮はカネが目的で、今まで数々の身代金目的の誘拐事件を起こしている。
専門家によれば、イナメスの人質事件も身代金目的だったとされる。
モクタール・ベルモフタールの話から少しずれるが、
アルカイダの資金源や武器の調達ルートはどこなんだろう?
海外のジャーナリストの情報では”コカイン”とされている。
コカインの生産拠点は南米であったが、近年米国の締め付けによって
供給地とルートが変更になった。
コカインは南米から太平洋を横断しアフリカ大陸へ。
マリ等内陸をを経由して欧州へ供給される。
方法としては旧式のボーイング機だけでなく、ラクダを使ったキャラバンに偽装して運んでいるらしい。米仏の人工衛星でもこれなら分からない。
またアルカイダはコカインで兵士を集めている。
薬漬けで求心力を作り、戦闘や自爆テロの恐怖心を無くさせる。
売り上げで武器弾薬を調達し、組織の勢力を拡大する。
ではなぜイナメスのガスプラントが狙われたのだろう。
いくつか話が出ているが、すべて「可能性がある」とだけしておきたい。
1、中国の策略?
アルジェリアは日本とウランの採掘で独占的契約を結んでいる。
「アルジェリアで日本人が狙われていると分かれば日本は撤退を考えるだろう」
アフリカには中国資本が入っている場所が多いのに、イナメスのプラントだけ中国人労働者が居ないのは不自然。
2、中国人と間違えられた?
前述の通りアフリカ大陸には中国人資本が入り込んでいて、各地でトラブルを起こしている。イスラムから見れば日本人も中国人も同じ人種に見え、違いが分からない。
またマオニスト(毛派)と呼ばれる思想・共産主義者が増えていることもあり、イスラム原理主義者としては面白くないだろう。
3、ユダヤとCIAの陰謀?
可能性は否定しない(笑)
今回の事件は非常に謎が多い。
プラントに出入りしている運送会社がテロリストの所有であったり、
武装集団がアルジェリア軍の軍服を着ていたり、この事件の直後にアルジェリアの地方の知事が誘拐されたりと、あれこれ不可解な点が多い。
いずれにせよこれからも同様なテロや事件は増えていくだろう。
日本の技術者達が安心して仕事ができるようにして欲しいもんだ。