こちらは冬
半そで 海ぱん くろっくす
グレートバリアリーフ船の上。
彼はルイスと名乗り
好意的な笑顔を作り、日に焼けた右手で握手を求めて来た。
もちろん僕は何も考えるでもなく右手を差し出し、笑顔で挨拶した。
インストラクターを取るため、香港から来たのだと彼は言った。
香港がイギリス領だった為に小学校から英語を喋り
もちろんペラペラで僕のつたない英語も単語、単語をくみとり
優しく話し続けてくれる。
どこか悲しく見える口調でルイスは言ってきた。
「I don,t have house。」
おまえ家ないんか!
ひとまず笑ってやり、
パツキンヨーロピアンとの同棲予定も全く叶いそうもないので
「かもーん my house!」
謎の中国人、ルイスとの1部屋シェアの生活が始まったのでした。
シュワちゃんに追い出された後
新しく移った家は
ウィルスミス似のオーナークリスのジャパニーズシェアハウス。
2人で一部屋は瞬殺で汚くなり
日中感の差を日に日に埋めてゆくが
言葉の壁は高く
50%の理解と
名探偵コナンばり、表情と雰囲気からの50%の推測
ヒッピースタンスで
ビートジェネレーションなノリで
文化の壁をたまに乗り越え
1ドル20枚入り、奇跡の食パン
60セント、いけてるパスタ
40セント、ケミカルミーゴレン
50セント、激甘アイス
果てしなく続くグリーンカレ
ガチのブルースリーのモノマネ
日中AVカルチャー交換
ガチのカンフー練習
キムチ奪い合い
ホモと勘違いされる日々
英語レベルが中3から高1に進化し
謎の中国人ルイスは
謎ではない中国人になったのでした。
3ヵ月後。
僕たちはフィッツロイ島に降り立ち
仏、豪、韓、中、米、英、日、西
世界中から、PADIのイントラの試験にきた15名が集い
3日間試験があり、最終日のこの日。
緊張まっくす
最終スキルを終え、
一人一人、オージー試験官のオッサンから名前が呼ばれ
全員に合格証書が手に渡り。
PADIのオッサンは海を見ながら言うのでした
「この広い海を、自然を、地球を、リスペクトしてください。
あなた達の職場は地球です。
あなたの物でもあり、あなたでもあります。大切にしてくださいね。」
ウキウキで家に帰り
ウィルスミス似のオーナークリスに
いい知らせだと、合格を伝えると
悪い知らせだと、僕だけ退去を命じられ
中国人との生活はもちろんうるさく
迷惑きわまりまいと
君が原因だとゆわれ
ルイスは横でケラケラ笑っているので
まさかの2度目の退去にひとまず笑い
ルイスに
「I don,t have house!」
笑いながら僕に
「かもーん my house」
初めて中国人のジョークを笑いもせず無視したのでした。
そしてルイスはその部屋に残り
次は万里長城でほなまたシェイシェイ
まったくもって予定外の中国人との別れに涙ちょちょぎれ
アホほどある荷物をカートに積み込みカラカラさせながら
ケアンズでのミラクルなギャグな日々に感謝して
世界地図を広げ
バス停に向かうのでした。




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