もう、死に損なったなんて言わない!

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入院から4週間目に入り毎日のリハビリと自主訓練の成果もあってベッドの横で端坐位出来るようになった。PTさんに補助してもらいながら手すりにつかまっての歩行訓練も出来た。
上肢の方はというと腕はまだ上がらないが、肘を伸ばせるようになった。まだまだ課題は山積である。

まだ道程は長い…そうこうしてるうちに終わりの時が近づいてる…。ある日Wさんの口から告げられる。
 

「明日で急性期卒業ですね。」
「回復期に移ったら新たに担当が付きます。」
「PT、OT、ST、共に一新されます。一旦ここでチームは解散ですね。」
 
 
「ずっとWさんに診てもらいたいんだけど…」
Wさんは困った表情を一瞬見せたがすぐに笑顔で
 
 
「そう言っていただくと嬉しいですね!」
「でも、大丈夫ですよ回復期にはもっと優秀な人材そろってますし」

(いや、そうじゃなくて…)

「リハビリ室も使えますから!」

(そうじゃなくて、あなたに回復したところを見てもらいたいんです!)

「…」
 
 

残念な気持ちは拭えないものの仕方のないことと切り替えた。
 
 

ふと、ICUにいた頃のことを思い出す…首から下は動かない状態だった。なに1つ自分で出来ることなんてなかった。
精神が崩壊しててもなんら不思議ではない。そんな絶望の淵に立たされた時。様々な人によってギリギリ救われた。
大袈裟でなく本当に心からそう思えてる。こんな自分にも正直オドロキだ。
 
 
 
こんな風になる前の自分はちっぽけでツマラナイ存在だった。ギリギリ生活できるだけの仕事してなんの趣味もなく家に籠ってゲームしてばかり…人との縁も煩わしくて大切にしてなかった。倒れた時、一瞬、痛くも、苦しくもないし、このまま死んでもいいや。という考えがよぎるようなクズ人間だったし自覚もしてた。
 
現在、ここまで回復できたのは大勢の人の手が関わってきている。この人たちに恩返ししないまま死んだらそれこそ「クズ」である。
 
 
 
意志の弱い自分はなにかあるごとに誓いを立てる。これの繰り返しである。
恩返しできるまでは死ねない。命を諦めない。前進あるのみ。
 
 

Wさんから最後に贈られた言葉はこうである。
 
 
「辛くなっても周囲にやる気だけは見せてください。」
「スタッフの数にも診れる時間も限られているから自然と優先順位が発生します。」
「治る見込みがあり克、やる気のある人。です。」
「本来、優先順位なんてあっちゃいけないのですが…」
「全然ベッドから起きてくれない方に時間を割いてても…、ね。」
 

肝に銘じよう…
最後の最後までありがとうございました。
 
 
ICU:Tさん(看護師)
   Aさん(看護師)
 
絶望のどん底にいた時、いつも明るく接してくれてありがとう。
約束果たしてみせます。待っててくださいね。
 
HCU:Aさん(看護師)
 
1日だけでしたがお世話になりました。引き続き急性期でもでしたが
摘便されたの恥ずかしかったです。(このこと書くかどうか迷った。)
 
急性期:Hさん(看護師)
 
久しぶりの再会があんな形でなされるとは!お互い思いませんでしたよねw
 
     :Dさん(看護師)

柵の件ではご迷惑をかけました。清拭いつも担当していただきましたね。ありがとう。
 
     :Sさん(看護師)
 
いつもエスパー並みによく気がついてくれてありがとう。あなたにはホント良い印象しかない。
 
     :Nさん(看護師)
 
2日早く入手してたJUMPに目ざとく気づいてましたね。漫画、アニメが好きでしたね。
 
     :Mさん(介護士)
 
お風呂、髭剃りお世話になりました。最後になってサッカー好きって知って、もっと色々語りたかったよ!
 
 

他にもお世話になった方々全員に一言残したかったのですが、列挙した方以外思い出せない忘恩の輩なのであります。ゴメンナサイ…
 
 
 
 
 
 
 
 
翌日を迎えいよいよ回復期病棟へ、自分の荷物は前日にまとめておいてもらってたので
それらをベッドに乗せベッドごとゴロゴロと移動。回復期は道路を挟んだ向こう側にあるため
本館と東館(回復期病棟)の3階部分が回廊で繋がっている。
移動中、年甲斐もなくワクワクしてたのはここだけの話。w

エレベーターの扉が開く。「さぁ着きましたよ。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
奇跡の復活への第2章が、今、始まる!
 
 
 
 
 
 
 

8話へ続く…
 
 
ある日のOTリハビリ中のお話。
 
左手の拘縮がなかなか(とゆーかほぼ進歩無し)改善の兆しがなく
IVESとゆー電機の力を借りて指を伸ばす訓練をやっていたのだが
電気信号拾ってくれる場所をなかなか見つけられずにいた。
 
ああでもないこうでもないとやっていると突如、指が反応した!
5本の指のうち小指、薬指、中指の3本がピーン!と伸びたのだ!
私よりもIさんのほうが一回り大きい声で「おおーっ!!!」ってwww
 
 
普段こんなIさんを見ることがなかったので意外だった。
下肢の方は日に日に良くなってるのを見てIさんなりに少し焦りみたいなものを感じていたのだろうか?
 

親指と人差し指も第二関節までは伸びていた。右手を使わず伸びた左手の指は
久しぶりの感触にまるで喜んでいるかのように心地よかった。
 
 
IVESを使うのはあくまで指の拘縮がこれ以上進行しないために補助的な処置であり
左手だけでグーパーしたり肘を伸ばす運動、タオルで擦って感覚を入れてあげる等々
通常のリハビリメニューが主体になる。でないとIVESばかりに依存するという弊害があるとか。
※(外部からの電気刺激治療による筋収縮に身体や脳が、慣れてしまうと、本来の人間の脳から出る微電流に筋肉が反応しなくなる)
 
 
 
因みにIさんからも上肢の目標をリクエストされたので、「ゲーム出来るようになりたい!」と高らかに宣誓しました!
 
 
 
 
 

私のベッドはリクライニングの昇降ボタン操作するリモコンの引っ掛ける部分が破損しておりベッド柵に掛けられない。
そのため脇に置いてあるだけなので身体を動かした拍子に当たって落下→身体をよじって右手で拾う。
を1日十数回ほど繰り返してたからなのかどうかは不明だが、ある日リハビリの時に身体を起こしただけで下半身(主に臀部)に
今までに経験したことのない激痛が走った。
 
「いででででででで!!!!」

「どうしました!?」

「尻が、尻が…」

「尻が痛いんですか?」

「うん…。」

「どんな風に痛いです?」
 
それから私が身振り手振りでこうやるとここが痛くて、こっちに向けるとここが痛くなるというような説明を
なんとか解ってもらおうと精一杯訴えおわり…
 
「今日は無理せず軽いストレッチと感覚フィードバックだけやりましょう。」
 
「あ、いや、大丈夫です。これくらいで休んでたら…」
と私が言いかけたところで…
 
「無理は逆効果になります。大丈夫。休むのもリハビリでは重要なんです。」
 
と、言われたのだけどやはりこんな調子じゃフルマラソン完走なんて夢のまた夢。
Wさんへの恩返しと思えばこの程度の痛みで、これしきのことで、…なんて心情を見透かされたかどうかはさておき
 
 
「頑張ってる証拠ですよ。自分の身体を労わってやってください。」
「あとでリクライニングのリモコンの件ナースさんに言って替えを持ってきます。」
「なにかあれば遠慮しないでナースコール押してください。」
 
なんてことない言葉なのだろうけどそういってもらえただけで心がスーッと軽くなった気がした。
 
「いいですか?今日だけはなにもかも忘れてゆっくり休んでくださいね。」
 
 
その日1日言われたとおりに焦る気持ちを忘れてほぼ1日寝てた。
すると翌日あれほど痛かった痛みがどこかへ行ってしまった!
只々驚愕してる私の様子を見てWさんが微笑みながら言った。
 
 
「○○さんの普段の様子を聞いたのですが、四六時中考え事してませんか?」
「心配事は色々あるでしょう。が、担当になったのもご縁ですからなんでも言って下さい。」
「私たちに言ったところで解決しないことも聞くだけならできますから。」
 
ホントにこの人が担当で良かった … 自分でも気がついてなかった … 
家族の前で弱音を吐けない。ちょっとしたことが出来なくてイチイチ絶望する。
人の親切がこんなにも心に染みたことは無かった。まだまだ世の中捨てたもんじゃないな…。
 

STのNさんとのリハビリも要領を得てきたのだが、実はコレが1番キツク感じた。てゆーか頭が疲れる。
口開けて舌を出し入れ、出したまま左右に動かす、気のへらを舌で押す等々Nさんのリズムに合わせてやる。
 
「はい。じゃ、次。」

「ちょ、ちょっと待って。」

「どうしました?」

「ちょっち休憩…」

「1、2、3、はい。休憩終わり。」

「ええっ~!」

「ええっ~じゃないっ!はい!次!」

(鬼や…)

「鬼でけっこう。」

(へ?!)
 
と、こんな感じだが、きっとお互い楽しんでた。と、思う…。
 
 
ベッドはまだ4点柵。いわゆる隔離状態。1度前科がつきブラックリスト入りすると要注意人物として扱われる。
ある時、トイレから戻った後、看護師さんが外した柵を戻し忘れてて…それに気づかず体の向きを変えようとした拍子に足からズルズルズルと滑るように床に尻もちをついた…
 
 
「ヤッベェェェェ!!!」
 
 
2度目の転落。前科2犯となってしまった…。あの看護師さん怒られたのかな…悪いことしてしまったな。
 
 
 
 
 
 
 
 
終わりと始まり(下)へ続く…