今回紹介する映画は1965年(昭和40)年日活
「真紅な海が呼んでるぜ」

松尾昭典監督



あらすじ
商船大学卒のエリート船員津川了次(渡哲也)は、兄の雄作(二谷英明)が船長の貨物船「賭運丸」が疚しい事をやっているのでは!と思い一緒に乗り込んだ。

そして了次は船内で密航者の女(中原早苗)を発見した。

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大型新人渡哲也日活入社3作目の作品で初のカラー

主題歌も歌っていますが、はっきり言ってかなり下手くそです。

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渡哲也の相手役は当然キドリンこと松原智恵子^ ^





では無く[みんな:01]

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船に密航していた相原真弓(中原早苗)でした。

彼女はショーダンサーでしたが、原島(下條正巳)に騙されて香港に売り飛ばされた。
しかし、雄作(二谷英明)に密航の手助けをしてもらったのだ。

この作品で早苗さんは歌やセクシーダンスも披露して良いところを独り占め(笑)

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今作品の早苗さんは雄作(二谷英明)の元妻も担当

雄作が真弓の密航を助けたのは、元妻と顔が瓜二つだったから。

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荻村洋子(キドリン)は波止場の安食堂「珊瑚亭」の店主、
兄が了次と商船大学の同級生だったが、了次の過失事故で兄が亡くなってしまい、それ以来了次を恨んでいたが、借金の為に悪徳商人・本郷(金子信雄)の言いなりになりかける!

了次は洋子の借金60万円を兄貴に借り本郷に叩き返す!

此処で本郷の手下とアクションがありましたが、進展せずに終了。

キドリンは了次に感謝し恨んだ事を詫びるが、恋愛には発展せず。

何でキドリンと渡の恋愛作品で無かったのか、この辺りが作品として全く不可思議!

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了次と真弓は恋愛関係になるが、はっきり言って何で恋愛関係になったのかイマイチ理解出来ないw

神戸が舞台で年上女性との恋愛関係となると、三原葉子と吉田輝雄がカップルになった新東宝の「黄線地帯」(石井輝男監督)がありましたが、松尾監督はこの作品をリスペクトしていたのだろうか。

だとしてもストーリーが⁇



二人が居る場所は神戸港高浜岸壁
現在ハーバーランド・モザイクがある場所です。

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そして鉄道シーン
東遊園地からの撮影
国道2号線と共に、神戸臨港線が見えます。

神戸臨港線は、灘駅東から神戸駅南の湊川駅迄結んでいた貨物線ですが、現在は廃止されております。

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神戸臨港線を走る貨物列車。

貨車には急行の文字が書いてありますが、急行貨物列車だったのでしょうか。

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結局了次は真弓を置いて兄貴と二人で出航してしまう。

真弓は「誰が待ってやるものか」と叫んだが、涙をみせて悲しんだ。

高浜岸壁の三菱倉庫が見えます。
この倉庫の西に湊川貨物駅がありました。
湊川貨物駅廃止と共に再開発されて、この辺一帯はハーバーランド地区になっています。


あとがき
この作品は神戸臨港線を含む昭和40年の神戸の風景と中原早苗の活躍が見所ですが、それ以外は散漫過ぎますね。

特に、数人の人間以外関西弁を全く使わないのは、地元の人間として非常に違和感がありました。
主役の渡を含めて、二谷、キドリン、早苗さん、金子信雄も地元の人間の設定。


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