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昨日のブログに11月に日活作品を20本観たと書きましたが、非常に印象に残る女優さんが居ました。
その人の名は初井言榮です。

彼女は「憎まれ役」がほとんどだったのですが、どの作品も強烈な個性で印象度大でした。

上の写真は「競輪上人行状記」で焼き鳥屋の女将役の初井言榮

ここでは寺で弔った犬を引き取って、「犬肉を焼き鳥として売っているんだ!」と主役の春道(小沢昭一)に毒づきます。

犬肉を焼き鳥として売る話は大映の「犬シリーズ」でもありましたから、当時はよくある話だったのかも知れませんね。

そういえば昔、某ハンバーガーチェーンの肉は「ネ〇ミ」の肉を使ってる都市伝説がありました(笑)


そして下の写真は「春婦傳」での中国人慰安婦役です。

この作品ではいつもの「憎まれ役」とは打って変わって「物静かな」役柄でした。

しかし、初井言榮はこの役も好演しましたので、一本調子の役者では無いことを裏付けました。

この作品は主演の野川由美子が慰安婦役を熱演しましたが、劇中最後のシーンで初井言榮は、自殺した野川由美子と川地民夫に対して「日本人はすぐ死にたがる、踏まれても蹴られても生きなけりゃいけない!生き抜く方法をもっと伝えよ、死ぬなんて卑怯だ!」と言って立ち去ります。

このシーンは非常に印象的で、このシーンだけで主役は初井言榮だったのではと思ってしまいました。

日活にはこういう素晴らしい女優さんが居たのですね。