barerasさんのブログ-121011_002334.jpg

barerasさんのブログ-121011_003056.jpg

「キューポラのある街」最終回は北朝鮮帰還事業です。

この作品はジュンの父親石黒辰五郎の解雇を巡る労働組合の問題や、ジュンの高校進学問題、そしてジュンの弟タカユキの友人である在日朝鮮人のサンキチ一家の朝鮮人差別問題等盛り沢山のテーマがあるのですが、最大のテーマは在日朝鮮人が北朝鮮に帰還するいわゆる「帰還事業」です。

上の写真は川口駅前に集まった在日朝鮮人の集会

彼等は先ず上野に向かう列車に乗り、そして新潟行の列車に乗り換えて船で北朝鮮に帰還します。
「帰還事業」については現在では批判的な意見が大勢ですが、当時としては左翼勢力だけではなく、日本政府も認めていた事なので、当時を知らない者としては何とも言えませんが、この映画が「帰還事業」に大きな役割を果たしたのは間違いありません。

「キューポラのある街」は北朝鮮でも上映され、吉永小百合は北朝鮮でも有名人になっております。
作り手の意図が何処にあったのかは判りませんが、この映画ほど「政治利用」された作品はないでしょうね。

そして下の写真は帰還列車に乗って手を振るサンキチです。

サンキチは父親(浜村純)と共に帰還列車に乗り込みますが、里心がついて川口に戻ります。
しかし、再び帰還列車に乗り込み北朝鮮に帰還します。
この写真は前回紹介したEF57牽引の客車列車です。
その後の北朝鮮を知っている私は、サンキチに「行くのをやめろ!」と叫びたくなりました。