『穴』小山田浩子
前回の投稿から長い時間が経ちましたね。夏は本当に忙しくなって、書く時間とエネルギーが無かったです。でも、最近読んだ『穴』について熱心に書きたかったんです。去年友達がこの本をおすすめして、今年の5月からゆっくりゆっくり読んでいました。
ゆっくり読んだけど、絶対に素晴らしい小説だと思いました。小山田の書き方は記述的で豊富な語彙を使います。何度も漢字の意味と読み方を調べなくてはなりません。多分日本人にはありきたりの言葉かもしれませんが、私には見覚えがありませんでした。それに私の忙しさのせいで、この短い小説を読み終わるのに数ヶ月かかってしまいました。
『穴』では主人公の女性のご主人が転勤して、二人で彼の田舎の実家に引っ越します。姑は借家があって、無料で住ませてくれました。ご主人が働いている間、女性は毎日一人で過ごします。
「1週間で飽きる、と思ったが実際は一日で飽きた。そして、一度飽きてしまえばそれは普通になった。。。時間が経つのは遅いのに、一日、1週間が過ぎるのが異様に早い。」
時間が経ち、不気味な雰囲気になってきて、ある日用事をしているうちに妙な獣を見て、追うようにして、深い穴に落ちます。その後も不思議なことが続きます。
よく難しかったのに、小山田の文調はとても気に入っています。読みながら生々しく想像できました。主人公の女の人と同じように異様な気持ちがしました。
「遊歩道の真ん中に、真っ黒で濡れ濡れと光る、大きいな犬の糞が落ちていた。その上部に銀色の蝿が二匹とまっていた。犬の糞が彼らの食糧だとして、それに手も足も顔も埋めて食べるというのはどんな気分だろう。彼らも動かなかった。もしかしたら死んでいるのかもしれなかった。食べ物にまみれて死ぬのはどんな風だろう。」
気持ち悪いけど確かに忘れられないくだりでしょうね。
『穴』の次には『いたちなく』という短編小説が続きます。以前よりも速く読みましたが、この物語にも面白い分がありました。後は読んだことがない『小島』という短編集も持っているけど、易しい何かを読みたいから、『魔女の宅急便 その2』を読み始めました。
その後なんだろうかな?
