バネガにゲームメイクを託すことを
一つの戦術のオプションにしてしまったのです。
記憶に残っているところでは、
チャンピオンズリーグ一回戦2NDレグ
シャルケ対バレンシア
(あまり参考になる映像がありませんでした...。)
以前の記事に、同試合の分析がありました。
シャルケ対バレンシア
http://ameblo.jp/barcelonanosyasou/entry-10826191271.html
前半、エメリはバネガにゲームメイクを託しました。
思惑通り、ボールを支配し、アウェーながら試合の主導権を握ります。
そして、前半のうちに先制に成功。
理想の展開で、試合を進めます。
しかし、前半終了間際にシャルケMFファルファンの鮮やかなFKで同点にされてしまいます。
後半、エメリはバネガのゲームメイクに頼る戦術から、
サイドを起点にした攻撃に切り替えます。
最後は、フィニッシュの部分で精度に欠け、カウンターから2失点を喫して、
シャルケに敗北しました。
この試合のポイントは、
・バネガのゲームメイクの戦術化
です。
前半、バネガにゲームメイクを託したことで、
バレンシアのボールが集まるポイントは、
自ずと中盤の中央になります。
これによって、
サイドを使う回数が少なくなり、
逆にサイドが空いてきます。
これを生かしたのが、後半の戦術となりました。
つまり、
バネガにゲームメイクを託すということが、
チーム唯一の心臓部の戦術ではなく、
1つのオプションに過ぎない
ということです。
多くの監督が、個の能力の高い選手に、
ゲームメイクを託すことによって、
無意識のうちに、その戦い方に依存してしまう。
その戦い方でうまく行かなかったときの解決策を施せない。
1人の個の能力を
戦術化し、
さらには、試合全体における1つのオプションにしてしまう
この発想に、エメリ監督のフットボール観が凝縮されています。
そして、卓越したフットボール観を持つからこそ、
彼は代表級の選手がいない戦力でも、
リーガエスパニョーラ3位 チャンピオンズリーグベスト16
という成績を残すことができたのだと思います。
エメリ・バレンシア。
今後も注目です。