ペドロは、バルサにおけるカンテラの重要性に言及した。
それは、話題が「バルサで外国人選手や外部から来た選手が成功する難しさ」に及んだときだった。
『どうして、外から来た選手は、これほどまでに
バルサのサッカーに順応するのに苦労するのだろう?』
「それは、バルサのプレーモデルが、下部組織の労働によるところが大きいからだろうね。
労働とはつまり、スタッフ含め、バルサに関わるすべての人たちの努力によって
プレーモデルが構築されていることを意味する。
バルサのカンテラでプレーする大きなメリットは、
そのプレーモデルを幼少時から頭に叩き込むことができる、ということ」
ペドロの答えは、明確だった。
バルサのプレーモデル
バルサのサッカーに順応するという意味
順応には、理解と認知が欠かせない。
それに加え、信頼も必要となる。
「トップチームに昇格したとき、気付くんだ。
ものすごく速く、自分がトップに順応していることに。
また、カンテラに絶対の信頼を置いている監督の存在も大きい」
ペドロは、ペップのカンテラに置く信頼を、ひしひしと感じるという。
無条件に、横たわる信頼。
幼い頃から、頭で、体で覚える理解、認知。
外部から選手がやって来た場合、往々にして「信頼」を構築する作業が必要となる。
どんなスーパースターでも、新参者である以上、
その実績と経験を、ピッチ上で示さなければならない。
しかしバルサの場合、
内部移動に関しては、極端に言えば、その作業を排除することが可能になる。
つまり、純粋に「スピードの違い」に順応すれば、
多くの問題をクリアすることになる。
幼い頃から、日々地道に積み重ねられる労働、努力、作業。
そこにおけるトップの信頼、周囲のサポート。
バルサの美しい勝利は、
蓄積と信頼の上に成り立っているものだ。
ペドロはそう語り、インタビューを終えた。