ロンドンから、帰って来ました。


今回、半取材という形で、ある選手のビッグトーナメント決勝の前後に、密着させてもらいました。



その選手とは。


女子日本代表 永里優季(ポツダム)



そして、永里選手にも、今回紹介という形で、ブログにて僕のことを少し取り上げてもらっています。



永里優季オフィシャルブログ

http://ht.ly/55kDs







ご紹介に与かりまして、自分の現状と、今後のビジョンなどを少し。



森田泰史(25)



スペイン、バルセロナで、サッカー選手として活動しています。


サッカー選手だけでは食っていけない手前、日本から来る遠征チームの通訳や、スペイン語のサッカー記事の翻訳などをしながら、「サッカー」という分野に広く携わっています。



海外と日本で、最も違うと感じるのは、「何か一つのものに絞る」ことに、拘りがないことです。




日本では、おそらく僕の活動は、「サッカーで食っていけないなら、サッカー辞めるしかない」となってしまうでしょう。そして、一見、確かにそれは道理です。


「通訳、もしくはメディアとして、食っていけよ」という声が聞こえてきそうです。




ただ、スペインでは、この向きが少し変わってきます。



サッカー選手でも、1部・2部Aの選手以外では、副職を持っている人が少なくありません。




セミプロカテゴリーと呼ばれる2部Bの選手までは、副職を持っている選手の方が少ないでしょう。


しかし、その下の3部Aからは、ほぼみんな副職を持っています。


けれど、彼らの実力差は、ほんの僅かです。


明日には、逆転するかもしれない差です。


だから、スペイン人は、サッカーを続けます。


サッカーを楽しみながら、チャンスを待ちます。


もし明日、「2部Bのチームが、お前に興味を持っているよ」と聞けば、彼らはチャレンジに出るでしょう。その一時を、虎視眈々と睨みながら、ただただサッカーをしています。うまくなろうと、楽しんでいます。


おそらく、サッカーが文化になっている国では、それが常なのかもしれない。



そこに、憧憬の念を抱きました。


同時に、危機感を覚えました。



「サッカーしているだけで、彼らに勝てると思えない」



-人として大切な、社会性や人間性。そういったものを培いながら、日々チャンスを狙うスタンスに移行しよう-



サッカーが文化になっている国で、彼らと同じ土俵で戦わなかったら、失礼だと、僕は感じたのです。




だから、働きながら、サッカーをしながら、チャンスにアンテナを張っていました。


そして、そのアンテナが、今、反応しています。


詳細は、決まってから報告したいのですが、今までにない新たなチャンレンジを、スペインで行おうとしています。



これは、1つ、忍耐と創造の成果だと、個人的には考えています。






そして、「サッカー」という対象に、多角的に取り組めるメリットは、少なくないと思っています。



通訳として帯同したFC渋谷トリプレッタとのMIC大会参加、ガンバ大阪Jr,ユースのバルセロナ遠征アテンドなどは、日本サッカーの大きな可能性の実感と、サッカー観の広がりを、僕にもたらしてくれました。



そのお仕事のお話も、いろいろな方を経由して、でした。ですので、誰にも与えられた役割ではないかな、と思っております。



恩恵です。感謝しております。





だからこそ、今。



自分は、多くの方々に、伝えていかなければならない立場に立ったな、と自覚しています。


日本では、情報はたくさんあると思います。



ただ、どれだけ「現実」や「事実」が伝わっているかといえば、僕は疑問を抱かざるを得ません。



僕の役割は、おそらく、矢面に立って「現実」を伝えていくことになるだろう、と推測しています。




僕も、過去そうでしたが、えてして日本人は、少しサッカーに関して「ウブ」だと、僕自身は感じています。


サッカーに、夢を抱きすぎてしまっている。



無論、サッカーの持つ力は、無限大。



ただ、その力を、最大限に解放するには、「現実的に理想を追求する」スタンスに切り替える必要があると、僕は思っています。



日本サッカーは、大きな発展を遂げました。


2010南アW杯ベスト16進出後、多くの日本人選手が欧州に渡り、各地で成果を挙げています(その多くはドイツであり、そこにはストーリーがありますが)。



CLベスト4のピッチに、日本人(内田篤人)が立つという、これまた歴史的な出来事が達成されました。





そして、今、日本は、現実を見据えつつ、確実に「世界で戦う」ための成果を挙げる段階に、踏み込んでいると実感します。


これまで“夢の舞台”であった、世界との対戦切符。現在それは、インテルの長友や、シャルケの内田、ドルトムントの香川、CSKAの本田などを見て分かるように、手の届く範囲にあります。



以前は、抽選くじのようなもので、手に入らないチケットに近かった。



今は、どこに売っているかわかっている分、手に入りやすくなっている。



もっと、着実に手に入れて行くため、論理的な思考と確実な工程の構築が、必要となっている。



そのために、現実を見据え、それを打破する解決策を打ち出していく作業が肝要だ。





どの分野であろうと、サッカーに携わる身である自分の目標は、まったく変わりません。



「世界に、勝つために」



そのためのヒントを、日々模索しています。



そして、そのためにすべきこと、必要なことを、日々実践するだけです。



世界との差は、縮まっていると思わないでください。



日本は、進んでいます。しかし、世界も進んでいるのです。



現実的に、彼らを打ち破りたいと、願っています。



そのために、日々戦うことを選択します。



挑むこと。



日本人の特徴である「ブレーン」「団結力」


これが、キーかな、と。



このブログや、


Twitter@Crackbajito


にて、多くの方々に、想いを伝え、また考えを共有させていただき、切磋琢磨していければ、と願っています。


その各々に、与えられた現実があると、考えています。



名前も、売っていかなければ。



森田泰史




永里優季と、同じ高みに、この名前が登っていかなければなりません。


そうでなければ、ここまで僕を信頼し、期待し、さらに理解してくれる彼女に、失礼ですので。



工程はどうあれ、予測を描き、過程を楽しみ、結果を打ち出したいと思っております。



皆々様、今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。