ロンドンから、帰って来ました。
今回、半取材という形で、ある選手のビッグトーナメント決勝の前後に、密着させてもらいました。
その選手とは。
女子日本代表 永里優季(ポツダム)
そして、永里選手にも、今回紹介という形で、ブログにて僕のことを少し取り上げてもらっています。
永里優季オフィシャルブログ
ご紹介に与かりまして、自分の現状と、今後のビジョンなどを少し。
森田泰史(25)
スペイン、バルセロナで、サッカー選手として活動しています。
サッカー選手だけでは食っていけない手前、日本から来る遠征チームの通訳や、スペイン語のサッカー記事の翻訳などをしながら、「サッカー」という分野に広く携わっています。
海外と日本で、最も違うと感じるのは、「何か一つのものに絞る」ことに、拘りがないことです。
日本では、おそらく僕の活動は、「サッカーで食っていけないなら、サッカー辞めるしかない」となってしまうでしょう。そして、一見、確かにそれは道理です。
「通訳、もしくはメディアとして、食っていけよ」という声が聞こえてきそうです。
ただ、スペインでは、この向きが少し変わってきます。
サッカー選手でも、1部・2部Aの選手以外では、副職を持っている人が少なくありません。
セミプロカテゴリーと呼ばれる2部Bの選手までは、副職を持っている選手の方が少ないでしょう。
しかし、その下の3部Aからは、ほぼみんな副職を持っています。
けれど、彼らの実力差は、ほんの僅かです。
明日には、逆転するかもしれない差です。
だから、スペイン人は、サッカーを続けます。
サッカーを楽しみながら、チャンスを待ちます。
もし明日、「2部Bのチームが、お前に興味を持っているよ」と聞けば、彼らはチャレンジに出るでしょう。その一時を、虎視眈々と睨みながら、ただただサッカーをしています。うまくなろうと、楽しんでいます。
おそらく、サッカーが文化になっている国では、それが常なのかもしれない。
そこに、憧憬の念を抱きました。
同時に、危機感を覚えました。
「サッカーしているだけで、彼らに勝てると思えない」
-人として大切な、社会性や人間性。そういったものを培いながら、日々チャンスを狙うスタンスに移行しよう-
サッカーが文化になっている国で、彼らと同じ土俵で戦わなかったら、失礼だと、僕は感じたのです。
だから、働きながら、サッカーをしながら、チャンスにアンテナを張っていました。
そして、そのアンテナが、今、反応しています。
詳細は、決まってから報告したいのですが、今までにない新たなチャンレンジを、スペインで行おうとしています。
これは、1つ、忍耐と創造の成果だと、個人的には考えています。
そして、「サッカー」という対象に、多角的に取り組めるメリットは、少なくないと思っています。
通訳として帯同したFC渋谷トリプレッタとのMIC大会参加、ガンバ大阪Jr,ユースのバルセロナ遠征アテンドなどは、日本サッカーの大きな可能性の実感と、サッカー観の広がりを、僕にもたらしてくれました。
そのお仕事のお話も、いろいろな方を経由して、でした。ですので、誰にも与えられた役割ではないかな、と思っております。
恩恵です。感謝しております。
だからこそ、今。
自分は、多くの方々に、伝えていかなければならない立場に立ったな、と自覚しています。
日本では、情報はたくさんあると思います。
ただ、どれだけ「現実」や「事実」が伝わっているかといえば、僕は疑問を抱かざるを得ません。
僕の役割は、おそらく、矢面に立って「現実」を伝えていくことになるだろう、と推測しています。
僕も、過去そうでしたが、えてして日本人は、少しサッカーに関して「ウブ」だと、僕自身は感じています。
サッカーに、夢を抱きすぎてしまっている。
無論、サッカーの持つ力は、無限大。
ただ、その力を、最大限に解放するには、「現実的に理想を追求する」スタンスに切り替える必要があると、僕は思っています。
日本サッカーは、大きな発展を遂げました。
2010南アW杯ベスト16進出後、多くの日本人選手が欧州に渡り、各地で成果を挙げています(その多くはドイツであり、そこにはストーリーがありますが)。
CLベスト4のピッチに、日本人(内田篤人)が立つという、これまた歴史的な出来事が達成されました。
そして、今、日本は、現実を見据えつつ、確実に「世界で戦う」ための成果を挙げる段階に、踏み込んでいると実感します。
これまで“夢の舞台”であった、世界との対戦切符。現在それは、インテルの長友や、シャルケの内田、ドルトムントの香川、CSKAの本田などを見て分かるように、手の届く範囲にあります。
以前は、抽選くじのようなもので、手に入らないチケットに近かった。
今は、どこに売っているかわかっている分、手に入りやすくなっている。
もっと、着実に手に入れて行くため、論理的な思考と確実な工程の構築が、必要となっている。
そのために、現実を見据え、それを打破する解決策を打ち出していく作業が肝要だ。
どの分野であろうと、サッカーに携わる身である自分の目標は、まったく変わりません。
「世界に、勝つために」
そのためのヒントを、日々模索しています。
そして、そのためにすべきこと、必要なことを、日々実践するだけです。
世界との差は、縮まっていると思わないでください。
日本は、進んでいます。しかし、世界も進んでいるのです。
現実的に、彼らを打ち破りたいと、願っています。
そのために、日々戦うことを選択します。
挑むこと。
日本人の特徴である「ブレーン」「団結力」
これが、キーかな、と。
このブログや、
Twitter@Crackbajito
にて、多くの方々に、想いを伝え、また考えを共有させていただき、切磋琢磨していければ、と願っています。
その各々に、与えられた現実があると、考えています。
名前も、売っていかなければ。
森田泰史
永里優季と、同じ高みに、この名前が登っていかなければなりません。
そうでなければ、ここまで僕を信頼し、期待し、さらに理解してくれる彼女に、失礼ですので。
工程はどうあれ、予測を描き、過程を楽しみ、結果を打ち出したいと思っております。
皆々様、今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。