さて。ドタバタしていますが、隙間時間を使ってブログ更新していこうかと。現在ゾーンとラインの概念と試合に及ぼす影響力について考察中。も、考えがまだまとまらずでそれはまた今度。



先日のマンU対バレンシアを見ていて思ったこと。「やっぱりな」と再確認したこと。


スペインのフットボールでは、「ボールを下げない」ということ。


スペインでは、ボールを無意味に下げることをものすごく嫌う傾向があるような気がする。


ジダンは以前、このように言っていました。


「メッシは現在世界最高のプレイヤーだよ。なぜかって?彼はいつも前にプレーする。決してボールを下げないんだよ。」



これはスペインと日本の大きな違いだと、僕は思います。


是非を問うのではなく、「違い」です。


スペインでは、ボールを下げるくらいなら、自分で運ぶドリブルで前に運んで失うことを選択します。


ほとんどの選手、ほとんどのチームがそうです。



無論、それでボールを失えば、容赦なく罵声は飛んできますがね、ホント理不尽なヤツらなんで(笑)ノー秩序ですから(笑)



日本では、「ボールを下げる」という行為は、「より前向きの状態の良い選手」を有効に使うことでボール保持という主導権を最大限に生かそうという考えにつながっているように思います。


「ボールを下げる」、その時間に、ボールの受け手は「観る」「準備する」時間を確保することができます。


さらに、その次のプレーに対し、他の選手が「準備する」時間も確保できます。




今、僕が考えているのは、この「失う」という現象が、即「奪う」「奪い返す」という作業とリンクしている気がしてきた、ということ。



つまり、「攻めるポイント」を決めれば、=そこが「失うポイント」になるわけで、そこを「奪い所」「奪い返し所」と想定して最初から集中的に攻めれば、そこで仮に一時ボールを失っても、すぐにボールを奪い返してそこを攻め続けることができる、ということです。


スペイン人は、これが本能的にわかっているんだろうなぁ、と思います。



スペイン語で言う「Recuperacion」は「ボールを奪い返す」「回復する」という意味を持っています。



この概念ではないかと。


Conservar(ボール保持)→Nos roban(奪われる)→Recuperar(奪い返す)→Conservar(ボール保持)=Sobre todo,conservar o seguir atacando(これを総合して「ボール保持」あるいは「攻撃権の維持」).


というのが根本にあるんじゃないかと。



ま、これは僕の感覚なんですけど、そんな気がする。



だから極端に言うと、「わざと失う」ということがあるような気がする。


「失ってもいい」ゾーンが決まってると思う。ゲームプランで。逆を言えば、そこが「奪い所」にもなるわけで。



だから、「ボールを下げる」ということは、「ボール保持」ではあるけれど、決して積極ではないし、フットボール的に攻撃的ではない。スペイン人は、「攻撃的でない」フットボールを嫌う。


ボールがずっとつながっている攻撃的でないフットボールよりも、蹴ったりロングボールを入れて相手陣内に押し込んでの攻撃的なフットボールを好む。そういった嗜好があるように思う。


「相手のゴール近くにボールを押し込むこと」。この概念はスペインに強く埋まっていると思う。



だから、「ボールを下げない」。


「ボールを下げない」ことが、攻撃に勢いをもたらすことを、彼らは本能で知っている。


逆にボールを下げれば、攻撃への勢いは削がれる。それを、彼らは拒絶する。



「ボールを下げない」重要性。


こんな概念が隠れているとは露知らずの外国人は、1つのバックパスに浴びせられる罵声に少し戸惑うかもしれません。