少し前に、モウリーニョの独占インタビューがスペインの私放送「カナルプルス」の“インフォルメ・ロビンソン”という番組で放送されました。
「あの時、グアルディオラに何を言ったのか」
http://www.as.com/futbol/articulo/le-dijo-mou-guardiola/dasftbpri/20100923dasdasftb_58/Tes
その中で、モウリーニョのボールポゼッションに対する見解があり、これは実に本質を突いていると思ったシーンがありましたので、今日はそこから抜粋&考察してみたいと思います。
ボールポゼッションをするために、しなければならないことが2つある。
1、ボールを保持すること
2、ボールを失ったときに何をするか明確にすること
2に関しては、どの場所でも好きなだけボールを保持すれば良い、という概念を捨てること。
つまり、ときにはボールを保持するために、ボールを失うことを選択した方が良いこともある、ということだ。
1は解釈不要。
2ですね、興味深いのは。
つまり、
ボールをポゼッションしたかったら、ときには自分たちからボールを失って、もう一度自分たちの形で守備をし、ボールを奪い、ボールをポゼッションした方が試合における最終的なボールポゼッション・試合支配率は高まるのだ、ということ。
これをさらにモウリーニョは「組織された上でのボールポゼッション」と銘打っています。
バルサのように、美しく人もボールも動きながらボールをポゼッションして攻撃的に勝つフットボール。
それとは別の、攻撃的なボールポゼッションをモウリーニョは志向しているような気がします。
モウリーニョの概念では、おそらく「自分たちの組織された形でのみボールポゼッションを行う」ことが最重要であり、「それを破棄してまでボールポゼッションにこだわるくらいなら、ボールを失ってもう一度ブロックを整えて守備してからボールポゼッションしましょうよ」ということでしょう。
つまり、大事なのは“ボールポゼッション率”という表面的な数字ではなく、“試合における支配と同等のボールポゼッション率”だということ。
これはなんだかボール保持率が高くても点が取れず、試合を支配しきれず勝ちきれない日本にとっては耳が痛いお話ですね。
モウはメディア向けに発言を用意することもしばしばなので、どこまで真意か図りかねるところも多々あります。
しかし、この言葉は本質を突いていると僕は思います。
そんなモウがどんなR・マドリーをつくっていくのか。楽しみです。