質問です。


問一、


「“技術”って何ですか?」



これはスペインに来て、度々自分に突きつけられる命題です。


そして、いつも思うのは、自分が日本で植え付けられてきた“技術”という概念は、「間違っている」ということです。


例を出します。



《例》


プジョルは、技術のある選手ですか?


プジョルは日本で言う、一般的に「技術のない選手」となると思います。もちろん、世界のトップレベルの選手と比べて、ということですが、リーガでもCLでも彼のところにボールが行くと、やはり覚束ない、危なっかしいところがあるように見えます。


つまり。「足元に不安がある」ということです。


しかし、こちらでコーチングスクールに1年間通っていたブログの相方とこの前話していたところ、おもしろい話を聞きました。


「プジョルは技術のある選手だ、というのがスペインでの評価なんだ」


どういうことかと言えば。


スペインでは、一般的な意味でも、“技術”という項目には、もちろん「DFの技術」という項目があります。


そして、その中で“Anticipacion”(予測)という項目があります。つまり、DFの際の予測、読み。そういったものが優れている選手がDFの技術に長けているとして「技術のある選手」と評価される。


プジョルは、この予測・読みに非常に優れており、その読みから発揮されるポジショニングは、まさに「技術」の賜物だと言えます。事実、彼は試合における1対2の数的不利な状況でも、しばし攻撃を寸断し、ピンチの芽を摘んでいます。


つまり、「技術」を最高に表現し、試合に貢献している


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パスやトラップのうまさだけが、技術ではない。


予測、読み、ポジショニング、スペースランニング。こういったものこそ、フットボールの試合において本当に真価を発揮する“技術”なのだ、と。




“技術”。表面的な理解だけに留めておこうとすると一人歩きしてしまう、危険な言葉です。




「“技術”って何ですか?」