リーガ・エスパニョーラも今季は全日程が終了したことですし、そろそろW杯モード。

スペインではそのような盛り上がりや風潮はほぼまったくありませんが、それもそのはず、まだスペインでは2部A(実質の2部)がリーグ戦を行っております。この時期は各リーグとも昇格戦を戦っているのでまだまだ見どころ満載なのですが(カタルーニャ州に2部Aのチームが誕生するか。Sant AndreuBarca Athreticに大きな期待)、日本人の

僕はここらで日本代表について触れておきたいと思います。



我らが日本代表。先日のイングランド戦では1-2と惜敗も善戦した、というのがおおまなかな見方のようです(自分はこの試合は都合がつかず見られませんでした)。僕もハイライトでまとめられた20分ほどの映像を見ましたが、局面局面ではピンチ、チャンスの数とそれほど大差はなかったのではないでしょうか。

僕は結果論はあまり好みませんし、実際フットボールの試合と言うのは90分見て初めて何かを語れるものだと思いますが、敢えてここでは日本人的に意見を言わせてもらいたいと思います。






≪新システムについて≫

この試合は4-3-3で戦ったようですが、試合を少し見る限りこの試みは悪くなかったのではないでしょうか。




4-3-3と言っても、カウンター重視の守備的な布陣のように見受けられました。それがまた現実的で、うまく機能したのかな、と。また先発メンバーの布陣との相性も良かった印象。


まず中盤にアンカーを置いたこと。これは守備の際に攻撃の芽を摘み取るポジションが明確になる、という意味では有効だと思います。



そして、その中盤に阿部と長谷部を起用したのも良かったのではないかな、と。特に長谷部は局面局面で“行ける”。つまり、危ない場面では泥臭く体を投げ出せるし、ルーズボールにもスライディングで〈球際の局面〉を自ら創り出すことができる。あれは正直、海外でやっているからならでは、の業だと思います。




≪“球際の局面”という争点を創り出す作業≫



海外の選手は、例えば相手の中盤がFWにタテパスを入れる時。そこに網を張っておいて、そこで足が届かないとしても、滑ってそのパスコースに身を投げ出します。それが受ける側の判断を一瞬鈍らせ、コントロールが乱れたところをもう一度チャレンジに行ける。そこに争点(球際の局面)を創り出す。世界ではこういった泥臭い作業が逐一必要な場面が多々あります。




特に相手の方が格上となっては尚更。インテルですらバルサ相手にそういうことをやるわけですから。



長谷部は、そういった作業の必要性を体で知っている感じがしました。それはチープな言い方をすれば“戦う”という姿勢の一つの表現方法かもしれません。そしてこれは、世界を相手に戦うとき、とても重要な作業だと僕は思います。





≪ゴールの匂いは本田、森本から≫

本田のミドルとFK、森本のゴール前の動きは日本の唯一と言っていい武器になると思います。



後半、本田のパスから森本が素晴らしいプル・アウェイの動きでDFの裏を取りPA内に侵入しシュートを放った場面。僕は最もゴールの予感がしました。




やはりW杯ではチャンスはそう多くないと思います。ああいった場面をいくつ作り、1点を取れるか。勝負はそこになると思います。




DFライン≫

何だかこう書くと「完全なる海外かぶれ野郎」になりそうなので、違う側面からも(笑)。DFラインの働きは非常に良かった。SBに長友、今野を置くシステムは一部では「守備的に過ぎる」との声もあるようですが、僕はとても良く機能していて良いので

はないか、と思います。


サイドでの1対1の対応も悪くないし、中に絞り込んでのカバーリングも良いように思えました。



中澤が衰えてきているのは正直、そして残念ながら事実であるし、それはもう目に見えて明らかです。DFラインでは見ていてもあそこが一番怖い。ウィークポイントになる怖れがあります。ただ、現実には彼よりも経験・実績・総合的な能力を持ってして上回る選手はいないし、ポジションからいっても実力差がある選手をリスクを負って起用するポジションではありません。個人的には中澤は好きな選手ですし、ここまで代表を背負ってきた選手ですから、最後は魂でどうにかしてくれると信じます。