ポイントを整理します。



「スペースの概念」「ポジショニング」




まずは、「スペースの概念」から行ってみたいと思います。





「スペース」とは?




空いている空間ですね。




スペースを確保できれば、より良いプレーができます。


なぜ?

余裕が生まれるからです。


余裕とは?

「時間」です。



「1タッチパスについても、その意義はパスの受け手に時間とスペースを与えることにある」―オシム


このスペース。これをいかに確保するか。


日本のサッカーを見ていると、この「スペース」を殺すためにランニングしているような場面が多く見受けられます。


走っているのですが、非常に非効率なのです。


例えば、「数的優位をつくれ!」と言われ、何でもかんでもサポートにひた走ってしまう選手が少なくありません。


このランニングが、スペースを殺してしまっている。




サポートに来る選手が近すぎたら、ボール保持者はスペースを失ってしまいます。


その結果、そのサポートに来た選手のマーカーも寄ってくるとなると、その一瞬の局面においては2対1のような錯覚に陥っても、その数秒後にはすごく狭い局面での2対2を強いられる可能性があります。これでは、ボールを失うためにランニングしているようなものです。



重要なのは、「いつ」走るかです。


この「タイミングの良い走り」というのが疎かにされている気がします。



では、「いつ」走るか?


自分のマーカーの目がボールに行った瞬間です。



では、「いつ」マーカーの目はボールに行くのか?



自分のゾーンにボールが侵入してくることを予測した時です。



逆サイドからロングキックが蹴られる場面もありますが、ここではもっとわかりやすく同サイドにボールがあることをイメージしてください。


同サイドにボールがある時、自分のマーカーがボールを見るときとは?


ボール保持者がドリブルで自分のゾーン目掛けて侵入しようとするときです。


もちろん、この時ボール保持者にもマーカーはいます。


しかし、この時このボール保持者がよりスペースを持っていれば、周りを伺いながらドリブルでボールを運ぶことができます。そして、これこそが「スペースを持つ意味」です。


けれども、この時他の選手ががんばってワン・ツーを受けに無理に寄って来たり、オーバーラップしてきたらどうなるでしょう?



このドリブルのためのスペースは台無しになります。少なくとも、より狭いスペースでのドリブルを余儀なくされます。





これでは、この「走る」という行為はマイナスになってしまいます。なぜなら、味方のスペースを消し、味方の選択肢を減らし、なおかつ体力を消耗しているからです。



だから、「数的優位を作るために」がんばって走ることは、場合によってはマイナスの効果を生み出しかねない、ということになります。


この「スペースの概念」による、効果的な「走り」というのを、より詳しく知るために必要なのが、「ポジショニング」です。




次回へ続く