≪“策士”モウリーニョ≫

今現在フットボール界でモウリーニョの名前を知らない人はいないのではないでしょうか。

彼には独自の理論(戦術的ピリオダイゼーション)やそのインテリジェンス溢れた“舌戦”を通した駆け引きなど様々な能力が備わっていますが、その中でもこのゲームで明らかになったのはやはりずば抜けた“ゲームを読む力”。

まず最初のサプライズは先発でパンデフを起用してきたこと。そして、これがずばり的中。バルサにとって彼のインテリジェンスとタフさはかなり厄介なものになりました。メッシ対策でCLグループリーグ予選の時のように左SBにキブを置いてザネッティを中盤起用するパターンの方が機能しそうな予想があったため(実際これも予選のインテルホームでは機能して0-0に抑えている)、少し面食らったバルサ。そこでバルサの右、インテルの左サイドでこのパンデフに基点を作られなかなか手こずっていました。

インテルの2点目はまさにこのパンデフにやられましたからね。中盤でパンデフがバルサの中盤のプレスを個人で2,3枚剥がしてカウンター。D・ミリート→マイコンとつないで得点を奪いました。

さらに驚くべきはスタンコビッチの交代とそれに対する指示。

この調子の良かったパンデフをあっさり代えてスタンコビッチを投入。その狙いはまさに“2列目からの飛び出し”。

バルサが2点目を奪われ、同点にしようと前がかりになったところを、すかさず高いラインのウラをスタンコビッチが2列目から狙っていました。

それはこっちは外から、テレビから試合を見ているからそうやって理論的に捉えられるけど、あんなビッグゲームで選手も審判もどこか正気を失いかけている中で、あんなにも冷静沈着に的確な手を打てるかね。脱帽ものです。