スペインの布陣は4-2-3-1


         カシージャス


S・ラモス   ピケ  プジョル   アルベルダ


     X・アロンソ  ブスケッツ


シウバ      セスク      イニエスタ


           ビジャ




序盤はフランスのホームであることもあって、少し押し込まれる展開となった。


中盤にしっかりとブロックを作って、間を作らない守備網はスペインのボール回しを苦しめた。


スペインはビジャのスペースへの飛び出し、中盤でのしつこいまでのタテパス、ピケやブスケッツのチェンジサイドで活路を見出そうとする。しかし、実際はビジャが先制点を取るまではフランスペースのゲーム展開だったと思う。


シウバ、イニエスタの両サイドは、卓越した戦術眼を持ってサイドに張って相手DFを引っ張る時と、中に入ってきてゲームメイクに参加するときの判断が絶妙。まさに世界トップレベルのプレーメイク。



しかし、やはりチャビが必要ですね。セスクにはまだ少し早いのかな、という印象。グアルディオラのいた時のチャビもそんな感じだったのだろうか。スペイン代表にチャビがいないことは考えられない。



すごいと思ったのは、ブスケッツピケ


ブスケッツは、バルサでは完全にチャビの“壁役”に徹しているのに、この日はロングパスを用いてしっかりゲームメイク。本当に大きく成長した選手の一人だと思う。

ピケは、バルサでは「ペップに指示されているのかな」と思うくらい最近はフィードをしないのですが、この日の代表戦ではしていました。しかし、まだ確率性が高いロングフィードしかしない。もっと厳しいところに勇気を持って蹴れるようになったら、ピケは一皮むけそうだな、と。


前半は先制点を取ってから、徐々にスペインペースに。ボールを保持しながら、じわじわ攻めて行くスペインのスタイルに。本当にボールを失わない。まず、“個”でボールを失いません。それが、日本などとの“ボールポゼッション”の概念の一番の違いだと思う。


シウバもイニエスタもセスクも小柄だし細身だけど、だからといってむげに“身体接触を避けたプレー”に逃げない。当たられに来たら、自分からまず体を当ててボールをブロックして、キープする。フィジカルコンタクトのスキルが非常に高い。


前半の終盤に、S・ラモスのゴールで追加点。前半を2-0で折り返す。



後半に入って、ビジャ、セスク、プジョルに代えて、トーレス、チャビ、アビオルを投入。


まぁこの交代前に、勝負は決まっていた。今スペインに2点先制されて、取り返せるチームなどほぼ存在しない。


それにしても、やはりトーレスは怪物。あれはちょっと別次元。スペインにはなかなか生まれないタイプ。持って生まれた身体能力が違う。


後半は特に見せ場もなく、ボールを保持し、トーレスのスピードを生かしたカウンターを時折見せ、リーグ戦で疲れた選手に適度に休養を与えるためいくつかの交代がなされ、2-0で試合終了。



フランスには、少しがっかり。ネームバリューほどの強さは、今のフランスにはもうない。“個”の力で、差がありすぎる。通用していたのはリベリーとアネルカくらいじゃないかな。後半からはマルダもがんばっていたけど。グルキュフは騒がれているけど、あと2~3年経験が必要だと思う。それでも大成するかはわからないけど。この日不在だったナスリ、不調に喘ぐベンゼマが帰ってきたとしても、今のフランスはちょっと厳しい。。



スペインを見ていて、本当にこのチームに勝てるチームがあるのか、と思った。ボールを持たして主導権を握らせたら、思う壺。かといって常にフィニッシュで終わって陣形を整えて守備をする、なんてことは日本代表が90分間走り切るのと同じくらい不可能なこと。フットサルじゃないからね。


昨日見て、相変わらず強さを見せたブラジル。なんやかんや本番に強いドイツイタリア


さて、W杯が近付いてきました。