中村俊輔選手のエスパニョール入りが決まってから、早くもチームはキャンプインして今季に向けての戦いに備え始めています。


まず触れておきたいことは、監督のポチェッティーノが、ピッチ上に通訳を置かないことを命令したことです。


これには明確な狙いが二つあり、


①規律の面で特別扱いの選手がいないことを示す


②一日も早くスペイン語、チームの生の空気に慣れてもらう


という意図が見て取れます。


今は、こちらで知り合った僕の友達でもあるM君が緊急通訳をしているようですが、正直俊輔のスペイン語能力というのはどれくらいのものなのかは未知数です。


言葉は絶対的に必要です。なぜなら、サッカーはコミュニケーションのスポーツだからです。


伝えたいことを伝えること。それも、スペイン人というのは、えてして我が強い。プロ選手ともなれば、もっとです。彼らに負けないよう、主張しなければなりません。


サッカーというスポーツの場合、もちろんプレーを通じて語ること、伝えることも可能です。ですが、それにしても外国人の選手がどれだけ理解していて、どれだけ伝えられていて、どれだけコミュニケーションができているのか。それは最も重要であり、それでいて不確かであり、未知数でもあります。


俊輔の場合、ヨーロッパで数シーズン過ごしてきた経験がありますから、そんなに文化の違いに戸惑うことというのはないようです。


それは、


「ナカムラはスコットランドでやっていたから、文化の違いというものには順応している」


というポチェッティーノの言葉にも表れています。


このポチェッティーノという監督は、もともと数シーズン前のエスパニョールの選手だった経歴を持つアルゼンチン人です。そして、彼が在籍していたシーズンのうちに、西澤選手がエスパニョールに在籍したシーズンが1シーズン被っています。


なので、彼は


「ニシザワは文化と言葉の違いに苦労していたようだったから」


という理解を示した上で、一日も早く俊輔がスペインに慣れることを期待しているように思います。


俊輔の今季における可能性、その第一歩は言葉と文化に慣れ、コミュニケーションを密にとり、監督とチームメイトの信頼を勝ち取ることから始まっているようです。