こんにちは。
さて。少し前にも書いたとおり、僕はこの期間新たなチームとの契約を確保するため様々なチームに練習参加の申し込みをしているのですが、そのうちの1チームが今練習参加を受け入れてくれています。
そのチームは7部で中位~下位を彷徨っているチームですが、もちろん今季僕が属していたチームよりレベルは高くなります。
まずは「どんな感じなのか」という感触をつかむためにも新しいチームでの練習参加。期待もあり、不安もあり、そんな中で3日間の練習参加を今のところ終えました。
率直な感想。「うめぇ」。でした。
7部でこれくらいできるんだもんな~。すげぇよ。
練習のグラウンドは土なのですが、みんなキチッとトラップ&コントロールはできているし、無駄なミスはないし、ボールは回るし。
で、みんな人間的にいいヤツです(笑)これはでかい!初日とか全員話しかけてきましたからね~。で、すぐに名前覚えてくれて。「YASU、YASU」って。それはいつも素直にうれしいです。
そんな中、昨日の練習での一幕を少し紹介。
いつも通り、監督が練習前にみんなを集めて輪になってミーティングが始まりました。
そしていつも通りカタラン語でしゃべり始めました。
*注:「カタラン語」というのは、いわゆるスペイン語(「カスティリャーノ」と呼ばれる)とは違う、カタルーニャ地方独特の言葉です。ちょっと強い方言だと思ってください。
僕はカタラン語はわからんので(監督はそれを知っている)、いつも大体の単語と大筋の流れだけ汲み取れるように聞いています。
そしたら、そのミーティングの流れの中で、「YASU」という単語が出てきました。
僕のここでの呼び名です。どんなバカでも、カバでもわかります。
「んっ??」
頭の中は「?」尽くし。
「YASU,寝てるのか?」と、監督がすかさずカスティリャーノ(スペイン語)で突っ込み。「えっ、何?」と聞き返す僕に、「今日アップお前がやれって言ったんだよ」と。
「え~っ」(心の叫び)
「なんで俺?いや、やったことないし。正直めんどくさいし。スペイン語でやるんでしょ、しかも。そりゃそうだ、周りは全員スペイン人。何、これ。無茶ブリでしょ。いや、無茶だよ。ってかヤムチャだよ。チャオズだし、テンさんだよ。」(これはすべて心の叫び)
この思考の間、約2秒。
「YASU,やれるんだ・・・?」という監督の言葉が言い終わるか終らないかという瞬間に「VAMOS!」(行くぞ!)と先頭を切って走り出しました。
やってやる。こうなったら何でもやってやる。もしかしたら、監督は俺のスペイン語と統率力とやる気を試しているのかもしれない。
と、完全に勘違いを起こし(笑)、勢いでやってみました。この日本人的思考。まぁ積極性を見たかった、というのはあるのかな~。いや、それもないな。アイツら絶対そんなに物事考えていちいちやらないよ(笑)
たかがアップ、されどアップ。ましてや知り合って間もない成年スペイン人を率いて拙いスペイン語で先頭に立つ。緊張。
なんやかんや周りのサポートもあり、(僕が「何やろう」となったとき、「YASU,ジャンプ、ジャンプ」って教えてくれたり)、一通りこなして・・・
「じゃ、最後にストレッチ!」でまとめると、みんなから盛大な拍手(笑)
大げさにも、精いっぱいやったのが高評価だったらしく、照れ臭くなりましたが、右手を挙げてそれに応えました(笑)
「これで俺も認められたのかな・・・」なんて思考はいかにも大げさな日本人的思考なのでしませんが(笑)、みんなに僕の存在を強く意識してもらい、溶け込みやすくなったという意味では、積極的にやったかいはあったかな。それで新しく来た人などは俺の名前を覚えてくれたりね。
こっちでは、やはり積極的に自分から出していかないと何も始まらない。失敗したって、恥かいたっていいから自分が真っ先に先頭に立ってやるんだ、という気概がなかったら彼らは何も相手をしてくれない。これは「欧米だから」というよりは「こちらが外国人だから」という理由の方が強いように思われます。
こういう時に、えてして日本人というのは「羞恥心」が強く頭をもたげ、この壁を取り払うのに苦労します。それが日本人が海外で成功するのに難しい点でしょう。
そんなことを考えさせられた、昨日の練習参加でした。