これでも真面目な獣医の動物病院マル秘裏諸事情
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エキゾチック動物の難題

動物病院というと基本的には犬と猫の来院が多いわけですが、ウサギやフェレット、カメや鳥の診察も行う病院もあります。

イヌネコ以外は御断り、という病院ももちろんたくさんあります。

最近ではそういったイヌネコ以外の動物(エキゾチック動物といわれる)専門の病院やエキゾチックに強いといわれる病院もチラホラですができてきてますので、エキゾチック動物はそういった病院へ行った方がよいでしょう。


でも私が仕事をしている地域ではそのような病院がないため

診てもらえますか?という問い合わせを頂くと、診察はするようにしています。

ただ診れない種類については申し訳ないがお断りさせてもらいますけど。


で、今日の本題。

エキゾチック動物が来ても困らないように、勉強するようにはしているのですよ、これでも。

こういうときはこういう病気が疑われるので、こういう検査が必要だ・・・、などなど知識は少しづつでもつけれるようしているし、

昔からわりと色んな動物を飼育してきたため、それなりに飼い方も知っているとは思っています。

でも、

・・・検査できないんです。

できないわけじゃないものの、検査するのが怖い動物が多いのですよ。

例えばウサギ。

おとなしいウサギはいいものの、暴れるウサギはものすごい暴れます。

幸いまだ経験はないものの、ウサギは骨が弱いので、無理な体勢になってしまうと簡単に骨折をしちゃいます。

病院で骨折させるわけにもいかないし、ましてや検査が原因で死なせてしまうことは絶対に避けたい。

(実際にそういう話があるんですよ、レントゲン撮ろうと思ったらショック死してしまったとか)

それにあんまり押さえ込むようにするのは、飼い主様からの印象も悪いわけですよ。

小動物の検査と言うのは非常に難しいんです。

専門の病院はどうやって検査してるんだろう!?





緑のワンコ!?

この仕事をしていると様々な動物をみるのですが(←当たり前)、色んな環境で飼われてるもんですね。

毎日一緒に寝たり、手作りの料理をもらったりと非常に大事にされているワンコもいれば、逆にあんまり可愛がられていないのかな?と思ってしまうワンコもいたりするわけですよ。

そんな中で最近来院したワンコ、ひとまずムックちゃんとして呼ぶ事にしましょう(またかよ・・・)、は見た目は可愛く、6kg位の小型のビーグルです。ビーグルといえば、スヌーピーのモデルにもなった犬で、白・茶・黒の色合いのはず。

でも、でもですよ、このムックちゃん、緑色なんです・・・。

なんで?

ムックちゃん、小型犬なのに外飼いなんです。

しかもあんまりシャンプーしたことがないらしい。

なんで緑色なのかというと、小屋の中に敷いているものが、五月飾りの飾り台の下に敷く緑色の絨毯だとのこと。

(何て言うんだろう?)

その上で寝ていたら、体が緑色になってしまったらしい。

あんまり可愛がられてないのかな?、と思ってしまったものの、飼い主さんのムックちゃんを見る目は優しく、言葉の節々には愛情が感じられる。

”この子はこれでいいんですよ”とは飼い主談。普段から緑色のまま散歩にも行くらしい。当然、人目をひくそうです。

すごくあっけらかんとした、飼い主さん。

過保護すぎるんじゃないかという飼い主さんも多い中、たまにこういうワイルドな飼い主さんもいるんですよね。

でも個人的には過保護すぎるのは好きじゃないので、こういうワンコの方が好きかも。

病気もこういうワンコに限って少ない気がします。

病気に気付かないだけなのか・・・?


写真は飼い主様提供です。
緑かい

クマッた、血管がもう限界かも!?

さて、何から書こうかというわけで、いま困っている事からご紹介。

病気で毎日通院中のワンコ。

なぜ毎日通院中かというと、”慢性腎不全”という非常に厄介な病気。

人間であれば人工透析に週三回くらい通うことになる病気ですね。

腎臓が悪いとどうなるかというと、体から毒素が排泄されない・脱水状態になるetc.で最終的には命に関わるものなんですよ。

慢性腎不全といってもその程度は様々なわけだけど、いま通ってるこのワンコ(ひとまずムックちゃんと呼ぼう)は、非常に深刻な状況。

ムックちゃんの場合、毎日点滴に通わなくてはならないほどの状態で(動物では透析は不可能)、2日以上点滴の間隔があくともうグッタリの瀕死状態。

だから毎日のように点滴してるわけですよ。

でもここで大きな問題が・・・。

ムックちゃん、小型犬なんですよ。

それがなぜ問題かというと、血管が潰れちゃう(!!)のです。正確に言うと本当に潰れるわけじゃないんだけど、点滴を入れる管が血管に入らなくなってしまう。


点滴を入れる管というのは”留置針”と呼ばれるもので、簡単に説明すると、ストローの中に竹串が通っている状態を想像していただけるとよろしいのではないかと。

ストローの中から竹串のとがった先端だけが出ている状態です。

この時、竹串(内套という)をストロー(外套という)と一緒に皮膚の上から血管に刺し、血管に刺さったところでストローだけを血管の中に滑り込ませ、竹串だけ抜くわけです。すると軟らかいストローだけが血管の中に入ります。で硬い竹串はもう用無しなんで廃棄。

これで点滴の管の設置完了。


問題なのは小型犬であるため脚が短いしょぼん

人間だったら、自分の腕を見てもらうとわかるだろうけど、血管は真っ直ぐだし、そこまで腕短くないっしょ?

でも小型犬ではそうはいかない。タダでさえ腕は短いし血管はグネッと蛇行してる事が犬種によってはあるんですな。

ムックちゃん、これを何か月もやっているため、血管が極細く硬くなってしまい、血管にストローが入らない・・・。

点滴に使える血管は限られているため、もうどの血管も限界状態。

腕の皮膚もキズだらけだし、獣医として正直ここまでやっていいものかどうか

迷うこともあるわけだが、

点滴していると割と状態は落ち着くし、

なによりここまで毎日通院するオーナーさんの努力もあるのでこれからもやれる限りはやるしかないですわ。

でももうその限界まで近づいてるわけだけど。


それにしても毎日何千円の経済的負担を何ヶ月か続けてるオーナーさん、

セレブ

いやホント頭が下がります。

たぶんオレが飼い主だったらそこまでしてあげられないだろう・・・