映画、岬の兄妹をみて、自閉症スペクトラムの息子を持つ母としての感想。
うちの家の末路もそうなる可能性があるのかもしれないとドキッとした
他の人の感想、レビューもみたけど
当事者として色んなことをおもった。
まず重いって感想が多かったけど、私はそう思わなかった。貧困とか福祉とかダメな兄とかそういうこともあまり思わなかった。一番は障害児を育てる家庭のリアルさ、大変さ。
私の予想では
お母さんは疲れて出ていっちゃったのかな、と。
障害児の親がいなくなるとどうなってしまうのか、障害児の親や保護者の負担。
真理子が言うこときかない、すぐ家から出ていっちゃうなどで兄の良夫はイライラしたり怒鳴ったりしてた。
うちもおなじ。
一人で障害児をみながら生活するって本当に大変なこと。
つきっきりでいなきゃいけないし、仕事もろくにできない。ストレスもたまるし、怒鳴りたくもなる。家の片付けなんてし続けてもずっと散らかってる。
その上、良夫は片脚が悪い。相当大変だと思う。
そういう大変さ、ストレスが日常的にあると頭が狂っておかしくなってきて何も正しく考えられなくなっちゃう
そんな中で売春につながっていったんだとおもう
そんな正しい思考ができないくらいいっぱいいっぱいでも良夫が真理子を大事におもってるところが所々にあった。
そんな良夫を誰が責められるだろうか。
真理子が小人症の人のアパートまできて泣き喚いてたシーンは、私も泣いてしまった。
悔しいよね。自分だけ。
私の息子の本音を見たような気持ちになった。
自分の息子と重ねて、真理子が愛おしくなった。
最後のシーンは真理子が小人症の彼を待ってる顔だと思った。切ない。けど、真理子が人を好きになることを知ったのならすごく嬉しい。誰とでもでいい、じゃなくて、彼がいい。
人を愛する、人から愛される。誰にとっても一番大切なことだと思う。
うちの子も家で暴れたりするけど、心で考えていることはママが大好き。家族が大好き。
そういう君がママは大好き。
真っ直ぐに生きてる。
それでも私だって逃げ出したくなるときがある。全部放り出してやめちゃいたくなるときがある。
誰か良夫に手を貸してあげてほしい。
脚も頭も悪いのかもしれない。でも周りの人が助けてあげたらいいじゃん。少しだけでいいんだよ。気持ちだけでいいんだよ。そういう大変な生活をしてる人がいるってことを知ってほしい。
それだけ。