うちのお墓はちょっと遠くの静かな山の中にあって
送り盆を兼ねて16日にお墓掃除に出掛けるのが
我が家のお盆の風習になっている。
実は、きのうのお墓参りで
右手の親指の付け根辺りを蜂に刺されてしまった。
二日目のきょうは、手の甲にまで腫れが増して醜い。
まるで、ゴム手袋に水をいれたようになって
血管どころか、関節すら見当たらない。
そんな腫れ上がった甲に唯一浮き上がった ひと筋。
それは、ずっと忘れていた傷痕。
幼稚園のとき、好きな女の子がいた。
とってもちいさくて、いつもニコニコしてて
体操教室に通うような明るくて元気な女の子だった。
あるとき、幼稚園の近くの境内で
そんな彼女が じっとしていた。
彼女の見つめる先には
同じく彼女を見つめる犬がいた。
逃げ出した彼女に 吠えながら犬が追いかける。
そのとき自分は 夢中で犬の前に飛び出していた。
そのあとのことは、不思議となにも覚えていない。
ただ、右手から血がたくさん出てきたことと、
親にも なにも言えなかったことだけが
微かな記憶として残っている。
取るに足らない、たったひとつの武勇伝。
エイミーが怯えているとき
自分は無心で飛び込めるだろうか。
あの頃とは違う、様々なものを背負った自分に。
飛び込めたひとが、いちばん近くで
エイミーを幸せにするべきだと思った。
飛び込みたいと思った。
エイミー、応援してます