高校の合唱部(音楽部)の話です。

悪気はないのだけれど、自意識過剰で、自分はかわいくて歌が上手いと思っている、目立ちたがりの女子高生荻野かすみを夏帆が演じています。


自信があった「美しい」はずの自分の歌う顔が、「変」「産卵中のシャケみたい」などとけなされ、すっかり歌への愛情も自信もなくし、合唱から離れようとするかすみだったが、他校の不良合唱部の魂を込めた合唱や、その統率者のゴリの言葉に影響を受け、自分のこれまでの合唱に対する考えや自分自身について考え直し、「合唱」の素晴らしさに気づく。


夏帆は、そのちょいボケキャラがコミカルで、ちょっと不自然さもありながら、役にはあってたと思う。


この話の発端となる「歌う顔」については、私も同じく感じたことがある。


歌うときって、口角を上げ、頬に肉を集める感じ(「ほっぺにたこ焼きを作る」って指導する音楽の先生も・・・)で、「頭から声を出す」等の指導もあり、それらを結集すると、ちょっと顎引いて頭から声出そうとするから、ちょっと目も上目遣いになったりしつつ、思いっきり口角上げ~の・・・で、ちょっと「変顔」にもなりがちなのです。


そして、歌にめいっぱい気持を込めようとすれば、それがやや過剰な表現にもなり、不自然にも見えがち。


高校時代、半分くらいは合唱部に所属した私も、そのことを、ちょっと「ひっかかり」に感じた時もありました。


その点について、ゴリが、何かを本当に一生懸命やれば、それくらいの顔にはなるし、そんなの気にしてたらダセエ(本物じゃない)ってなことを言い、その例として清原の写真(ボールを打つ瞬間)を見せます。

確かに打つ瞬間って、「歯を食いしばり・・・」みたいな表情だけど、いい顔で打とうなんて思うバッターがいるわけもないしね。


あと、薬師丸ひろ子が、産休の教師の代理講師として出てるのですが、


(以下ネタばれ)


実は、ゴリが女神とあがめるストリートミュージシャンで尾崎の良さをゴリに教えた人物だったってことになるんだけど、この人物像がまったくよくわかりません。


ストリートやってた人なら、「外」に慣れてるはずなのに、学校での最初の挨拶の時に「日差しが・・・」とか言って倒れそうになったり、指揮は全く出来ません的に、妙にしろうとぶった感じで「何もできない代理教師です」って感じを強調してて、最後にいきなり、自然な指揮をして、人物像的にも音楽の先輩的に変っちゃうの。

これは、わからないな~。


最後の合唱コンクールのアンコールのところで、客席も歌に加わってくる盛り上がりの部分は、一緒に歌いたくなるような高揚感があります。


全体として、笑えるポイントもあり、歌も楽しく、よかったと思います。(~o~)