おはようございます。弓木です。
いきなりではありますがチェロと言えば……
細部にこだわったオーセンティックバー?それとも、最近話題に盛り上がる2号店の本格派コーヒーのバー?
それとも……
やはり人によってはジンのお店という印象がある方も多いのではないでしょうか?
最近、有難いことに焼酎の造り手さんや関係者の方のお話を聞かせていただく機会があり、「日本人は自国の酒の魅力に触れない。ウイスキーなどの洋酒には興味を持つのに」という話が個人的に強くささりまして、今回は焼酎に触れようと虎ノ門にある日本の酒情報館さんへ行ってみました。
さっそく出迎えられたこちら。
オシャレな居酒屋さんの入り口付近によく見る気がしますが、ちゃんと由来があったなんてはじめて知りました……
恥ずかしながらただの飾りだと思ってました汗
館内は主に試飲をメインにしたコワーキングスペースのような形状で、日本酒をはじめ、焼酎や甘酒なんかも、色々な日本の酒文化を飲みながら学べるようになっておりました。
さて、冒頭に話したチェロと言えばの話ですが、国産ジンには焼酎の造り手さんが手がけるジンが多くあり、ここの試飲リストの中にもチェロに置いてあるジンの造り手さんの焼酎が……
424というジンをつくっている鹿児島の志布志市にある若潮酒造さん。
地元の酒造メーカー5社が一緒になって1968年に創業した酒造さんで、焼酎の伝統的製法に基づきながらも、新たなる可能性と挑戦に励んでいます。
今回いただいたのは酒屋が選ぶ焼酎大賞で2回連続大賞を取ったことのあるシリーズGLOW。
芋が原料の焼酎とは思えない柑橘やトロピカルフルーツのようなフルーティーさがあり、爽やかで飲みやすい。424ジンにも共通する造り手が目指す酒質へのこだわりを感じました。
ちなみに下が424のジン。世界的にかなり稀なスギの木樽の蒸留器を使っていることも特徴のひとつで、個人的にジントニックが美味しいです。
さらにコーヒーバーの方には鹿児島県日置市に1883年から続く有名な本格焼酎の造り手 小正醸造さんが手がける嘉之助のウイスキーがあるのですが……
嘉之助は世界的にもかなり評価が高く、人気高きウイスキー。こちらの蔵元さんの焼酎もしっかりラインナップにあったので飲ませていただきました。
メローコヅルは焼酎では珍しい樽熟成された本格米焼酎で、海外でもライスブランデーの名で通っていたり、嘉之助のウイスキー作りにも活かされています。
これまた、度数がしっかりしていて飲みごたえがありながら、味わいはクリアながら丸みのある綺麗なテイストがよく出ていて、特にこれからの時期ソーダ割りなんかも良さそうだなと思いながら……素材の米や麹の甘みをすっきりと感じられました。
最後にいただいたのは日本のジン業界で着目されることも多い素材のひとつ、酒粕を使った焼酎。
蔵前でジンを作るエシカルスピリッツさんも棄てられてしまう酒粕にフォーカスを当ててジンを作っていることで有名ですね。
気になって酒粕を使った粕とり焼酎がないか聞いたところ、リストには無い最近の新入荷商品を持ってきてくださり、有難く飲むことができました。
1724年創業のかなりの老舗。宮城県塩釜市にある日本酒の造り手さんで、麹造りや低温長期発酵の技術に長け、地域と強く繋がる造り手さんです。
純米吟醸の酒粕を原料としていて、飲めば飲むほど分かる酒粕の味。ゆったり時間をかけて飲むと日本酒のような甘さがグッと引き立ってきて、とても面白いです。これはお湯割りが美味しそう。
焼酎の世界は特にバーには置いてないこともあり、なかなかフォーカスされにくい。
ですが、日本の酒造りは実は世界的に見ても発酵や蒸留において凄い技術を持っています。
得に麹を使った発酵技術による15度近い高い度数の醸造酒はかなり稀。
発酵の時点から高い度数と素材の味を引き出す酒造りの伝統があるからこそ、1回の蒸留で素材の味をしっかり残した蒸留酒造りも可能とする技術の高さは、日本の職人文化を象徴していると感じました。
どちらが良いとかではなく、日本のジンやウイスキーを飲んでいて、ふと海外のジンと違う繊細さを感じることがある気がするのですが、その秘密に焼酎を知ることで少しだけ触れられたように感じます。
まだまだこの世界には魅力がある。そう感じてならないので、だからこそもっと色々なお酒に触れて魅力を感じたい、伝えたいと思った今日この頃。
もっと勉強しなくてはと思います。