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建築や都市空間がどのようなかたちをとるか、ということはその内部で生活し行動する私たちの生のスタイルと深く結びついている。どういう家族形態、ライフ スタイルをとるかということと、どういう間取りを好むかということは深く関係しているし、どのように教室・研究室(容器)を設計するかということと、実際 に行われる教育の「内容」とは、たぶん密接に連関している。
 容器としての建築と内容としての生活様式(あるいは社会性)との分かちがたい密接な結びつきをいかに捉(とら)えていくか。山本理顕は、そうした問題を徹底的に突き詰め、様々な空間的作品を提示してきた建築家といえる。
 本書は、保田窪第一団地、緑園都市、東雲キャナルコートCODAN、公立はこだて未来大学の「設計」にかかわってきた著者による自作解説の書であると同時に、ライフスタイルが多元化した現代社会における建築家のあり方について考察した方法論の書でもある。
  注意しなくてはならないのは、著者が単純に「生活至上主義」を礼賛しているわけではないということである。彼は人々の生活様式・社会性(内容)に建築(容 器)が服従すべし、などといった建築ポピュリズムを唱えているわけではない。なぜなら「内容」もまた「常に類型化された『容器』を想定して与えられる」か らだ。
 住宅にしても、学校にしても美術館にしても、私たちは自分たちの生活や行為(内容)が空間(容器)を規定していると深く信じている。しか し、その「内容」の多くは、既存 の類型化された「容器」のイ メージに侵されている。だから、重要なの は、「『内容』によって担保されている『容器』という 図式を疑う」ことである。紋切り型的な「内容」と「容器」の相互依存関係に「介入」す ることこそ、建築(家)の「倫理」なのであ る。
 いうまでもなく、その倫理は、「生活者」という言葉に安住しがちな私たち自身の建築に対するまなざしにも変更を迫るものだ。